β-ガラクトシダーゼ

成分名

β-ガラクトシダーゼ

適応症状

一次性乳糖不耐症/感冒性下痢症/急性消化不良症/白色便性下痢症/単一症候性下痢症/二次性乳糖不耐症/慢性下痢症/未熟児下痢/新生児下痢/乳糖不耐の下痢の改善/乳児の乳糖不耐の消化不良の改善

簡易説明

β-ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)は、消化管内において、乳糖をブドウ糖とガラクトースに分解することで、乳糖不耐症等の消化器症状を治療するお薬になります。
乳糖不耐症においては、乳糖を分解する酵素が不足してしまい十分に消化ができず、下痢、吐き気等の消化器症状が起こってしまいます。
乳糖はグルコース【ブドウ糖】とガラクトース【糖】が結合する事でできた二糖類。
β-ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)は、乳糖を分解する酵素を主な成分である製剤で、経口流動食等の摂取時に起こる下痢等の治療に使用する事もある。

母乳、牛乳や乳製品に含有されるラクトース【乳糖】は、小腸に存在しているラクターゼ【乳糖分解酵素】により分解され、小腸の粘膜から吸収される。この酵素が分泌し腸の病気等で減少し、乳糖の分解が正常に行えず、腸の中に残り消化不良や下痢を起こす事を乳糖不耐症と呼びます。日本人の性質として、ラクターゼの分泌が比較的少なく、乳糖不耐症にを発症しやすい事が報告されています。
β-ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)は。主に乳児用となっており、大人に有効性があるのは経管栄養食、経口流動食を摂取する時のみであり、その他のときには使用しません。

処方可能な診療科目

内科/小児科/消化器科 など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,500円~10,000円
ガランターゼ/ガランターゼ散50%【ニプロESファーマ】30.7円/g
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1972/01/20発売

国内のジェネリック認可

あり

関連製品(先発薬)

ガランターゼ/ガランターゼ散50%【製薬メーカー:ニプロESファーマ】

関連製品(ジェネリック)

βガラクトシダーゼ(アスペルギルス)散50%「ツルハラ」 (後発品)16円/g

効果・作用

乳児の乳糖不耐によって発生する消化不良の治療をします。
・一次性乳糖不耐症
・二次性乳糖不耐症・・単一症候性下痢症、感冒性下痢症、急性消化不良症、白色便性下痢症、未熟児下痢・新生児下痢、慢性下痢症。
・経管栄養食や経口流動食等の摂取した時の乳糖不耐によって発生する下痢等の治療をします。

組成
βガラクトシダーゼ(アスペルギルス)散50%「ツルハラ」の場合。
1g中、βガラクトシダーゼ(アスペルギルス)0.5g(5000単位)、添加物としてD-マンニトールを含む。
※30℃で1分間に1μmolの2-ニトロフェニル-β-D-ガラクト
ピラノシドを加水分解する酵素量を1単位とします。
・製剤の性状
βガラクトシダーゼ(アスペルギルス)散50%「ツルハラ」は白~類白色の散剤になります。
水に溶かす際、微量に混濁しますが、大部分溶けます。
【有効成分に関する理化学的知見】
一般名:β―ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)
β―Galactosidase(Aspergillus)
性状:β―ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)は白色~淡黄色の粉末になります。
水に微量に混濁し溶けて、エタノールもしくはジエチルエーテルにはほぼ溶けないです。
【薬効薬理】
・食餌中の乳糖は消化器内において、ブドウ糖とガラクトースに分解されたのち、吸収されますが、βガラクトシダーゼ(アスペルギルス)ではこの分解を触媒して、乳糖の吸収を促す。
・新生仔山羊に乳糖を経口投与した実験に関して、乳糖(4g/kg)だけの場合、門脈血、末梢血【股静脈】のグルコース濃度は少しずつ上がり、ピークに達するのが遅く、そして上昇度も低いが、乳糖と同時にβガラクトシダーゼ(アスペルギルス)5000単位を加えた場合は、門脈血のグルコース濃度のピークに達するのが早くなって、上昇下降ともに急速に起こって上昇度も大きく、吸収が促される。

使用方法

・乳児の乳糖不耐によって発生する消化不良の治療において、1回0.25~0.5gを哺乳時、同時に経口投与します。
・母乳栄養の際、スプーンにとって、少量の水かゆるま湯に溶き、授乳の途中で与えます。
・人工栄養の際、まず投与する粉乳と一緒によく混ぜたのち、通常の粉乳調整法にて調乳してあたえる。調乳温度が50℃以上に上がらないように注意。
2.経管栄養食や経口流動食等、摂取する時の乳糖不耐によって発生する下痢等の治療には、摂取乳糖量10gに対し、1gを食餌と一緒に投与します。症状により増減します。

【取扱いの注意事項】
・安定性試験
最終包装製品を使用した経時変化試験【冷所2年】の結果で、βガラクトシダーゼ(アスペルギルス)散50%「ツルハラ」は通常の市場流通において、2年間安定する事が報告されています。
・保管上の注意・・気密容器、冷暗所

副作用

重大な副作用
βガラクトシダーゼ(アスペルギルス)は使用成績調査などの作用発現頻度がを明確にした調査に関して未実施である。
ショック症状、顔面蒼白、四肢冷感、チアノーゼ、腹部膨満、下痢、嘔吐などの症状が発現する事があるため、これら症状が発症した場合に、直ちに中止します。
さらに、症状に応じ輸液や副腎皮質ホルモン製剤の投与など適切な処置を行います。

その他の副作用
・過敏症:発疹【このような場合には投与を中止】
・消化器:便秘、嘔吐、腹部膨満

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
本剤の成分に対して、過敏症の既往歴のある方。

使用に注意が必要な方
・慎重投与
本人または両親、兄弟いずれかに蕁麻疹、気管支喘息や、他の薬剤に対する過敏症、食物アレルギーなどがある方。
・重要な基本的注意
乳糖不耐によると判断される方に対して用いる。
乳児の場合、便のpH及び便中の糖を測定して、基本的に次の点を基準として使用します。・便のpHが5.5以下
・便のpHが5.6~6.5、尚且つ便中の糖が0.5g/dL以上
・便中の糖が0.75g/dL以上
1回の食餌中の乳糖量に関して、基本的に約20g以上の経管栄養食または経口流動食を摂取している方で、下痢やその他乳糖不耐によると予想される症状を発症した際に用います。便性の改善や便回数の減少が確認できない際には、投与を中止します。

上記にあてはまる方は、β-ガラクトシダーゼを使用する事が出来ない可能性があります。
β-ガラクトシダーゼを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
特になし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
乳糖分解酵素製剤の薬理作用を教えてください。

乳児の乳糖不耐によって発症する消化不良の治療になります。乳糖不耐症は乳糖を分解する酵素【ラクターゼ】が足りなくなり、乳糖【グルコース(ブドウ糖)とガラクトースとが結合した二糖類で、母乳・牛乳等に含有される】を十分に消化・吸収ができず、消化器の症状が発症される。
小児の場合、下痢、体重が増加しない等の症状が発症し、成人の場合、腹部膨満、胃痙攣や吐き気等が発症される。

そして薬理作用だが、乳糖分解酵素製剤は乳糖分解酵素を主な成分としている製剤になっており、消化管内の乳糖に働きかけ、酵素によりグルコース(ブドウ糖)と、ガラクトースに分解する効果が発揮される。乳糖不耐症の他、経管栄養食・経口栄養食等の摂取する際に発症する乳糖不耐による下痢等の治療に用いる場合もあります。

簡単に言うと、どのように用いられる薬なのですか?

乳糖分解酵素薬と呼ばれています。外来において、主に赤ちゃんの下痢の治療に使用されているお薬です。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。