成分名 |
ホスアプレピタントメグルミン |
適応症状 |
ホスアプレピタントメグルミンを主成分とする医療用医薬品のプロイメンド点滴静注用150mgは、例えばシスプラチン(ランダ注)などの様な抗悪性腫瘍剤を投与した際に伴う、悪心や嘔吐などの消化器症状(遅発期を含む)に対して適応を持ちます。 |
簡易説明 |
ホスアプレピタントメグルミンを主成分とする医療用医薬品のプロイメンド点滴静注用150mgは、選択的NK1受容体拮抗型制吐薬と呼ばれる吐き気止めになります。特に抗悪性腫瘍剤投与時における悪心・嘔吐に対し予防薬として作用します。悪心・嘔吐の予防、あるいは症状の軽減は、がん患者のQOLの維持及び癌化学療法を継続する上で極めて重要な要因になります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代1瓶あたりの目安:150mg約10,570円
薬代後発薬1瓶の目安:150mg約5,500円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
ホスアプレピタントメグルミンを主成分とする医療用医薬品のプロイメンド点滴静注用150mgは、2011年9月26日に製造販売が承認され、2011年11月25日に薬価基準に収載、その後2011年12月9日より販売開始となります。 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
プロイメンド点滴静注用150mg【製薬メーカー:小野薬品工業株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
ホスアプレピタント点滴静注用150mg「NK」【製薬メーカー:日本化薬株式会社】 |
海外での使用実績 |
150mg製剤は75の国と地域で承認されており、115mg製剤は4の国と地域で承認されています。 |
効果・作用 |
ホスアプレピタントメグルミンを主成分とする医療用医薬品のプロイメンド点滴静注用150mgは、例えばシスプラチン(ランダ注)などの様な抗悪性腫瘍剤を投与した際に伴う、悪心や嘔吐などの消化器症状(遅発期を含む)にたいして効果のある医薬品になります。
その作用機序としてホスアプレピタントは、静脈内投与後速やかに活性本体であるアプレピタントに代謝されます。アプレピタントの水溶性の向上を目的としてリン酸化したプロドラッグ体です。
アプレピタントは選択的ニューロキニン1(NK1)受容体拮抗型制吐剤です。
抗悪性腫瘍剤の投与によりサブスタンスPの分泌が亢進し、中枢神経系のNK1受容体に結合する事により嘔吐を誘発します。
アプレピタントは主に中枢性の嘔吐反応経路において、化学需要期引金帯及び嘔吐中枢におけるニューロキニン1(NK1)受容体に選択的に拮抗します。その結果、抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う悪心・嘔吐における、急性期及び、コントロール不十分であった遅発期に対しても発症抑制作用を示します。
癌化学療法に伴う悪心・嘔吐の機序には前述の中枢性経路の他に末梢性経路があります。
消化管粘膜にはクロム親和性細胞(EC細胞)が多く存在します。抗悪性腫瘍剤の投与によって、このEC細胞からセロトニン(5-HT)の分泌が亢進します。5-HTは消化管の5-HT3受容体に結合し、求心性に嘔吐中枢に作用します。
以上の点より抗悪性腫瘍剤投与における悪心・嘔吐を抑制する為には他の制吐剤との併用が必要となります。 |
使用方法 |
【12歳以上の小児及び成人に対して投与する場合】
他の制吐剤を併用しながら、通常、12歳以上の小児及び成人に対しては、ホスアプレピタントとして150mg(1バイアル)を抗悪性腫瘍剤を投与する初日に1回、点滴静注を行います。
【生後6か月以上の乳幼児及び12歳未満の小児に対して投与する場合】
他の制吐剤を併用しながら、通常、生後6か月以上の乳幼児及び12歳未満の小児に対してはホスアプレピタントとして30mg/kgを抗悪性腫瘍剤を投与する初日に1回、点滴静注を行います。ただし、ホスアプレピタントとして150mg(1バイアル)をこえない事とされています。 |
副作用 |
重大な副作用
1)皮膚粘膜眼症候群(頻度不明)
発熱、紅斑、掻痒感、眼充血、口内炎等の症状が現れる事があります。
2)穿孔性十二指腸潰瘍(頻度不明)
3)ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
全身発疹、潮紅、血管浮腫、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等の症状が現れる事があります。
その他の副作用
皮膚、精神神経系、循環器、消化器、呼吸器、肝臓、腎臓、血液、筋骨格系、注射部、その他の副作用が報告されています。
発生頻度は以下の通りです。
1)皮膚
発疹(5%未満)
そう痒、紅斑、皮膚病変、光線過敏症、ざ瘡、多汗症、脂性肌、蕁麻疹(頻度不明)
2)精神神経系
頭痛(5%未満)
めまい、眠気、不眠症、不安、多幸症、異常な夢、認知障害、失見当識(頻度不明)
3)循環器
潮紅(5%未満)
徐脈、動悸、頻脈、不整脈、ほてり、血圧上昇(頻度不明)
4)消化器
便秘(5~10%未満)
下痢、腹痛、腹部不快感、口内炎(5%未満)
悪心、嘔吐、鼓腸、消化不良、おくび、胃炎、腸炎、胃食道逆流性疾患、口内乾燥、食欲不振、腹部膨満(頻度不明)
5)呼吸器
しゃっくり(5~10%未満)
咳嗽(5%未満)
咽頭炎、後鼻漏、くしゃみ、咽喉刺激感(頻度不明)
6)肝臓
ALTの上昇(5~10%未満)
AST、アルカリフォスファターゼ、γーGTP、ビリルビンの上昇(5%未満)
7)腎臓
蛋白尿、尿糖(5%未満)
BUN上昇、クレアチニン上昇、頻尿、多尿、排尿困難、血尿(頻度不明)
8)血液
リンパ球数減少(5%未満)
貧血、好中球数減少、白血球数減少、血小板数減少、単球数減少(頻度不明)
9)筋骨格系
筋痙攣、筋痛、四肢痛(頻度不明)
10)注射部
疼痛、掻痒感、紅斑、硬結、腫脹(5%未満)
血栓性静脈炎(頻度不明)
11)その他
倦怠感、浮腫、味覚異常、低ナトリウム血症(5%未満)
胸部不快感、疲労、無力症、嗜眠、発熱、耳鳴、仏痛、粘膜の炎症、体重増加、体重減少、多飲症、高血糖、口渇、脱水、アルブミン減少、低カリウム血症、低クロール血症、結膜炎、ブドウ球菌感染症、カンジダ症(頻度不明)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)本剤の成分又はアプレピタントに対し過敏症の既往歴のある患者
■ホスアプレピタントメグルミンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、プロイメンド点滴静注用150mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼プロイメンド点滴静注用150mgの有効成分
ホスアプレピタントメグルミン
▼代表薬の添加物
・エデト酸ナトリウム水和物、ポリソルベート80、無水乳糖、水酸化ナトリウム、塩酸
2)ピモジド投与中の患者
使用に注意が必要な方 1)重度の肝障害患者
本剤の活性本体であるアプレピタントは主に肝で代謝される為血中濃度が過度に上昇する恐れがある為使用には注意が必要です。
2)妊婦
動物実験において本剤の活性本体であるアプレピタントは胎盤を通過する事が報告されている為使用には注意が必要です。
3)授乳婦
動物実験において本剤の活性本体であるアプレピタントは乳汁中に移行する事が報告されている為使用には注意が必要です。
4)小児等
5)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下している為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、ホスアプレピタントメグルミンを使用する事が出来ない可能性があります。 ホスアプレピタントメグルミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)CYP3A4を阻害する薬剤(イトラコナゾール、エリスロマイシン。クラリスロマイシン、リトナビル等)
2)ジルチアゼム
3)CYP3A4を誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)
4)CYP3A4で代謝される薬剤(デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、ミダゾラム等)
5)CYP2C9で代謝される薬剤(ワルファリン、トルブタミド、フェニトイン等)
6)ホルモン避妊法(エチニルエストラジオール等)
上記を使用している方は、ホスアプレピタントメグルミンを使用する事が出来ない可能性があります。 ホスアプレピタントメグルミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 1)ピモジド(オーラップ錠1mg、3mg、細粒1%)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ホスアプレピタントメグルミンに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【小野薬品工業株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
くすりのしおり 【くすりの適正使用協議会】
がん診療ガイドライン 【日本癌治療学会】 |
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