エリグルスタット酒石酸塩

成分名

エリグルスタット酒石酸塩

適応症状

ゴーシェ病の肝脾腫/血小板減少症/貧血/骨症状の改善

簡易説明

・グルコセレブロシダーゼが遺伝的要因により先天的に欠損して発生する「ゴーシェ病」の症状を治療に使用されます。また、ゴーシェ病に対する初めての薬剤で、唯一の経口薬でもあります。
・セラミド合成酵素阻害薬で、基質合成抑制療法(SRT)として使用されております。
・グルコシルセラミド(グルコセレブロシド)の合成を阻害して、諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫、骨症状)を改善いたします。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1,000円~10,000円
サデルガカプセル100mg 78,350.5円【製薬メーカー:サノフィ】
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

販売開始年月 : 2015年9月

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可なし

関連製品(先発薬)

サデルガカプセル100mg 【製薬メーカー:サノフィ】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

▼エリグルスタット酒石酸塩の作用▼
・細胞、組織内で増加するグルコシルセラミド合成酵素を部分的に阻害し、グルコシルセラミドの合成を抑制させます。
・GL1の産生を減少させることによってGD1の基質減少療法として作用します。GL1産生を減少させることにより、CERDELGAは標的器官におけるGL1の蓄積を緩和します。
・ヒトメラノーマ細胞株から調製したミクロソームにおいて、グルコシルセラミド合成酵素を濃度依存的に阻害します。
・グルコセレブロシダーゼは、真核細胞生物の細胞内ライソゾームに局在する加水分解酵素です。生体糖脂質であるGlcCer(グルコセレブロシド)の糖と脂質の脱水縮合部位を加水分解する反応を触媒します。

▼ゴーシェ病とは▼
・ライソゾーム病の一種で、親から子に遺伝する病気です。脂質が全身諸臓器に蓄積する「先天性代謝異常疾患」を脂質蓄積症といいます。常染色体劣性遺伝によって、細胞内リソソームに存在するβグルコシダーゼ(グルコセレブロシダーゼともいう)という糖脂質の分解排出に必要な酵素が欠損する結果「脾臓、肝臓、骨髄」を主とする全身の網内系細胞に「グルコセレブロシド」という脂質が異常に沈着蓄積し」巨大脾腫、肝腫、病的骨折、骨疼痛、貧血」や「白血球減少、血小板減少」などを症状を発症します。

▼基質合成抑制療法(SRT)とは▼
・グルコシルセラミド合成酵素を抑えることによって細胞内に蓄積するグルコセレブロシドの合成を抑制し、グルコセレブロシドの蓄積を抑制する治療法のことです。

使用方法

・CYP2D6 Extensive Metabolizer及びIntermediate Metabolizerにはエリグルスタット酒石酸塩として1回100mgを1日2回経口投与すること
※患者の状態に応じて適宜減量する
※ゴーシェ病と確定診断された患者にのみ使用すること。
※ゴーシェ病II型及びIII型に対する本剤の使用経験はないため、使用する場合は、患者に十分説明した上で、有益性がリスクを上回ると判断される場合にのみ投与すること。
※ゴーシェ病の神経症状に対する本剤の効果は期待できない。

副作用

主な副作用
エリグルスタット酒石酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

・頭痛
・浮動性眩暈
・下痢
・消化不良
・悪心
・便秘
・上腹部痛
・腹痛
・胃食道逆流性疾患
・腹部膨満
・鼓腸

重大な副作用
・失神

極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

その他の副作用
・疲労
・関節痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・妊婦/産婦
・QT延長/過敏症/先天性QT延長症候群/CYP2D6PM/クラス1a抗不整脈薬使用中/クラス3抗不整脈薬使用中/ベプリジル塩酸塩使用中/CYP2D6EMで肝機能が正常/CYP2D6EMで軽度肝機能障害<Child−pugh分類A>/CYP2D6IMで肝機能が正常/CYP2D6IMで肝機能障害<Child−pugh分類A・B又はC>/CYP2D6PMで肝機能が正常/CYP2D6PMで肝機能障害<Child−pugh分類A・B又はC>/CYP2D6EMで中等度以上肝機能障害<Child−pugh分類B・C>/ゴーシェ病2型/ゴーシェ病3型/虚血性心疾患/失神/重篤な心室性不整脈/徐脈/心筋症/心疾患/心ブロック/CYP2D6の活性が過剰/CYP2D6遺伝子型によりCYP2D6代謝能が判別不能/CYP2D6の活性が欠損/うっ血性心不全

使用に注意が必要な方
・高齢者
・虚血性心疾患/失神/重篤な心室性不整脈/徐脈/心筋症/心疾患/心ブロック/ゴーシェ病の神経症状/鉄が不足/うっ血性心不全/CYP2D6EMで肝機能が正常/CYP2D6EMで軽度肝機能障害<Child−pugh分類A>/CYP2D6IMで肝機能が正常/CYP2D6の活性が欠損

上記にあてはまる方は、エリグルスタット酒石酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
エリグルスタット酒石酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・グレープフルーツジュース
・セントジョーンズワート
・中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤
・弱いCYP2D6/CYP3A阻害作用を有する薬剤
・中程度以上のCYP2D6/CYP3A/CYP2D6阻害作用を有する薬剤
・コルヒチン、ダビガトラン、フェニトイン
・クラスⅠc抗不整脈薬(プロパフェノン(プロパフェノン塩酸塩)、フレカイニド(フレカイニド酢酸塩)など)
・CYP2D6の基質薬(メトプロロール酒石酸塩(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの))
・CYP3A誘導薬(リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、P糖タンパク質の基質薬(ジゴキシン(ジギタリス製剤)
・三環系抗うつ薬(ノルトリプチリン、アミトリプチリン塩酸塩、イミプラミン塩酸塩)

上記を使用している方は、エリグルスタット酒石酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
エリグルスタット酒石酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
〈CYP2D6の活性が通常の患者(EM)で軽度肝機能障害(Child-pugh分類A)がある患者〉
(1)中程度以上のCYP2D6阻害作用をもつ薬剤
(2)弱いCYP2D6阻害作用をもつ薬剤と中程度以上のCYP3A阻害作用をもつ薬剤の両方を併用
〈CYP2D6の活性が通常の患者(EM)で肝機能が正常な患者〉
・中程度以上のCYP2D6阻害作用をもつ薬剤と中程度以上のCYP3A阻害作用をもつ薬剤の両方を併用
〈CYP2D6の活性が低い患者(IM)、欠損している患者(PM)〉
・中程度以上のCYP3A阻害作用をもつ薬剤
〈EM,IM,PMの患者〉
・クラスⅠa抗不整脈薬(キニジン硫酸塩水和物、プロカインアミド塩酸塩など)
・クラスⅢ抗不整脈薬(アミオダロン塩酸塩、ソタロール塩酸塩(ベーター・ブロッカー(適応症に不整脈を含むもの))など)
・ベプリジル塩酸塩水和物、パロキセチン塩酸塩水和物、シナカルセト塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩、ミラベグロン、アビラテロン酢酸エステル、セレコキシブ、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、スタリビルド配合錠、リトナビル、ボリコナゾール、ネルフィナビルメシル酸塩、エリスロマイシン、エチルコハク酸エステル、フルコナゾール、アタザナビル硫酸塩、シクロスポリン、アプレピタント、ジルチアゼム塩酸塩、シロスタゾール、ラニチジン塩酸塩、タクロリムス水和物

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
遺伝子型でダメな人はどんな人ですか?

「CYP2D6EM」の人で、CYP2D6阻害作用を有する薬剤とCYP3A阻害作用を有する薬剤の両方を併用している人、「CYP2D6IM」「CYP2D6PM」の人で、CYP3A阻害作用を有する薬剤を使用している人が該当します。

ジュースと一緒に飲んでも大丈夫ですか?

血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがあります。グレープフルーツジュースを飲用しないよう注意してください。

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