レミマゾラムベシル酸塩

成分名

レミマゾラムベシル酸塩

適応症状

全身の麻酔導入または麻酔維持

簡易説明

レミマゾラムベシル酸塩は全身に作用する麻酔薬に分類されます。麻酔を導入させるときや持続させるときに使用します。本剤は、ベンゾジアゼピン受容体に作用することで、鎮静作用をもたらします。グラクソスミスクラインというイギリスの会社によって開発されました。日本では小野薬品工業が試験を担っていましたが、2017年にムンディファーマが販売権を取得しました。

処方可能な診療科目

麻酔科

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
アネレム静注用50mg【製薬メーカー:ムンディファーマ】50mg1瓶2218円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

2020年8月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アネレム静注用50mg【製薬メーカー:ムンディファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

アメリカでCosmo Pharmaceuticals NV / Acacia Pharma, Inc.という会社からBYFAVOという名前で発売されています。
規格は20㎎のバイアルです。2020年7月に承認されました。

【アメリカ】
<効能・効果>
30分以内に処置を受ける成人に対する鎮静の導入もしくは維持

<用法・用量>
成人患者には初回用量として 5mgを1分かけて静脈内投与してください。必要に応じて 2.5mgを15秒かけて静脈内に追加投与します。ただし、追加投与する前に少なくとも 2分間あけてください。
ASA-PSIII/IVの方には、患者の全身状態によって2.5~5mgを1分かけて静脈内投与してください。必要に応じて 1.25~2.5mgを15秒かけて静脈内に追加投与してください。追加投与する前に少なくとも2分間あけてください。

効果・作用

レミマゾラムベシル酸塩は、全身に作用する麻酔薬に分類され、ベンゾジアゼピン受容体のベンゾジアゼピン結合部位を介して、鎮静作用をもたらします。ベンゾジアゼピン系薬剤の中での分類としては、超短時間作用型のグループに入ります。半減期が短いため、効果持続時間も短く、一方で副作用が出た際の消失時間も短いという側面を持ちます。循環抑制が少なく、薬物相互作用が少ない点も特徴です。

効果としては、日本人全身麻酔を施行した手術患者を対象に第 II/III試験を実施しています。本剤を、承認されている用量(12mg/kg/時)スピードで意識が消失するまで静脈内持続投与しました。その後1mg/kg/時のスピードで維持投与し、手術終了まで被験者の全身状態をよくみながら投与スピードを調節したところ、術中覚醒・記憶の有無、鎮静作用に対する救済処置の有無、そして体動の有無、3つの指標すべてが「無」であった被験者割合は、本剤群 100%(150/150 例)、プロポフォール群 100%(75/75 例)でした。試験より、本剤群の非劣性が証明され、有効性が認められました。

レミマゾラムの効果について、用量との関係性を検討した動物での実験があります。
マウス、ラット、ミニブタ、サルを対象に行われた試験で、用量依存的な鎮静作用を示すことが認められています。

使用方法

<導入時>
12mg/kg/時のスピードで、患者さんの全身状態をよくみながら、意識を消失するまで静脈内に持続的に注入します。患者の年齢や状態、症状に応じて投与スピードを減速させてください。

<維持>
1mg/kg/時のスピードで静脈内への持続的な注入を開始します。適切な麻酔深度が維持できるよう患者の全身状態をよくみながら、投与スピードを調節してください。しかし、上限は2mg/kg/時としてください。患者の年齢や状態、症状に応じて投与スピードを減速させてください。覚醒しそうになったが場合は、最大0.2mg/kgを静脈内投与しても問題ありません。

副作用

主な副作用
頭痛や悪心、嘔吐、悪寒などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。

皮膚・・紅斑(1%以上10%未満)
精神神経系 頭痛(1%以上10%未満)、譫妄、 ジスキネジー(1%未満)、激越(頻度不明)
循環器・・第二度房室ブロック、心室期外収縮、 血圧上昇、高血圧(1%未満)
消化器・・悪心、嘔吐(1%以上10%未満)、流涎過多(1%未満)
肝臓・・血中ビリルビン増加(1%未満)
その他・・悪寒(1%以上10%未満)、薬効延長(頻度不明)

重大な副作用
<依存性(頻度不明)>
連日の投与により、薬物依存を生じる恐れがあります。急激な中止や減量によって痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想、不随意運動などの離脱症状を生じてしまう可能性があります。投与を中止する場合には、慎重に行ってください。

<徐脈(4.7%)>
症状があらわれた際には、抗コリン剤の静脈内投与を行ってください。

<低血圧(26%)>
症状があらわれた際には、患者の頭部を下げてください。症状がひどい場合には血漿増量剤や昇圧剤を使用してください。

<呼吸抑制(頻度不明)>
症状があらわれた際には、気道を確保したうえで、人工呼吸などを検討してください。

<覚醒遅延(頻度不明)>
麻酔深度が深すぎると、覚醒遅延をおこす恐れがあります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■レミマゾラムベシル酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼レミマゾラムベシル酸塩の有効成分
レミマゾラムベシル酸塩

▼代表薬の添加物
乳糖水和物、デキストラン40、pH調節剤

・以前、レミマゾラムベシル酸塩を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・急性閉塞隅角緑内障の方は抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させる恐れがあるため使用できません。
・重症筋無力症の方は筋弛緩作用により症状を悪化させることがあります。
・ショックの方、昏睡の方、バイタルサインの抑制がみられる急性アルコール中毒の方は呼吸抑制、低血圧を増強させることがあるため使用できません。

使用に注意が必要な方
・ASA分類Ⅲ以上の方は、投与スピードを緩めることをを考慮しながら、慎重に投与してください。鎮静作用の増強や低血圧等の副作用があらわれることがあります。
・薬物依存の既往歴のある方は、依存性を生じやすいため注意をしてください。
・脳に器質的障害のある方は、投与スピードを緩めることをを考慮しながら、慎重に投与してください。鎮静作用が強くあらわれるおそれがあります。
・肝機能障害患者
・Child Pugh 分類 Cの重度肝機能障害患者は、投与スピードを緩めることをを考慮しながら、慎重に投与してください。本剤の代謝が遅延し、作用が強くもしくは長くあらわれるおそれがあります。
・妊婦
・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、レミマゾラムベシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
レミマゾラムベシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
中枢神経抑制剤
(麻酔・鎮静剤<プロポフォール/デクスメデトミジン/ケタミン/セボフルラン等>、麻薬性鎮痛剤<レミフェンタニル等>、抗不安剤等<ヒドロキシジン等>、局所麻酔剤<リドカイン等>、アルコール(飲酒)>
ともに中枢神経を抑制する作用を持っているため、作用が増強される恐れがあります。よって、血圧低下や覚醒遅延を起こすリスクがあります。併用する場合には、投与スピードを減速するなど慎重に投与してください。

上記を使用している方は、レミマゾラムベシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
レミマゾラムベシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

レミマゾラムベシル酸塩に関する
よくある質問
本剤のみで使用してもよいですか?

本剤を使用する場合は、鎮痛剤、筋弛緩剤等と併用してください。本剤のみでの使用経験は臨床試験でもありませんでした。

用法及び用量に関連する注意

【レミマゾラムベシル酸塩 医薬品インタビューフォーム】

過量投与をしてしまった場合に起こる症状とその時の対応方法はありますか?

症状としては、過量投与により、過鎮静、傾眠、錯乱、昏睡等が起こる可能性があります。もし過量投与が疑われた場合には、必要に応じて本剤と拮抗作用を持つフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)の投与を考慮してください。

過量投与

【レミマゾラムベシル酸塩 医薬品インタビューフォーム】

参考元一覧

レミマゾラムベシル酸塩 添付文書

Byfavo Dosing and Administration

当社の製品 【ムンディファーマ 医療関係者サイト】

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