成分名 |
ネオスチグミン臭化物 |
適応症状 |
弛緩性便秘症の消化管機能低下
重症筋無力症
慢性胃炎の消化管機能低下
手術後/分娩後の排尿困難
手術後/分娩後の腸管麻痺の消化管機能低下 |
簡易説明 |
胃腸の運動を活発にしたり、胃の不快感や便秘の症状をやわらげる働きがあります。
手術後や分娩後、膀胱の収縮を助け排尿困難(尿がうまく出ない)とき治療するのにも使用されます。
筋力の低下や疲れやすいなどの重症筋無力症の症状を改善する作用があります。筋肉の収縮を引き起こすアセチルコリンを分解する酵素の働きを抑制し、アセチルコリンの働きを増強させる効果があります。 |
処方可能な診療科目 |
内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~5,000円
細粒0.5%あたりの目安:25mg約15.2円/g
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始年月 : 1955年7月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外もありません) |
関連製品(先発薬) |
ワゴスチグミン散(0.5%)【製薬メーカー:共和薬品工業】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。(海外もありません) |
効果・作用 |
▼作用機序
アセチルコリンの分解酵素を妨害し、作用を増強することで、重症筋無力症における目や口、全身の筋力低下などを改善する作用があります。重症筋無力症では、免疫異常により神経と筋肉のアセチルコリンが邪魔をされているため筋力の低下がおこり、コリンエステラーゼという酵素によって分解されます。
ネオスチグミン臭化物は、コリンエステラーゼ妨害作用によりアセチルコリン分解を抑える作用があります。また、低緊張性膀胱による排尿困難の改善に使用されることもあります。
▼薬理作用
重症筋無力症では、免疫の異常により口や目などの部分の筋肉の筋力が低下します。筋力が低下すると、神経と筋肉の間の神経伝達物質のアセチルコリンが免疫異常によって邪魔されてしまうため異常が生じます。アセチルコリンはコリンエステラーゼによって分解されるので、コリンエステラーゼを妨害すればアセチルコリンの量を増やすことが可能となります。ネオスチグミン臭化物は、コリンエステラーゼ妨害作用により作用を増強し、重症筋無力症による筋力低下で、まぶたが垂れてしまい開きにくいなどの目の症状、口が思うように動かせず飲み込みにくいなどの口の症状、思うように立てないなどの全身症状などの改善が期待できます。
アセチルコリンは副交感神経を活性化させる神経伝達物質でもあり、作用が強くなると副交感神経が刺激され、排尿筋が収縮し排尿が促進されます。そのため、手術後や神経因性膀胱などの低緊張性膀胱による排尿困難の改善にも使用されます。
▼重症筋無力症とは
筋肉の力が弱くなる病気で、筋力低下により、まぶたが下がったり、食べ物が飲み込みにくくなったり、手足に力が入らなくなる病気です。原因としては、筋肉の神経の受容体が自己免疫により障害を受けるためとされてます。
▼アセチルコリンとは
神経伝達物質であり、交感神経または副交感神経の節前線維の終末、運動神経の神経筋接合部、副交感神経の節後線維の終末などのシナプスで放出されることで機能します。コリンの酢酸エステル化合物です。中枢神経で働く場合と末梢神経で働く場合で作用が異なります。 |
使用方法 |
重症筋無力症:ネオスチグミン臭化物として1回15~30mgを1日1~3回経口投与してください。
※症状により適宜増減します
消化管機能低下のみられる3疾患並びに手術後及び分娩後における排尿困難の場合
ネオスチグミン臭化物として1回5~15mgを1日1~3回経口投与してください
※年齢、症状により適宜増減します |
副作用 |
主な副作用
悪心、嘔吐、血圧降下、徐脈、頻脈、気管支痙攣、気道分泌亢進、眩暈、不安、興奮、虚脱
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
発汗、コリン作動性クリーゼ、腹痛、下痢、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮
その他の副作用
脱力、筋攣縮、骨格筋の線維束攣縮、過敏症状
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ネオスチグミン臭化物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ワゴスチグミンは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ワゴスチグミンの有効成分
ネオスチグミン臭化物
▼代表薬の添加物
コムギデンプン
■他に使用できない方
妊婦/授乳者
過敏症
消化管器質的閉塞
尿路器質的閉塞
迷走神経緊張症
脱分極性筋弛緩剤投与中
使用に注意が必要な方 高齢者
冠動脈閉塞
気管支喘息
甲状腺機能亢進症
消化性潰瘍
徐脈
てんかん
パーキンソン症候群
上記にあてはまる方は、ネオスチグミン臭化物を使用する事が出来ない可能性があります。 ネオスチグミン臭化物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 コリン作動薬
アセチルコリン
アクラトニウムナパジシル酸塩
副交感神経抑制剤
硫酸アトロピン
臭化水素酸スコポラミン
臭化ブトロピウム
上記を使用している方は、ネオスチグミン臭化物を使用する事が出来ない可能性があります。 ネオスチグミン臭化物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 脱分極性筋弛緩剤
スキサメトニウム
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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