シメチジン

成分名

シメチジン

適応症状

・逆流性食道炎、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、Zollinger-Ellison症候群、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)
・急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期の胃粘膜病変(出血、びらん、浮腫、発赤)の改善

簡易説明

シメチジンは、胃酸の分泌を抑制する薬剤であり、主に胃酸依存性疾患の治療に用いられます。胃酸分泌を抑制するために「ヒスタミンH2受容体」に結合してその刺激作用をブロックします。ヒスタミンはもともと胃酸分泌を促進する作用を持っているため、シメチジンがヒスタミンH2受容体をブロックすることによって胃酸分泌を抑制することができます。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:200mg約12円/400mg約12円
薬代後発薬1錠の目安:200mg約6円/400mg約6円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1982年1月(200㎎)、1987年12月(400㎎)

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

タガメット錠200/400mg/細粒20%【製薬メーカー:住友ファーマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

シメチジン錠200mg/400mgTCK」(辰巳化学)、シメチジン錠200/400mg「クニヒロ」(皇漢堂製薬)、シメチジン錠200mg/400mg「日医工」(日医工)、シメチジン錠200/400mg「YD」(陽進堂)、シメチジン錠200/400mg「サワイ」(沢井製薬)、シメチジン錠200/400mg/細粒20%「ツルハラ」(鶴原製薬)

効果・作用

シメチジンは、胃酸の分泌を抑制する薬剤であり、主に胃酸依存性疾患の治療に用いられます。また、シメチジンは「ヒスタミンH2受容体」と呼ばれる部位をブロックすることで胃酸分泌を抑制します。
胃酸分泌は、神経系とホルモン系によって調節されます。神経系の場合、交感神経から分泌されるアセチルコリンと、副交感神経から分泌されるガストリン放出ペプチド(GRP)が胃酸分泌を促進し、ホルモン系の場合、胃粘膜細胞から分泌されるガストリンが胃酸分泌を促進します。
シメチジンは、胃酸分泌を抑制するために、ヒスタミンH2受容体に結合してその刺激作用をブロックします。ヒスタミンはもともと胃酸分泌を促進する作用を持っているため、シメチジンがヒスタミンH2受容体をブロックすることによって胃酸分泌を抑制することができます。
シメチジンは、H2受容体拮抗薬の中でも、とくにH2受容体を選択的にブロックすることができるため、副作用が少ないとされています。ただし、シメチジンが肝臓のCYP450酵素を阻害するため、他の薬剤との相互作用が生じる可能性があります。また、長期間の使用や高用量使用によって、胃酸分泌抑制以外の副作用(例えば、肝臓や腎臓への影響など)が生じることがあります。

使用方法

■胃潰瘍、十二指腸潰瘍の場合
成人(15歳以上):シメチジンとして1日800ミリグラムを朝食後および寝る前に2回分けて服用します。また、1日量を4回に分けることも可能でその場合は毎食後および寝る前に服用します。年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。
■逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)の場合
成人(15歳以上):シメチジンとして1日800ミリグラムを2回(朝食後および寝る前)に分けて服用します。また、1日量を4回に分けることも可能でその場合は毎食後および寝る前に服用します。年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。ただし、上部消化管での出血の場合、基本的には注射剤で治療をスタートし、経口にて服用可能となった段階で経口投与(錠剤、散剤)に切りかえます。
■急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期における胃粘膜病変(出血、びらん、浮腫、発赤)改善の場合
成人(15歳以上)の場合:シメチジンとして1日400ミリグラムを2回(朝食後および寝る前)に分けて服用します。また、1日量を1回(寝る前)に調整することもできます。年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。

副作用

重大な副作用
・再生不良性血、汎血球減少、血小板減少、無顆粒球症
※脱力、全身倦怠、皮下・粘膜下出血、発熱などが起きたら血液検査を実施し、結果として異常があった場合にはすぐに服用を中止してください。
・アナフィラキシー、ショック
※全身の発赤、呼吸困難などのショックやアナフィラキシーがあらわれる可能性があります。
・急性腎障害、間質性腎炎
※BUN、クレアチニンの上昇など腎機能検査値異常、発熱などがおきた場合には直ちに服用を中止してください。
・肝障害
※AST、ALTの上昇、黄疸などがあらわれる可能性があります。頻繁に肝機能に関する血液検査を行う必要があります。
・けいれん、意識障害
※おもに腎機能に障害をもつ方において起きやすいので注意が必要なです。
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
・房室ブロックなどの心ブロック

その他の副作用
・腎臓系:BUN値の上昇、クレアチニン値の上昇
・過敏症系:発疹、末梢神経障害
・内分泌系:乳汁分泌、女性化乳房、勃起障害
・精神神経系:けいれん、うつ状態、可逆性の錯乱状態、無気力状態、めまい、頭痛、しびれ、こわばり、ねむけ、ヒポコンドリー様症状、幻覚
・循環器系:徐脈、頻脈、動悸
・消化器系:お腹のハリ、便秘、下痢
・その他:全身熱感、発熱、排尿困難、膵炎、筋肉痛、脱毛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・シメチジンに対して過敏症の経験のある方

使用に注意が必要な方
・薬物過敏症の経験のある方(シメチジン以外も含む)
・腎機能に障害のある方
※シメチジンは、おもに腎臓から排泄されるので、腎機能に障害のある方ではシメチジンの血液中の濃度が持続してしまう可能性があります。
・肝機能に障害のある方
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方には治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
・授乳している方
※治療上のメリットおよび母乳栄養の観点からメリットを鑑み、授乳の継続または中止を検討してください。シメチジンが母乳中に移行してしまうことが報告されています。
・小児
※小児などを対象とする臨床試験が実施されていません。
・高齢者
高齢者では腎臓の機能が低下していることが多く、シメチジンの血液中の濃度が持続する可能性があります。1日量を減量するか、服用間隔をのばすなど工夫して服用してください。

上記にあてはまる方は、シメチジンを使用する事が出来ない可能性があります。
シメチジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・「薬物代謝酵素P450」に関わる薬
ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、トリアゾラム、ミダゾラムなど)、キサンチン系薬剤(テオフィリン、アミノフィリンなど)、クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)、抗うつ剤(三環系抗うつ剤、イミプラミン、パロキセチン)、β遮断剤(プロプラノロール、メトプロロール、ラベタロールなど)、カルシウム拮抗剤(ニフェジピンなど)、抗てんかん剤(フェニトイン、カルバマゼピンなど)、抗不整脈剤(リドカインなど)
※シメチジンが「薬物代謝酵素P450(CYP2C9、CYP1A2、CYP3A4 、CYP2D6など)」をブロックして、上記の成分の分解、排泄を遅らせ、血液中の濃度が高まる可能性があります。
・プロカインアミド
※シメチジンが上記成分の排泄をブロックして、血液中の濃度が高まる可能性があります。
・エリスロマイシン
※メカニズムは不明ですが、上記成分の血液中の濃度が高まる可能性があります。

上記を使用している方は、シメチジンを使用する事が出来ない可能性があります。
シメチジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
1日4回200mgずつ(毎食後、寝る前)で飲むのが大変なのですが、1日2回400mgずつにまとめるのはよくないですか?

シメチジンは2時間で血液中の濃度が最大になり、その後2時間で血液中の濃度が半分になるという効き目の鋭い薬です。間隔をあけすぎるとシメチジンの効果が下がってしまうので1日4回での処方であればその指示に従ってください(もともと1日2回の処方の場合その限りではありません)。タガメット錠 【参考元:タガメット錠 添付文書】

長期的な服用で胃酸が分泌されなくなることはありませんか?

1日あたり800〜1600ミリグラムのシメチジンを、約1〜8.5ヵ月服用した場合、服用前後で胃酸を分泌する能力に変化はなかったというデータがあります。タガメット錠 【参考元:タガメット錠 添付文書】

参考元一覧

タガメット錠 【タガメット錠 添付文書】
医薬品マスター検索 【診療報酬情報提供サービス】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。