プロパゲルマニウム

成分名

プロパゲルマニウム

適応症状

HBe抗原陽性B型慢性肝炎におけるウイルスマーカーの改善

簡易説明

プロパゲルマニウムは、ゲルマニウム有機化合物で、HBe抗原陽性B型慢性肝炎におけるウイルスマーカー(血液中に出現するウイルス感染の証拠となるたんぱく質)の改善に有用とされています
新薬のセロシオンは、株式会社三和化学研究所から1994年8月から販売されています。
プロパゲルマニウムは、国内開発品のみの成分で、国外ではどこにも使われていません。

処方可能な診療科目

肝臓内科

健康保険の適応

健康保険適応(医療費助成制度の適応あり)

病院で処方してもらう時の費用目安

B型肝炎の医療費助成を受けることにより、治療費の自己負担額の上限をきめることができます。
お住いの自治体により変動はある場合がございます。
新薬薬価:141円/1錠
また、世帯全員の市区町村民税(所得割)の課税年額により上限金額が異なり10,000円~20,000円とされています。
病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1994年8月29日販売開始

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

セロシオン(株式会社三和化学研究所)

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

プロパゲルマニウム製剤は、B型肝炎の治療薬として、1994年に発売された薬です。
2015年から始まった研究から、プロパゲルマニウムが乳がんの転移抑制作用があるという報告などから一時注目されていましたが、米国特許庁からは、『セロシオンが癌に効くと言う事は既に公知であり新規性、進歩性が無い』との指摘があり、海外特許は現在、メインの製薬企業が撤退するなど辛評されていました。
プロパゲルマニウムは、細胞性免疫賦活作用(ウイルス感染細胞の排除)、ウイルス増殖の抑制作用などをあわせもつ内服剤で、注射剤のインターフェロンと同じ有用性ががあり、さらには、インターフェロンに比べて副作用が少ないという特長をもっています。
しかし、このプロパゲルマニウムを配合した製薬品であるセロシオン投与した方に慢性肝炎が増悪したことで、死亡例が報告されています。
現在は黄疸、肝硬変または肝硬変が疑われる方への投与は禁忌事項となっています。
肝機能検査を2週間ごとに行い異常が認められた場合、直ちに中止するなど細かな使用上の注意が定められています。
そのため現在では、プロパゲルマニウムはあまり用いられることはありません。

使用方法

通常成人には、プロパゲルマニウムとして、1日30mgを3回に分けて、毎食後に経口投与する。
(使用上の注意)
プロパゲルマニウム投与開始から16週目に、HBe抗原などを含めた、ウイルスマーカーの臨床検査を実施し、ウイルスマーカーの改善がみられなかった場合は、プロパゲルマニウムの投与を中止し、他の療法を考慮することとされています。

副作用

主な副作用
倦怠感、食欲不振、月経異常、脱毛、抑うつ、眠気、めまい、頭痛、手足のしびれ、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢、便秘、腹部膨満感、胸やけ、口内炎、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、好酸球増多
プロパゲルマニウムには、副作用が起こる可能性があります。
プロパゲルマニウムを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

重大な副作用
B型慢性肝炎の急性増悪
(警告喚起されており、死亡例の報告があります)
黄疸や著しいトランスアミナーゼの上昇を伴う重篤な肝機能障害、肝不全があらわれることがあります。
定期的に(特に投与開始直後は2、4、6週)肝機能検査を行うなど経過観察を慎重に行い、体調がいつもと違うと感じたなど、異常、異変が認められた場合、投与を直ちに中止し、適切な処置を行ってください。
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
◇◇
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■プロパゲルマニウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
・黄疸
(B型慢性肝炎が重症化する場合があります)
・肝硬変または疑いがある方
(B型慢性肝炎が重症化する場合があります)

使用に注意が必要な方
・プロパゲルマニウム過敏症の前歴がある方
・重度の腎臓機能障害の方
・黄疸の前歴のある方
・インターフェロン服用終了直後の方
・高齢者の方
(高齢者では低用量(例えば1日20mg)から投与を開始するなど、患者様の状態観察しながら、慎重に投与してください。
主に医薬品の成分は腎臓から排泄されますが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、排泄しきれず血液中に残り、
血中濃度が高くなるおそれがあります)
・妊婦の方
(治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。しかし、妊娠中の投与に関する安全性はみとめられておりません。)
・授乳婦の方
(投与がやむを得ない場合は授乳を中止してください。)
・小児の方
(安全性が確立していません)

使用上の注意について
■慎重投与
・薬剤過敏症の既往歴のある方
・重篤な腎障害のある方
(主に医薬品の成分は、腎臓から排泄されますが、腎機能に障害がある方では、腎機能低下により、排泄しきれず血液中に残り、
血中濃度が高くなるおそれがあります)
・黄疸の既往歴のある方
(B型慢性肝炎の急性増悪等があらわれることがあります)
・インターフェロン投与終了直後の方
(インターフェロン投与終了後にはウイルス量の増加、肝機能の悪化が起こる場合があります。)

■重要な注意事項
プロパゲルマニウムの使用にあたり、投与される方がHBe抗原が陽性であることを確認してください。
また、トランスアミナーゼ、アルブミン、凝固系、血小板数等を測定し、肝硬変を疑わせる所見を伴わない慢性肝炎であることを必ず確認する必要があります。

B型慢性肝炎の急性増悪があらわれる場合があるので、以下の点に注意してください。
・本剤投与開始時
本剤の投与にあたりHBV-DNA(あるいはDNA-P)を測定し、著しい増加がみられないことを確認してください。
(B型慢性肝炎においては、自然経過でウイルス量の増加を伴う急性増悪があらわれる場合があるためです)

・プロパゲルマニウム投与中
HBV-DNA(あるいはDNA-P)を定期的に測定し、著しい増加が認められた場合には、本剤の投与を中止し、他の治療法を考慮してください。
(HBV-DNA(あるいはDNA-P)の著しい増加が認められた場合には、B型慢性肝炎の急性増悪があらわれる場合があります)

・肝機能検査を定期的に行います。
(特に投与開始から2、4、6週)
・肝機能障害の増悪、黄疸があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行ってください。
・プロパゲルマニウム服用中に眼球・皮膚の黄染、褐色尿がみられた場合には、直ちに病院、担当医に連絡するよう患者様に注意を促してください。

プロパゲルマニウムの臨床効果を確認するため、下記の点に注意すること。

プロパゲルマニウム投与中は、4週ごとに臨床検査を実施します。
(なお、肝機能検査については投与開始直後2、4、6週に実施してください)

HBe抗原の陰性化がみられた場合は直ちに投与を止めてください。
上記にあてはまる方は、プロパゲルマニウムを使用する事が出来ない可能性があります。
プロパゲルマニウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

上記にあてはまる方は、プロパゲルマニウムを使用する事が出来ない可能性があります。
プロパゲルマニウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
病院で処方される肝臓の処方箋医薬品を教えてください。

・肝庇護薬
肝臓の機能を改善する薬です。
いくつかあるのですが、例えば、ウルソデオキシコール酸(商品名:ウルソ)は、肝機能の低下(血清トランスアミラーゼのAST、ALTの上昇)を改善します。また、甘草(カンゾウ)成分のグリチルリチンの製剤(商品名:グリチロン、リコチオン)は、ウイルス感染細胞の増殖を抑制します(IFN誘発作用、免疫細胞の活性化など)。
・肝臓製剤
肝細胞の保護と再生を促して肝臓の機能を高める薬です。肝臓加水分解物(商品名:レバイデンなど)があります。
・免疫賦活薬
免疫細胞を活性化してB型肝炎ウイルス感染細胞を破壊する薬です。
プロパゲルマニウム(商品名:セロシオン)は、インターロイキン(※)やIFN誘発作用があります。(※)リンパ球を作る液性因子で免疫調節に関与。
・抗ウイルス薬
肝炎ウイルスの増殖を抑制する薬です(抗腫瘍作用や免疫増強作用がある薬もあります)。
インターフェロン製剤、ラミブジン(商品名:エピビル、ゼフィックス)、リバビリン(商品名:レベトール)などがあります。

プロパゲルマニウムは、日本国内のみの製造となり海外で製造もされていません。
死亡例があることから現在治療法としてあまり用いられていないため、需要の低迷から質問等は見受けられません。

プロパゲルマニウム使用など、B型肝炎にはどういった治療法があるのですか?

主な治療法として、インターフェロン、核酸アナログ製剤を使用した抗ウイルス療法があります。ステロイドや、プロパゲルマニウムを利用した治療法もあるのですが、あまり最近では使用されていないと言われています。核酸アナログ薬はウイルスの増殖を抑えて肝炎を治療します。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。