アスホターゼアルファ(遺伝子組換え)

成分名

アスホターゼアルファ(遺伝子組換え)

適応症状

低ホスファターゼ症

簡易説明

本剤は、進行性の疾患である低ホスファターゼ症に用いられる薬剤です。進行性の疾患のため、骨の形成ができず、日常動作などをしにくくなります。しかし、本剤は骨の形成に重要なALPを補充することで骨に関連する症状の改善をすることができます。現在40を超える国と地域で販売されており、日本ではアレクシオンファーマが扱っています。

処方可能な診療科目

小児科/総合内科/内分泌内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

この薬は処方薬ではありません。
ストレンジック皮下注12mg/0.3mL 1瓶134301円(薬価)
ストレンジック皮下注18mg/0.45mL 1瓶201451円(薬価)
ストレンジック皮下注28mg/0.7mL 1瓶313369円(薬価)
ストレンジック皮下注40mg/1mL 1瓶447669円(薬価)
ストレンジック皮下注80mg/0.8mL 1瓶895340円(薬価)
【製薬メーカー:アレクシオンファーマ】

厚生労働省による認可、または発売年月日

2015年8月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ストレンジック皮下注12mg/0.3mL
ストレンジック皮下注18mg/0.45mL
ストレンジック皮下注28mg/0.7mL
ストレンジック皮下注40mg/1mL
ストレンジック皮下注80mg/0.8mL
【製薬メーカー:アレクシオンファーマ】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

カナダ、アイスランド、ノルウェー、アメリカでは2015年、オーストラリアでは2016年以降承認されています。世界で40 ヵ国以上で販売されています。

効果・作用

本剤は低ホスファターゼ症に用いられる薬剤です。当疾患は遺伝性であり、骨を作る、骨を維持するために必要なALPの活性が低下することで、リン酸とカルシウムが結合できず健康な骨を作ることができません。ALPは全身に分布しているため、症状も全身にあらわれ、進行していきます。乳児の場合、呼吸を自分で行うことが難しいため、呼吸不全で死に至ることもあります。本剤は、アスホターゼ アルファ融合たんぱく質の製剤であり、アスホターゼ アルファはTNSALP触媒ドメインやの10個ほどのアスパラギン酸ペプチドからつくられます。投与することで、TNSALP 酵素活性が補充され、症状を改善することが主な作用機序となっています。

国内外の生後6ヵ月未満に発症した5歳以下の周産期型もしくは乳児型低ホスファターゼ症患者28名を対象に国際共同試験を実施しています。日本人は5名含まれておりました。本剤1回1kgあたり1.0mgを週に6回、もしくは1回1kgあたり2.0mgを週に3回皮下投与しました。本剤投与前の値から投与24週後の変化を評価したところ、X線画像所見によるRGI-Cスコアは、全集団で1.67であり、投与前と比較して有意な改善が認められました。加えて、投与120週時点まで増加傾向が認められました。
血漿中無機ピロリン酸濃度ならびに血漿中ピリドキサール- 5 '-リン酸塩濃度の変化量は、投与24週、48週、96週どのタイミングではかっても、すべてのタイミングで減少していました。
本剤投与168週時の生存率をKaplan-Meier法によって推定したところ、95%信頼区間は84%でした。28名中22名、割合として78.6%に抗アスホターゼアルファの抗体がみられ、約半数には中和抗体が認められました。

外国人の13歳以上65歳以下の乳児型、小児型もしくは成人型低ホスファターゼ症患者19名を対象に実施した海外第2相試験があります。本剤0.3mg/kgもしくは0.5mg/kgを1日1回24週間皮下注射し、本剤を投与しなかった群を非投与群として、本剤を投与した群との有効性と安全性を比較しました。非投与群は6名、本剤投与群は13名でした。
投与前から投与後24週までの血漿中PPi濃度と血漿中PLP濃度の変化量は、本剤投与群が投与しなかった群に比べて減少していました。

使用方法

1回1kgあたり1mgを週に6回、もしくは1回1kgあたり2 mgを週3回皮下投与します。患者の症状にあわせて、減量することが可能です。

副作用

主な副作用
頭痛、挫傷、紅斑や発熱、注射部位の変色や疼痛、萎縮、反応などがあげられます。

項目別の発現頻度は以下の通りです。
全身障害及び投与部位・・発熱/易刺激性/注射部位紅斑/注射部位変色/注射部位疼痛/注射部位そう痒感/注射部位斑/注射部位腫脹/注射部位内出血/注射部位肥厚/注射部位硬結/注射部位反応/注射部位萎縮(10%以上)、悪寒/注射部位結節/注射部位発疹/注射部位丘疹(1~10%未満)
皮膚・・紅斑(10%以上)、脂肪肥大症/皮膚弛緩症/皮膚変色/皮膚障害/皮膚色素減少(1~10%未満)
胃腸・・口の感覚鈍麻/悪心(1~10%未満)
筋骨格・・四肢痛(10%以上)、筋肉痛(1~10%未満)
傷害・・挫傷(10%以上)、瘢痕(1~10%未満)
血管・・ほてり(1~10%未満)
血液・・内出血(1~10%未満)
感染症・・注射部位蜂巣炎(1~10%未満)
神経系・・頭痛(10%以上)

重大な副作用
低カルシウム血症が4.2%の割合で認められています。本剤投与後は定期的にカルシウムの値をはかり、変動などは見過ごさないようにしてください。もし、痙攣やしびれ、見当識障害などの症状が出た場合は、カルシウムやビタミンDの補充を考慮してください。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■アスホターゼ アルファ(遺伝子組換え)を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼ストレンジックの有効成分
アスホターゼ アルファ

▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム七水和物、リン酸二水素ナトリウム一水和物

・以前、アスホターゼ アルファ(遺伝子組換え)を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。

使用に注意が必要な方
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性もしくは授乳婦は投与のメリットがデメリットを上回る場合にのみ投与をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、投与に注意をしてください。

上記にあてはまる方は、アスホターゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
アスホターゼアルファ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

アスホターゼアルファ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
HPP(低ホスファターゼ症)はどんな病気でしょうか?

骨に関連し、進行性の疾患です。男女差はなく、赤ちゃんから高齢者まで幅広い年代で発症する可能性があります。症状は全身に出るため、日常生活の動作が困難になりQOLが低下する場合があります。

HPPとはどんな病気ですか

【上記引用元:「 ストレンジック® 」の治療を受ける患者さんとそのご家族の方へ】

本剤投与において注意することはありますか?

本剤は皮下組織に注射する薬剤です。注射する部位に対して最大で投与できる液量は1mlまでです。また、注射する部位は同じ場所ではなく投与ごとに変えてください。

ストレンジックの投与方法は?

【上記引用元:「 ストレンジック® 」の治療を受ける患者さんとそのご家族の方へ】

参考元一覧

ストレンジック 添付文書

ストレンジック 医薬品インタビューフォーム

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