ベンチロミド

成分名

ベンチロミド

適応症状

膵外分泌機能検査

簡易説明

ベンチロミドを主成分とする医薬品である膵外分泌機能検査用PFD内服液500mgは膵機能検査用試薬になります。ベンチロミドは、膵酵素αーキモトリプシンの特異的基質である合成ペプチドを応用した経口膵外分泌機能検査薬で、患者に苦痛を与えず簡単に実施できる事、また正常値のバラツキが少なく診断能が高い事が評価されています。特に膵頭十二指腸切除の予後管理に適しています。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/泌尿器科/消化器内科外科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1瓶あたりの目安:500mg約670円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ベンチロミドを主成分とする医薬品である膵外分泌機能検査用PFD内服液500mgは1979年8月27日に製造販売が承認され、1980年2月1日に薬価基準に収載されました。その後1980年4月1日に発売が開始されました。また名称変更に伴い2009年6月19日に製造販売が承認され、2009年9月25日に改めて薬価基準に収載されました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

膵外分泌機能検査用PFD内服液500mg【製薬メーカー:アルフレッサファーマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ベンチロミドを主成分とする医薬品である膵外分泌機能検査用PFD内服液500mgは膵外分泌機能検査品になります。

【作用機序】
ベンチロミドはよく知られた生体内物質の安息香酸、チロジン、パラアミノ安息香酸からなる合成ペプチドになります。このペプチドは、経口摂取してもほとんど消化管から吸収はされません。
ベンチロミド経口摂取後、膵酵素の一つであるαーキモトリプシンによって容易に且つ特異的に加水分解を受け、パラアミノ安息香酸を遊離します。遊離したパラアミノ安息香酸は小腸で吸収され、肝で抱合(主にグリシン抱合)を受けて、主に馬尿酸、パラアミノ馬尿酸となって腎臓より尿中に排泄されます。

膵疾患において、外分泌能が障害されてしまうとベンチロミドは十分に分解する事が出来ずに、パラアミノ安息香酸抱合物の尿中排泄が減少します。よって一定量のベンチロミドを経口投与し、一定時間内の尿中パラアミノ安息香酸を測定してその排泄率を求めれば、その数値が結果として膵外分泌機能を反映していることになり、膵外分泌機能の診断ができます。

【膵外分泌機能不全とは】
・膵外分泌機能不全は、膵臓の働きが障害される事によって、食べ物、特に脂肪やタンパク質、炭水化物を消化するために必要な膵消化酵素が欠乏して起こる疾患です。膵外分泌機能不全になると、身体に必要な栄養素を食べ物から吸収できなくなり栄養不足になり体重が減少します。膵臓で作られる主な消化酵素として、アミラーゼはご飯やパン、麺類に多く含まれる炭水化物を分解します。プロテアーゼは肉や魚、大豆などに多く含まれるたんぱく質を分解します。リパーゼは肉の脂身や植物油、バターなどに多く含まれる脂質を分解します。
膵外分泌機能不全を患っている患者は、食事をしても食べ物から栄養を摂取できない為、消化吸収不良を起こし、栄養不良やビタミン・ミネラルの欠乏につながります。消化吸収できなかった食べ物が便となって排泄される為、食後の腹痛、過剰なおなら、大量の悪臭便・脂肪便・下痢、便回数の増加、体重の減少のような症状が見られます。

使用方法

一般的に早朝朝食前の空腹時に、採尿をし終えてから、1回に1瓶を200mL以上の水と一緒に服用します。利尿をはかる目的で、膵外分泌機能検査用PFD内服液500mg服用からおよそ60分後に最低約200mLの水を飲みますが、それ以降については水分は自由に取ることができます。
また膵臓の検査を開始してから、3時間以上経過を確認した後、食事は自由に摂ることができます。
検査に使用する尿については、膵外分泌機能検査用PFD内服液500mg服用から6時間までの全尿を採尿します。
(検査の成績については、膵外分泌機能検査用PFD内服液500mg服用後6時間までの総尿中のパラアミノ安息香酸排泄率(%)で表示します。

また、消炎酵素剤、消化酵素含有製剤、利胆剤等の投与を受けている患者においては、検査の目的に反するので、検査前3よりこれら薬剤の投与をおこなってはいけません。

副作用

消化器、精神神経系、過敏症、循環器、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)消化器
悪心(0.1~5%未満)
下痢、胃重感、腹痛(0.1%未満)
嘔吐(頻度不明)
2)精神神経系
頭痛(0.1~5%未満)
ふらつき感(0.1%未満)
3)過敏症
発疹、掻痒感(頻度不明)
4)循環器
心悸亢進(0.1%未満)
5)その他
顔面潮紅(0.1~5%未満)

頻度不明の発疹や掻痒感等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)腎機能が高度に低下している患者
腎機能の高度低下例においては排泄の遅延により検査成績に影響が出る事が考えられる為使用できません。
2)急性膵炎の急性期
庇護療法が最優先される為、本検査の対象ではない為使用できません。
3)急性肝炎の急性期
庇護療法が最優先される為、本検査の対象ではない為使用できません。
4)本剤の成分及び添加物に対し過敏症の既往歴のある患者
■ベンチロミドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、膵外分泌機能検査用PFD内服液500mgはアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼膵外分泌機能検査用PFD内服液500mgの有効成分
ベンチロミド
▼代表薬の添加物
・亜硫酸水素ナトリウム、エタノール、塩酸、水酸化ナトリウム、D-ソルビトール液

使用に注意が必要な方
1)合併症・既往歴等のある患者
①アルコールに過敏な体質の患者
本剤はアルコールを含有している為、副作用症状が現れやすい為使用には注意が必要です。
2)腎機能障害患者
①腎機能が高度に低下している患者
投与しない事。一定時間内の尿中排泄率で評価する為使用には注意が必要です。
3)肝機能障害患者
①急性肝炎の急性期
投与しない事。庇護療法が最優先され、本検査の対象ではない為使用には注意が必要です。
4)妊婦
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない為使用には注意が必要です。
5)授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考量し、授乳の継続又は中止を検討する為使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、ベンチロミドを使用する事が出来ない可能性があります。
ベンチロミドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ベンチロミドに関する
よくある質問
ベンチロミドはどの様な成分ですか?

ベンチロミドは安息香酸、チロジン、パラアミノ安息香酸から構成される合成ペプチドになります。
インタビューホーム 【エーザイ株式会社】

ベンチロミドを用いた検査を行う事でどの様な疾患を仮定できますか?

慢性膵炎、膵がん、急性膵炎後など膵臓において外分泌機能が低下するような疾患の判断材料となります。
インタビューホーム 【エーザイ株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【エーザイ株式会社】

医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

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