成分名 |
パパベリン塩酸塩 |
適応症状 |
下記疾患に伴う内臓平滑筋の痙れん症状
胃炎,胆道(胆管・胆のう)系疾患
急性動脈塞栓、急性肺塞栓、末梢循環障害、冠循環障害における血管拡張と症状の改善 |
簡易説明 |
パパベリン塩酸塩は、胃腸など内臓のけいれん性の痛みをとる薬です。
内臓を動かしている平滑筋のけいれんを止める作用があります。
通常、胃炎、胆道(胆管・胆のう)系疾患に伴う内臓平滑筋のけいれん症状、急性動脈塞栓、急性肺塞栓、末梢循環障害、冠循環障害における血管拡張と症状の改善に用いられます。
また、血管を広げ血流をよくする目的で使用されることもあります。 |
処方可能な診療科目 |
消化器内科/血管外科/循環器科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1000円~3000円程度
新薬注射液4%1ml1管の目安:94円(薬価)
新薬 10%1gあたりの目安:6.2円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
10%塩パパ散(ヨシダ) 発売年月日:1965年11月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
10%塩パパ散(ヨシダ)塩酸パパベリン散10%【製薬メーカー:丸石製薬】
塩酸パパベリン散10%【製薬メーカー:マイラン製薬】
パパベリン塩酸塩注40mg【製薬メーカー:日医工】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
パパベリン塩酸塩は「向筋肉性鎮痙薬」と呼ばれ、細胞内のホスホジエステラーゼを阻害してサイクリックAMP量を増加、細胞内のカルシウムイオン量も増加させて平滑筋を弛緩させます。
その結果、胃腸や胆管の異常な運動(けいれん)が抑えられ、痛みがやわらぐため、胃炎、胆道(胆管・胆のう)系疾患に伴う内臓平滑筋の痙れん症状に用いられます。
また、パパベリン塩酸塩には収縮してしまった血管を拡張させて、血流がよくする効果も認められているので、急性動脈塞栓,急性肺塞栓,末梢循環障害,冠循環障害における血管拡張と症状の改善にも用いられます。
消化管は、食べ物を効率よく消化・吸収するため、リズミカルに収縮・弛緩を繰り返しています。
この動きは蠕動運動と呼ばれ、これなくして私たちの食生活は成り立ちません。
腸管では、縦と横に走る2層の平滑筋が、文字通り縦横無尽な蠕動運動を支えています。
それぞれにアウエルバッハ神経叢と呼ばれる神経ネットワークからの指令が下ることで、複雑な消化管運動が実現しています。
これらの神経支配の秩序が乱れると、その先にある筋の動きもコントロールできなくなります。
神経ネットワークからの指令が乱れ、コーディネートされていない情報が神経から降りると、腸管を困惑させ、痙攣させます。
結果、腹部に痛みが走る原因となります。
このような騒乱状態を鎮めるために「鎮痙薬」が用いられます。
消化管の平滑筋が痙攣性に収縮する状態を強力に抑制し、痛みを鎮めていくことから、平滑筋弛緩薬と呼ばれることも多いです。神経から筋へ注がれるノイズのような情報を、一時的に遮断することで、腸管の乱れた動きを整えて痙れんが緩和されます。
パパベリン塩酸塩は、レボドパ製剤との併用が注意とされています。
レボドパ製剤は 脳内に移行しドパミンへ変化し、パーキンソン病における手足の震えや筋肉のこわばりなどを改善する医薬品で、併用することでパーキンソン症状を悪化させることがありますのでご注意ください。 |
使用方法 |
▼散剤(粉薬)の場合
パパベリン塩酸塩として、1日200mg(本剤:2g)を3~4回に分割し服用してください。
なお、年齢、症状により適宜増減します。
▼パパベリン塩酸塩注40mgの場合
パパベリン塩酸塩として、通常成人1回30~50mg(0.75~1.25mL)1日100~200mg(2.5~5mL)を注射します。
主として皮下注射しますが、筋肉内注射することもできます。
また、急性動脈塞栓には、1回50mg(1.25mL)を動脈内注射、急性肺塞栓には、1回50mg(1.25mL)を静脈内注射することができます。
なお、年齢、症状により適宜増減します。 |
副作用 |
主な副作用
パパベリン塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
パパベリン塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
肝臓注:アレルギー性の肝障害
過敏症:発疹
循環器:心悸亢進、不整脈、血圧上昇
精神神経系:めまい、眠気、脱力感、頭痛
消化器:嘔気、便秘、口渇、食欲不振、心窩部痛
その他:顔面潮紅、発汗、持続勃起
重大な副作用
・呼吸抑制
(呼吸抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行ってください。
なお、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行ってください)
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・房室ブロックのある患者の方(完全房室ブロックに移行するおそれがあります)
・妊婦・産婦・授乳婦の方への投与
・小児等への投与
使用に注意が必要な方 ・緑内障のある方(眼圧が上昇するおそれがあります。慎重に投与してください)
・高齢者の方への投与(一般に高齢者では生理機能が低下しているため減量するなど注意してください。
)
上記にあてはまる方は、パパベリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 パパベリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・レボドパ製剤(レボドパの作用を減弱し,パーキンソン症状を悪化させることがあります)
上記を使用している方は、パパベリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 パパベリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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