エロビキシバット水和物

成分名

エロビキシバット水和物

適応症状

慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

簡易説明

エロビキシバット水和物は、胆汁酸トランスポーター(IBAT)という物質を阻害し、大腸管腔内の水分を分泌させる効果や消化管運動を促進させることで便秘の改善を促進する薬です。
便秘は排便が順調に行えない状態をいい、慢性便秘の場合は、長期的に排便の困難が続くことを指します。
2018年4月には慢性便秘症に対する薬として、世界初の経口投与の慢性便秘症治療薬(胆汁酸トランスポーター阻害薬)が導入されています。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~3,000円
薬代1錠あたりの目安:5mg94.2円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日 : 2018年4月【グーフィス錠5mg】

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

グーフィス錠5mg【製薬メーカー:EAファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

エロビキシバット水和物は、胆汁酸の再吸収に関わるトランスポーターを阻害することで、大腸に流入する胆汁酸を増加させ、水分分泌と大腸運動促進の2つの作用で自然な排便を促進する効果が期待されています。機能性便秘の慢性便秘症に使用することが可能な薬です。
腸内の水分を保ち便を柔らかくする効果と腸内の働きを活発にすることで、直接排便を促進する効果の2つ作用を得ることが可能です。胆汁酸トランスポーター阻害薬として分類され、世界初の経口投与の慢性便秘症治療薬です。
回腸末端の胆汁酸トランスポーターへ直接作用するため、体内への吸収は微量になります。効果の発現は比較的速いとされており、朝食前にエロビキシバット水和物の服用を行った場合、昼時には排便が期待できます。

■胆汁酸とは
胆汁酸は食物脂肪の吸収を行う物質であり、肝臓でコレステロールから合成され、胆汁の主成分として胆嚢・胆管を経て十二指腸に分泌されます。分泌された胆汁酸の約95%は小腸で再吸収され、門脈を経由して肝臓に戻り、再び胆汁中に分泌されます。
腸肝循環が行われることで、再吸収されなかった胆汁酸は大腸内で水分を分泌させ、消化管運動を促進させます。そのため胆汁酸製剤の投与により軟便や下痢などの副作用が発現することで知られています。

使用方法

成人には1日1回エロビキシバット水和物10mgを食前に服用してください。
なお、症状により適宜増減可能で、最高用量は1日15mgです。

副作用

主な副作用
腹痛/下痢/肝機能異常/ALT増加/AST増加/γ-GTP増加/Al-P増加/LAP増加/浮動性めまい/下腹部痛/悪心/上腹部痛/腹部不快感/軟便/口内炎/口渇/じん麻疹/貧血/ビタミンE増加/CK増加/頭痛/ほてり/鼓腸/便意切迫/嘔吐/胃腸音異常/便秘/過敏症/発疹/好酸球数増加/月経困難症

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・過敏症の方
・腸閉塞の方
・ヘルニアによる腸閉塞の方
・腫瘍による腸閉塞の方
・妊婦、妊娠の可能性がある方

使用に注意が必要な方
・症候性慢性便秘症の方
・薬剤性慢性便秘症の方
・胆汁酸分泌低下の方
・重篤な肝障害の方
・胆道閉塞の方
(胆道閉塞や胆汁酸分泌が低下している患者等ではエロビキシバット水和物の効果が期待できない場合があります。)
・妊婦
(妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。)
・授乳婦
(治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。)
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児
・小児(0~14歳)
(小児等を対象とした臨床試験は実施されていません。)
・高齢者
(一般に生理機能が低下していることが多いため、減量するなど注意する必要があります。)

上記にあてはまる方は、エロビキシバット水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
エロビキシバット水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・ウルソデオキシコール酸
(胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害する作用により、胆汁酸製剤の再吸収が阻害されるおそれがあります)
・ケノデオキシコール酸
(胆汁酸トランスポーター(IBAT)を阻害する作用により、胆汁酸製剤の再吸収が阻害されるおそれがあります)
・スクラルファート水和物
(消化管内で胆汁酸を吸着するため、エロビキシバット水和物の作用が弱まる可能性があります)
・アルジオキサ等
(消化管内で胆汁酸を吸着するため、エロビキシバット水和物の作用が弱まる可能性があります)
・コレスチラミン
(胆汁酸を吸着するため、エロビキシバット水和物の作用が弱まる可能性があります)
・コレスチミド
(胆汁酸を吸着するため、エロビキシバット水和物の作用が弱まる可能性があります)
・ジゴキシン
(これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあります)
・ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
(これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある)
・ミダゾラム
(ミダゾラムの血中濃度が低下し、作用が弱まる可能性があります)

重要な注意事項
・エロビキシバット水和物を投与中は腹痛や下痢があらわれるおそれがあるので、症状に応じて減量や休薬、又は中止を考慮し本剤を漫然と継続投与しないよう、定期的にエロビキシバット水和物の投与継続の必要性を検討するしてください。
・PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発する場合があります。

上記を使用している方は、エロビキシバット水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
エロビキシバット水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

よくある質問
慢性便秘症でエロビキシバット水和物を使用していますが、効かなくなりました。増量すべきでしょうか?

エロビキシバット水和物に対し、抵抗ができる可能性は極めて低いと考えられるため、服用量の調節や別の薬剤を検討する場合もあります。一度医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

発熱や頭痛の際、カロナールと一緒に飲んで大丈夫でしょうか?

エロビキシバット水和物とカロナールの併用は問題ありません。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。