成分名 |
ケノデオキシコール酸 |
適応症状 |
外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解 |
簡易説明 |
ケノデオキシコール酸は、胆汁の流れを良くすることで胆汁の滞りを改善し、胆汁の分泌を促進させる効果が見込める薬剤です。胆汁分泌の促進から胆石などの改善が見込めます。また、ケノデオキシコール酸は、慢性肝炎などの肝機能低下に対しても用いられる薬剤です。肝庇護薬として用いられる場合もあります。
ケノデオキシコール酸は、比較的小さいコレステロール系胆石を溶かすのに適しているため、大きい胆石や石灰化している胆石に対しては不向きとされています。 |
処方可能な診療科目 |
外科 など |
健康保険の適応 |
適応しない |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1000円~3000円程度
新薬1カプセルあたりの目安:125㎎25.9円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
販売開始:1984年4月
薬価収載:2006年6月 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
チノカプセル125(藤本製薬) |
関連製品(ジェネリック) |
該当なし |
効果・作用 |
ケノデオキシコール酸は、胆汁内のコレステロールを低下させ、胆石を溶かしやすくします。小さめのコレステロール系胆石を溶かすのに適しており、大きい胆石や石灰化した胆石には不向きとされています。
コレステロールを下げる他、胆汁の分泌を促進することで、胆汁の流れの滞りを改善します。
▼胆汁
胆汁とは、体内の脂肪を消化するために必要な液体で肝臓によって生成されます。
1日平均1リットルほど生成されており、胆汁の約97%は水分で出来ています。
また、胆汁に含まれる成分は以下の通りです。
・胆汁酸塩
→胆汁酸塩は、十二指腸の脂肪の乳化を促進させる成分です。
水では溶けない脂肪酸やレシチン、コレステロールなどを溶かし、脂肪の消化、吸収を促進します。
・胆汁色素
→胆汁色素は、黄褐色のビリルビンと青緑色のビリベルジンから出来ており、胆汁と便に色を与えます。消化や吸収の働きはしません。
・コレステロール
→コレステロールは、細胞膜、ホルモン、胆汁酸を生成するのに必要となる。
コレステロールは身体に有害と見られていますが、コレステロールが血液中に不足すると、動脈硬化などの原因となるため、人体の体内に必要な物質となります。
・ビリルビン
→ビリルビンは、赤血球に含まれる黄色い色素のことを言います。
胆汁色素の一部であり、糞便に色を与えますが、消化吸収の作用はありません。
▼胆石症
胆石症は、胆道内で胆汁の成分が固まり、結石が出来る症状のことを言います。
胆石は、胆のう(胆のう結石)で発症することが多いとされています。
胆のう結石のみならず、総胆管結石、肝内結石と胆石が発生する箇所により、症状名が異なります。
主に食生活の欧米化や少子高齢化社会などが原因から日本では胆石症が増えており、日本人の10%~15%が胆石症を発症していると言われています。
また、脂質の取りすぎや細菌に感染することで発症するケースもあり、細菌に感染すると胆汁の色素が変化し、結石になりやすくなる傾向にあります。
食事の際に脂質を取りすぎた場合、胆汁内でコレステロールが固まることで、結石になりやすいため、食事の欧米化のみならず、食生活などの生活習慣が影響すると言われています。胆石の大きさや位置によって治療方法が異なり、痛みが生じていない場合は経口薬で結石を溶かす治療方法が施されます。痛みが強く生じている場合は、痛みの鎮痛から行われ、手術で結石を取り除く治療方法になります。また、身体の外側から衝撃波を与え、圧力で結石を砕く治療方法が施される場合もあります。 |
使用方法 |
通常、成人にはケノデオキシコール酸として、300~400mgを1日2~3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は600mgとする。 |
副作用 |
主な副作用
・ALT上昇
・AST上昇
・下痢
・軟便
・腹痛
・腹部不快感
・胸やけ
・腹部膨満感
・過敏症
・発疹
・Al-P上昇
・ビリルビン上昇
・倦怠感
・眩暈
・悪心
・嘔吐
・食欲不振
・そう痒
・顔のむくみ
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
・間質性肺炎
・発熱
・咳嗽
・呼吸困難
・胸部X線異常
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ▼重篤な胆道障害のある患者
→利胆作用があるため、原疾患を悪化させるおそれがある。
▼重篤な膵障害のある患者
→利胆作用があるため、原疾患を悪化させるおそれがある。
▼重篤な肝障害のある患者
→肝での代謝物により、肝障害を悪化させるおそれがある。
▼肝、胆道系に閉塞性病変のある患者
→利胆作用があるため、胆汁うっ滞を惹起するおそれがある。
▼妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
使用に注意が必要な方 ▼消化管に潰瘍性病変のある患者
→粘膜刺激作用があるため、症状を悪化させるおそれがある。
▼胆管に胆石のある患者
→利胆作用があるため、胆汁うっ滞を惹起するおそれがある。
▼肝障害の既往歴のある患者
→肝での代謝物により、肝障害を惹起するおそれがある。
▼高齢者
上記にあてはまる方は、ケノデオキシコール酸を使用する事が出来ない可能性があります。 ケノデオキシコール酸を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ▼スルフォニル尿素系経口糖尿病薬
→トルブタミド等
▼制酸剤
→水酸化アルミニウムゲル等
▼脂質低下剤
→クロフィブラート等
▼コレスチラミン
上記を使用している方は、ケノデオキシコール酸を使用する事が出来ない可能性があります。 ケノデオキシコール酸を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 該当なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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