成分名 |
水酸化マグネシウム |
適応症状 |
便秘症
胃炎の症状の改善/制酸作用
胃潰瘍の症状の改善/制酸作用
胃下垂症の症状の改善/制酸作用
胃酸過多症の症状の改善/制酸作用
急性胃炎の症状の改善/制酸作用
十二指腸潰瘍の症状の改善/制酸作用
上部消化管機能異常の症状の改善/制酸作用
神経性食思不振の症状の改善/制酸作用
慢性胃炎の症状の改善/制酸作用
薬剤性胃炎の症状の改善/制酸作用 |
簡易説明 |
便秘は何らかの原因により、腸の動きが弱くり排便が順調に行われない状態のことです。塩類下剤は、腸内で便に水分を含ませ膨大・軟化させ、排便を促進する働きがあります。水酸化マグネシウムは、便の水分バランスを調節し排便を促します。中には製剤中の金属イオンなどの作用により、胃酸を中和する制酸作用をあらわすものもあります。水酸化マグネシウムは、胃酸を中和や胃粘膜を保護し、主に胃炎、胃潰瘍、便秘の治療に使用されます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:350mg約5.7円
薬代1mlあたりの目安:1ml約1.62円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始年月 : 1958年4月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外もなし) |
関連製品(先発薬) |
ミルマグ錠350mg【製薬メーカー:エムジーファーマ】
ミルマグ内用懸濁液7.2%【製薬メーカー:エムジーファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
便秘は、何らかの原因で腸の動きが弱くなり、神経機能が低下すし発症します。便秘の症状としては、お腹が張る、げっぷが出るなどがあらわれ、場合によっては高血圧を引き起こすこともあります。塩類下剤は、腸内で腸内容物に水分を吸収させ、膨大・軟化することで蠕動運動を活性化させます。これにより、排便を促進させます。また、中には薬剤に含まれる金属イオンなどの作用により、消化管内において胃酸を中和する制酸作用があるものもあります。
▼制酸作用
胃内の塩酸を中和し、制酸作用を示します。炭酸ガスを発生しないので、胃壁を刺激せず、二次的胃酸分泌を起こしにくいです。
▼緩下作用
胃内で中和反応により塩化マグネシウムとなった後、腸内の重炭酸ナトリウムと反応して可溶性、難吸収性の重炭酸マグネシウムもしくは、炭酸マグネシウムになります。腸管内腔液の浸透圧を等張に維持するため、腸壁から水を奪うことにより、腸内容物は水分を保持して「膨大、軟化」し、大腸に到達して蠕動運動を活発にし緩下作用を示します。腸粘膜への薬物の直接的刺激作用はありません。
▼便秘症とは
本来体外に排出すべき糞便を、十分量かつ快適に排出できない状態です。排便の量、回数が少ないだけでなく、残便感があるというところも含めて便秘症とされています。
症状からは下記のように分けられています。
①排便回数減少型
②排便困難型
病態からは下記のように分けられています。
①大腸通過正常型:便秘型過敏性腸症候群など
②大腸通過遅延型:特発性便秘症や便秘型過敏性腸症候群、薬剤性便秘症など
③便排出障害型:直腸感覚低下や直腸収縮力低下、巨大結腸、直腸瘤、骨盤底筋協調運動障害など
重要な点は、便秘症かと思っていたら大腸がんによる狭窄(せまくなること)で便が通りにくくなっていたという場合もあるので、長く続く便秘症には注意が必要です。
▼便秘症の症状
食欲がない
吐き気がある
便が硬かったり、小さなコロコロの便が出る
お腹の痛みがある
下剤を飲まないと便が出ない
何日も排便がない
また、便秘症があると下記のような症状を引き起こすことがあります。
・おならが多い/臭い
腸内環境のバランスが乱れると、硫化水素・アンモニアなどにおいの強いガスが多く発生してしまいます。
そのため、「おならがたくさん出る」「においが臭い」といった症状が出ます。
・痔/裂肛
便の水分が再吸収されてしまい硬くなっていることが多く、排便時にいきむことで、いぼ痔になったり、排便の際に肛門を傷つけてしまって、きれ痔になってしまうことがあります。
・腸閉塞
硬い便がつまり、便が流れていかなくなり腸閉塞(糞便性イレウス)を起こすことがあります。腸の中の圧が高い状態が続くと、腸の粘膜のバリアが壊れてしまって、腸内の細菌が腸の壁の中に入っていき、腸炎(閉塞性腸炎)を起こすことがあります。さらに、腸の中の圧が高い状態が続くと腸に穴があく(腸管穿孔)になってしまいます。腸管穿孔を発症すると、便がお腹の中にまき散らされて腹膜炎をきたし、命にかかわる状態になるので注意が必要です。
・肌荒れ、吹き出物
腸内環境が乱れて腸の中に腸内腐敗物がたまると、体内に吸収され肌にまで運ばれてしまいます。また肌の生まれ変わりの周期が乱れることが肌荒れの原因となってしまいます。
・食欲の低下
便秘症で腸内に便がたくさん詰まっていると、新しい食べ物を腸に送り込みにくくなります。そのため、食欲の低下や場合によっては吐き気などを引き起こすこともあります。
▼胃潰瘍とは
胃粘膜が炎症を起こし、粘膜の一部が欠損している状態です。胃潰瘍には、良性の消化性潰瘍と胃がんによるガン性胃潰瘍とがあります。消化管機能は、自律神経によるコントロールのため、過度のストレスなどを大きく影響を受けやすい傾向があります。ストレスから胃酸が大量に分泌されることがあるため、注意が必要です。症状としては、みぞおち辺りの痛み、胸焼け、吐き気や嘔吐の症状が起こり、食欲不振・体重減少などの症状が起こることがあります。胃潰瘍の原因としては、最も多い原因は、ピロリ菌感染で他には、食べ過ぎ・飲み過ぎ、過度のストレスなどがあげられます。
▼他の塩類下剤
酸化マグネシウム/マグミット/重カマミルマグ/マグコロール |
使用方法 |
制酸剤として
1日0.9~2.4gを数回に分割経口投与してください。
緩下剤として
1日0.9~2.1gを頓用又は数回に分割経口投与してください。
※年齢、症状により適宜増減してください。 |
副作用 |
代謝異常、高マグネシウム血症、下痢
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■水酸化マグネシウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方 ミルマグは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ミルマグの有効成分
水酸化マグネシウム
▼代表薬の添加物
トウモロコシデンプン、白糖、脱脂粉乳(カゼイン含有)、タルク、サッカリンナトリウム水和物、l-メントール、香料、プロピレングリコール
■他に使用できない方
牛乳に対しアレルギー
使用に注意が必要な方 高齢者
下痢
高マグネシウム血症
心機能障害
腎障害
上記にあてはまる方は、水酸化マグネシウムを使用する事が出来ない可能性があります。 水酸化マグネシウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 テトラサイクリン系抗生物質<経口>
テトラサイクリン<経口>
ミノサイクリン<経口>
ニューキノロン系抗菌剤<経口>
シプロフロキサシン<経口>
トスフロキサシン<経口>
ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤<服用>
エチドロン酸二ナトリウム<経口>
リセドロン酸ナトリウム水和物<経口>
セフジニル<経口>
デラビルジン<服用>
ペニシラミン製剤<服用>
ミコフェノール酸モフェチル<経口>
ロスバスタチン<服用>
ガバペンチン<服用>
セレコキシブ
アジスロマイシン
ラベプラゾール
ジギタリス<経口>
ジゴキシン<服用>
フェキソフェナジン<服用>
鉄剤<服用>
ポリカルボフィルカルシウム<経口>
高カリウム血症改善イオン交換樹脂<経口・注腸>
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム<経口・注腸>
活性型ビタミンD3製剤
アルファカルシドール
カルシトリオール
カルシウム製剤
ミソプロストール
大量の牛乳
カルシウムを含むもの<干しえび、バジル、煮干し、牛乳、乳製品 など>
鉄分を含むもの<バジル、海苔、あゆ、ひじき、あさり など>
上記を使用している方は、水酸化マグネシウムを使用する事が出来ない可能性があります。 水酸化マグネシウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬は報告されていません
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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