ヌシネルセンナトリウム

成分名

ヌシネルセンナトリウム

適応症状

・脊髄性筋萎縮症
・臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症

簡易説明

ヌシネルセンナトリウムは日本で初めての脊髄性筋萎縮症の治療薬です。本剤が開発される前は、治療をすることが難しい疾患でしたが、現在は早くに薬剤治療を開始することで病気の進行を抑えることが可能となっています。世界50か国以上で使用されています。最初は頻回な投与が必要ですが、維持用量になれば年数回の受診で処置ができます。

処方可能な診療科目

脳神経内科/神経内科/総合内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
スピンラザ髄注12mg【製薬メーカー:バイオジェン・ジャパン】12mg1瓶9493024円(薬価)

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2017年8月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

スピンラザ髄注12mg 【製薬メーカー:バイオジェン・ジャパン】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

2016年12月23日に米国で承認され、イギリス、ドイツ、イタリアなどを含む世界50ヵ国で承認されています。

【アメリカ】
SPINRAZAという名前でバイオジェンから発売されています。

<適応症>
小児および成人患者の脊髄性筋萎縮症(SMA)の治療に適応されています。

<用法用量>
推奨用量は1回12mg(5mL)です。4回の負荷用量でスピンラザ治療を開始します。 最初の3回の負荷用量は、14日間隔で投与し、4回目の負荷投与は、3回目の投与の 30日後に投与します。 その後、維持量を4か月に1回投与します。

<飲み忘れについて>
初回投与量が遅れたり、投与されなかったりした場合は、できるだけ早くスピンラザを投与し、投与間隔を少なくとも 14日間空けて、投与を続けてください。 維持投与が遅れたり、行われなかったりした場合は、できるだけ早くスピンラザを投与し、4か月ごとに投与を続けてください。

効果・作用

ヌシネルセンナトリウムは、日本で初めての脊髄性筋萎縮症の治療薬です。薬剤の承認以前は、脊髄性筋萎縮症は徐々に筋力が衰える進行性の病気であり、治療が難しい病気でした。
バイオジェンが開発したアンチセンスオリゴヌクレオチドは、目的タンパク質をコードするリボ核酸(RNA)に選択的に結合することにより、目的タンパク質の発現を変化させることが可能です。
SMN2遺伝子のmRNAスプライシングパターンを修正することで、SMN2遺伝子から産生される完全長タンパク質の量を増加させます。本剤は、脊髄性筋萎縮症患者の運動機能の改善効果や呼吸障害などによる死亡リスクの軽減効果が示されています。

SMN2遺伝子のコピー数が2であり、生後6ヵ月齢以前に発症した、7ヵ月齢未満の脊髄性筋萎縮症患者121例(うち日本人3例)を対象に、国際共同第Ⅲ相試験を実施しています。
用法・用量に従い 1回12mg相当量の本剤投与又はシャム処置を、初回実施後、15、29、及び64日目に行い、以降4ヵ月に1回維持投与する二重盲検並行群間比較試験を行いました。
主要評価項目である、Hammersmith Infant Neurological Examination(HINE)第2セクション(7項目)に基づく運動マイルストーン改善例の割合はシャム処置群0%に比べて本剤投与では41.2%でした。
よって、本剤のシャム処置群に対する有効性が認められました。

また、生後6ヵ月齢より後に発症した、2~9歳の脊髄性筋萎縮症患者126例(うち日本人8例)を対象に、国際共同第Ⅲ相試験を実施しています。
1回12mgの本剤投与又はシャム処置を、初回実施後、29及び85日目に行い、 6ヵ月後に1回維持投与する二重盲検並行群間比較試験を行いました。
中間解析において主要評価項目である、Hammersmith Functional Motor Scale‒Expanded(HFMSE)スコアの15ヵ月目の変化量は、シャム処置群がー1.9、一方本剤投与群が+4.0でした。
本剤のシャム処置に対する有効性が認められました。

使用方法

乳幼児型か、以外かによって投与間隔、投与量が異なっています。

〈乳児型脊髄性筋萎縮症、臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症〉
1回につき下に記載の用量を投与します。初回投与後、2週、4週及び9週に投与し、以降4ヵ月の間隔で投与を行うこととし、いずれの場合も1~3分かけて髄腔内投与します。

〈乳児型以外の脊髄性筋萎縮症〉
1回につき下に記載の用量を投与します。初回投与後、4週及び12週に投与し、以降6ヵ月の間隔で投与を行うこととし、いずれの場合も 1~3分かけて髄腔内投与します。

0~90日齢:用量9.6mg、投与液量4 mL
91~180日齢:用量10.3mg、投与液量4.3mL
181~365日齢:用量10.8mg、投与液量4.5mL
366~730日齢:用量11.3mg、投与液量4.7mL
731日齢~:用量12mg、投与液量5mL

副作用

主な副作用
主に、頭痛、頻脈、嘔吐、背部痛、発熱、腰椎穿刺後症候群(頭痛、吐き気、嘔吐)などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。

感染症および寄生虫症・・蜂巣炎(1%未満)
免疫系障害・・過敏症(血管浮腫、蕁麻疹、発疹等)(頻度不明)
代謝および栄養障害・・食欲亢進(1%未満)
精神障害・・不眠症(1%未満)
神経系障害・・頭痛(1%以上)、眼振(1%未満)
心臓障害・・頻脈(1%以上)
血管障害・・血管炎(1%未満)
呼吸器、胸郭および縦隔障害・・カタル/発声障害(1%未満)
胃腸障害・・嘔吐(1%以上)、便失禁/悪心(1%未満)
皮膚および皮下組織障害・・寝汗/皮膚疼痛(1%未満)
筋骨格系および結合組織障害・・背部痛(1%以上)、筋力低下(1%未満)
先天性、家族性および遺伝性障害・・貧血母斑(1%未満)
一般・全身障害および投与部位の状態・・発熱(1%以上)
臨床検査・・体温低下、体温上昇(1%未満)
傷害、 中毒および処置合併症・・腰椎穿刺後症候群(頭痛、吐き気、嘔吐)(1%以上)、処置後腫脹(1%未満)

重大な副作用
重大な副作用として、頻度不明ですが水頭症の報告があります。症状が認められた場合には、すぐに医療機関を受診してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■ヌシネルセンナトリウムを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ヌシネルセンナトリウムの有効成分
ヌシネルセンナトリウム
▼代表薬の添加物
リン酸二水素ナトリウム、無水リン酸一水素ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、塩化マグネシウム、pH調整剤

・以前、ヌシネルセンナトリウムを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・抗凝固剤又は抗血小板薬を投与している患者、出血又は出血傾向のある方は出血又は出血の増悪があらわれる恐れがあるため注意をしてください。
・腎機能障害のある方は、ヌシネルセン及び代謝物の排泄が遅延する恐れがあるため注意をしてください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
・小児等、早産児では脳脊髄液量が少ないため、脳脊髄液中濃度が上昇する恐れがあるため注意をしてください。

上記にあてはまる方は、ヌシネルセンナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
ヌシネルセンナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ヌシネルセンナトリウムに関する
よくある質問
スピンラザで治療を受けた人はどのくらいいますか?

2016年以降、世界50ヵ国以上で11,000人以上がスピンラザによる治療を受けました。

スピンラザ治療に関する質問

【上記引用元:スピンラザを使用される患者さんへ】

治療のために通院するのは大変ですか?

スピンラザによる治療は、維持投与の時期になると年2、3回の通院になります。また入院期間は患者さんの体調などにより異なりますが、日帰りで投与できる場合もあります。定期的に通院することで、前回の投与時からの変化を主治医と確認したり、リハビリについて療法士の先生と相談できるなど、個々の患者さんにあった治療プランをたてることもできます。

スピンラザ治療に関する質問

【上記引用元:スピンラザを使用される患者さんへ】

参考元一覧

SMAに関する質問 【スピンラザを使用される患者さんへ】
スピンラザの髄腔内投与について
スピンラザ髄注12mg 添付文書

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