アザセトロン塩酸塩

成分名

アザセトロン塩酸塩

適応症状

シスプラチンなどの抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)

簡易説明

アザセトロン塩酸塩は、5-HT3受容体ブロッカーとして、シスプラチンなどの抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)を抑制する目的で使用する薬です。具体的には、大脳皮質、迷走神経および小腸など中枢神経系と末梢神経系どちらにおいてもアザセトロン塩酸塩が5-HT3受容体の結合部位に直接結合することによって、セロトニンが5-HT3受容体の結合部位に結合するのをブロックします。このため、セロトニンが5-HT3受容体に結合し嘔吐反射を引き起こす刺激が減少し、結果として悪心や嘔吐を抑制することができます。

処方可能な診療科目

内科/腫瘍内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:2018年4月1日より経過措置品目へ移行し、2019年3月末日をもって経過措置期間が満了しています(販売停止)。
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:1999年10月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

セロトーン錠10mg(日本たばこ産業)

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

アザセトロン塩酸塩は、5-HT3受容体ブロッカーとして、シスプラチンなどの抗悪性腫瘍剤投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)を抑制する目的で使用する薬です。
5-HT3受容体とは、セロトニンに感受性を持つリガンド(結合部位)型イオンチャネルであり、大脳皮
質、迷走神経および小腸など中枢神経系と末梢神経系の両方に存在しています。5-HT3受容体は多くの役割を担っていますが、嘔吐、消化管運動異常、および下痢などさまざまな消化管機能異常に関与しているとされています。
アザセトロン塩酸塩は、5-HT3受容体の結合部位に直接結合することによって、セロトニンが5-HT3受容体の結合部位に結合するのをブロックします。このためセロトニンが5-HT3受容体に結合し嘔吐反射を引き起こす刺激が減少し、結果として悪心や嘔吐を抑制することができます。また、アザセトロン塩酸塩は脳内における5-HT3受容体の結合部位にも作用し、セロトニンの5-HT3受容体への結合をブロックし、セロトニンの過剰な作用を抑制することによって、悪心・嘔吐を抑制する効果を発揮します。
アザセトロン塩酸塩は、5-HT3受容体以外の5-HT受容体には作用しないとされているので、その他の副作用や相互作用のリスクを減らすことができます。

使用方法

成人(15歳以上)のケース:アザセトロン塩酸塩として1回10ミリグラムmgを1日1回服用します。なお、年齢や症状によって医師の判断の元、適宜増量、減量することができますが1回15mgを超えない範囲で使用してください。
※各種抗悪性腫瘍剤を使用するケースでは、その30分2時間前に使用してください。
※各種がん化学療法の各クールにおいて、アザセトロン塩酸塩は抗悪性腫瘍剤を使用する当日に服用し、抗悪性腫瘍剤を連日で使用する場合は、その使用期間中(通常3~5日間)に服用してください。
※各種抗悪性腫瘍剤の使用終了後、翌日以降に引き起こされる悪心、嘔吐に対するアザセトロン塩酸塩の有効性は確立していません。各種抗悪性腫瘍剤使用終了日の翌日以降は、アザセトロン塩酸塩の服用を継続しないように注意してください。
※アザセトロン塩酸塩は強い悪心や嘔吐が生じる可能性の高いシスプラチンなどの各種抗悪性腫瘍剤を使用する際の副作用対策の場合に限って使用することができます。

副作用

重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。服用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には服用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・アナフィラキシーショック、ショック
※気分の不良、悶絶感、呼吸困難、胸の苦しみ、ぜいめい、発赤、顔面潮紅、むくみ、チアノーゼ、血圧の低下などを初期症状とするアナフィラキシーショック、またはショックを引き起こす可能性があるので、アザセトロン塩酸塩を服用しているあいだは体調のモニタリングを十分に行い、万が一異常が引き起こされた場合にはすぐに使用を中止し、医師の判断のもと適切な処置を行ってください。

その他の副作用
・消化器系:下痢、便秘、お腹のはり、下血
・精神神経系:頭重感、頭痛
・血液系:白血球数の増加
・腎臓系:BUNの上昇、タンパク尿・肝臓系: ALT(GPT)の上昇、AST(GOT)の上昇、LDHの上昇、γ-GTPの上昇、総ビリルビン値の上昇
・皮膚系:発疹、発赤、かゆみ
・その他:アルブミン減少、発熱、顔面の潮紅、総タンパク減少

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■アザセトロン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、セロトーンはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼セロトーンの有効成分
アザセトロン塩酸塩
▼代表薬の添加物
トウモロコシデンプン、乳糖、セルロース、カルナウバロウ、ヒプロメロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、酸化チタン

・アザセトロン塩酸塩に対し過敏症の経験のある方

使用に注意が必要な方
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※動物実験(ラット):アザセトロン塩酸塩が乳汁中へ移行する可能性があることが報告されています。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※動物実験(ラット):大量の経口摂取によって、胎児の体重増加抑制、胎児胎盤重量の低下、胎児死亡率の増加がデータとして報告されています。また、静脈内への投与において腎臓の重量増加がデータとして報告されています。
・小児など
※小児などに対する使用経験がなく、安全性が確立していません。
・高齢者
※アザセトロン塩酸塩はおもに腎臓から排泄されますが、高齢者では一般的に腎機能が低下している可能性が高いため、アザセトロン塩酸塩の高い血液中濃度が継続し、頭痛や頭重感などの副作用が引き起こされるリスクが高まるおそれがあります。アザセトロン塩酸塩使用中は、十分に体調のモニタリングを行いながら服用してください。なお、副作用が発現していることが確認された場合には医師の判断のもと、減量することができます。

上記にあてはまる方は、アザセトロン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
アザセトロン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

アザセトロン塩酸塩に関する
よくある質問
アザセトロン塩酸塩を服用しても、抗悪性腫瘍剤投与後の副作用が収まらなかった場合、追加投与は可能ですか?

抗悪性腫瘍剤投与後にアザセトロン塩酸塩の効果が不十分で悪心、嘔吐などの副作用が発現してしまった場合では、アザセトロン塩酸塩を追加で使用せずに注射剤の投与など制吐療法を行うこととされています。
セロトーン 【セロトーン 添付文書】

アザセトロン塩酸塩の、消化器症状に対する効果が現れる目安の時間と、身体から成分が抜けきる目安の時間はありますか?

アザセトロン塩酸塩10mgを空腹時に服用したケースでは、服用後1.6時間後に最高血液中濃度に達しています。また21.6~27時間で身体から消失するとされています。
セロトーン 【セロトーン 添付文書】

アザセトロン塩酸塩を服用しても吐き気がなかなか収まりませんが、効果が現れる確率はどのくらいでしょうか?

シスプラチンなどの抗悪性腫瘍剤投与前30分~2時間にアザセトロン塩酸塩を服用した方408名に対する有効率は81%であったとされています。
セロトーン 【セロトーン 添付文書】

参考元一覧

セロトーン 【セロトーン 添付文書】

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