成分名 |
ピコスルファートナトリウム水和物 |
適応症状 |
・各種便秘症
・術後排便補助
・造影剤(硫酸バリウム)投与後の排便促進
・手術前における腸管内容物の排除
・大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除 |
簡易説明 |
ピコスルファートナトリウム水和物は、「大腸刺激性下剤」であり、刺激性下剤としては、耐性を生じることが大変少ない利便性の高い滴剤型緩下剤です。
大腸を刺激して腸の運動を活発にして活動させて排便を促します。
錠剤のほかにもさまざまな規格があり、液状タイプのものやドライシロップなどもあるので、お子さんや高齢の人を含め各科で幅広く使われています。 |
処方可能な診療科目 |
一般内科/一般外科/消化器内科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:約1000円~3000円程度
新薬1錠あたりの目安:6.6円(薬価)
新薬内用液1mlの目安:18.5円(薬価)
後発品1錠あたりの目安:5.9円(薬価)
後発品内用液1mlの目安:8.1円(薬価)
後発品顆粒1gの目安:17.3円(薬価)
後発品顆粒1カプセルの目安:5.9円(薬価)
後発品シロップ剤1gの目安:10.1円~24.8円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
ラキソベロン2.5mg発売年月日:1990年 8月 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
ラキソベロン錠2.5mg【製薬メーカー:帝人ファーマ】
ラキソベロン内用液0.75%【製薬メーカー:帝人ファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
・ピコスルファートNa錠2.5mg(沢井製薬/武田テバファーマ/日医工/鶴原製薬/岩城製薬/伏見製薬所)
・ピコスルファートナトリウム錠7.5mg(岩城製薬)
・ピコスルファートナトリウム顆粒1%(日新製薬)
・ピコスルファートナトリウム内用液0.75%(東和薬品/武田テバファーマ/日医工岐阜工場/シー・エイチ・オー新薬/日医工/長生堂製薬/鶴原製薬/岩城製薬)
・ピコスルファートナトリウムカプセル2.5mg(東洋カプセル)
・スナイリンドライシロップ1%(マイランEPD)
・ピコスルファートナトリウムドライシロップ1%(日医工) |
効果・作用 |
ピコスルファートナトリウム水和物は、大腸を刺激して排便を促す成分で、便秘の改善、術後の排便補助、手術前や大腸検査前の腸内容物の排除などに用いられます。胃や小腸では分解されず、大腸に作用して腸のぜん動運動を促し、同時に腸での水分の吸収を抑えて便を排出しやすくします。
液状タイプは、無色でわずかに粘性がある液体になっており、においはあまりありませんが甘味があります。
大腸細菌により分解され活性型となり、腸管蠕動運動を亢進させ、また水分吸収を阻害して、瀉下(水などをそそぎくだす)作用を示します。
通常、各種便秘症、術後排便補助、造影剤(硫酸バリウム)投与後の排便促進に用いられます。
効果の発現時間は7~12時間後です。
その他、大腸検査や手術前における腸管内容物の排除などで用いられます。
【大腸内視鏡とは】
大腸の中をくまなく検査してポリープや腫瘍、炎症の病気などをチェックする検査です。
大腸内視鏡検査はお尻からカメラをいれて検査しますが、そのままでは、腸の中に便が残っていて、十分に観察ができません。
そのため腸の中を専用の下剤で洗浄して十分にきれいにする必要があります。 |
使用方法 |
▼液タイプ
・各種便秘症:通常、成人は1日1回10~15滴(0.67~1mL)を経口服用。
小児は1日1回、次の基準で経口服用します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。
生後6ヵ月未満:2滴(0.13mL)、年齢7~12ヵ月:3滴(0.20mL)、年齢1~3才:6滴(0.40mL)、年齢4~6才:7滴(0.46mL)、年齢7~15才:10滴(0.67mL)
術後排便補助:通常、成人は1日1回10~15滴(0.67~1mL)を経口服用します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。
造影剤(硫酸バリウム)服用後の排便促進:通常、成人は6~15滴(0.40~1mL)を経口服用します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。
手術前における腸管内容物の排除:通常、成人は14滴(0.93mL)を経口服用します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。
大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除:通常、成人は検査予定時間の10~15時間前に20mLを経口服用します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。
▼その他の製剤タイプ
各種便秘症:通常、成人は1日1回ピコスルファートナトリウム水和物として5.0~7.5mgを経口服用します。
小児は1日1回、次の基準で経口服用します。
生後6ヶ月未満:ピコスルファートナトリウム水和物として1mg、生後7~12ヶ月:1.5mg、年齢1~3歳:3mg、年齢4~6歳:3.5mg、年齢7~15歳:5mg
術後排便補助:通常、成人は1日1回ピコスルファートナトリウム水和物として5~7.5mgを経口服用します。
造影剤(硫酸バリウム)服用後の排便促進:通常、成人はピコスルファートナトリウム水和物として3~7.5mgを経口服用します。
手術前における腸管内容物の排除:通常、成人はピコスルファートナトリウム水和物として7mgを経口服用します。
なお、年齢、症状により適宜増減します。
大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除:通常、成人は検査予定時間の10~15時間前(検査前夜の就寝前)にピコスルファートナトリウム水和物として150mgを経口服用してください。
なお、年齢、症状により適宜増減します。 |
副作用 |
主な副作用
副作用の少ない安全な医薬品です。
重い副作用はまずありませんが、服用量が多いと、腹痛を起こす原因になるかもしれません。
かえって胃腸の調子が悪くなるときは、早めに受診してください。
効きめが悪くなってきたからと、容易に増量し繰り返し続けると、体が下剤に頼りがちになり自然な排便が困難になってしまいます。
まずは、食生活の改善につとめ、できるだけ短期間の服用にとどめるようにしましょう。
極めて稀なケースですが、大腸検査前処置において、腸管穿孔や腸閉塞、虚血性大腸炎などの重症事例が起きています。
この場合での大量服用の際はとくに、胃腸に疾患をお持ちの方やひどい便秘が続いている方、高齢の方などは注意してください。
重大な副作用
・腸閉塞、腸管穿孔
(大腸検査前処置に用いた場合、腸管に狭窄のある患者において腸閉塞を生じ、腸管穿孔に至るおそれがあるので、観察を十分に行い、腹痛等の異常が認められた場合には適切な処置を行ってください)
・虚血性大腸炎
(大腸検査前処置に用いた場合、虚血性大腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行ってください)
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
その他の副作用
ピコスルファートナトリウム水和物には、副作用が起こる可能性があります。
ピコスルファートナトリウム水和物を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
消化器:腹痛、悪心、嘔吐、腹鳴、腹部膨満感、下痢、腹部不快感等
皮膚:蕁麻疹、発疹等
肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)等の報告があります。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・急性腹症が疑われる患者の方(腸管蠕動運動の亢進により、症状が増悪するおそれがあります。)
・腸管に閉塞のある患者の方又はその疑いのある患者の方(大腸検査前処置に用いる場合)
※腸管蠕動運動の亢進により腸管の閉塞による症状が増悪し、腸管穿孔に至るおそれがあります。
使用に注意が必要な方 ・腸管狭窄及び重度な便秘の患者の方
(腸管蠕動運動の亢進により虚血性大腸炎又は腸閉塞を生じることがあります。また、腸閉塞を生じた場合には腸管穿孔に至るおそれがあります)
・腸管憩室のある患者の方
(腸管蠕動運動の亢進により病態が増悪するおそれがあります)
・妊婦、産婦、授乳婦の方への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
(妊娠中の投与に関する安全性は確立されていません)
・高齢者の方への投与
(一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意してください)
上記にあてはまる方は、ピコスルファートナトリウム水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 ピコスルファートナトリウム水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はございません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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