ベタネコール塩化物

成分名

ベタネコール塩化物

適応症状

手術後の尿閉/手術後の排尿困難/神経因性膀胱の尿閉/神経因性膀胱の排尿困難/低緊張性膀胱の尿閉/低緊張性膀胱の排尿困難/分娩後の尿閉/分娩後の排尿困難/麻痺性イレウスの消化管機能低下/慢性胃炎の消化管機能低下/迷走神経切断後の消化管機能低下/手術後の腸管麻痺の消化管機能低下/分娩後の腸管麻痺の消化管機能低下など

簡易説明

ベタネコール塩化物は胃腸の働きを活発にする薬で、膀胱を収縮させ排尿をうながす作用もあります。
胃腸など消化器系臓器の運動は、副交感神経の命令によって亢進しますが、本薬は、副交感神経を刺激することで、胃腸の働きを活発にして胃酸の分泌も良くなります。
また、膀胱の排尿筋を収縮させて排尿を助け、手術後や分娩後、神経因性膀胱などで、尿がうまく出ないときにもちいます。
本薬は妊婦は使用できず、また、病気によっては症状を悪化させるおそれがあるので、診察では持病やアレルギーのある人は担当医に伝えてる必要があります。

処方可能な診療科目

内科/消化器科/胃腸科/神経内科/泌尿器科/産婦人科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1000円~5000円程
薬代1gあたりの目安:5%約11円
※病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要です。

厚生労働省による認可、または発売年月日

【ベサコリン散5%】
薬価基準収載年月 : 2007年6月
販売開始年月 : 1960年3月
再評価結果公表年月 : 1984年6月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

【製薬メーカー:サンノーバ】
ベサコリン散5%

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

海外における臨床支援情報として、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には安全性は確立していないことから、使用は禁止されています。投与しないでください。
また、小児に対しても安全性が確保し出来ておらず、使用経験がないことから、使用は禁止されています。投与しないでください。

効果・作用

ベタネコール塩化物は胃腸の働きを活発にはたらきがあることや、膀胱を収縮させ排尿をうながす作用もあります。
胃腸など消化器系臓器の運動は、副交感神経の命令によって亢進しすることから、副交感神経を刺激することで、胃腸の働きを活発にするはたらきがあります。
消化管の運動機能低下や胃の知覚過敏などによって、胃もたれ、胸やけ、吐き気、胃の痛みなどの症状があらわれることがありますが、消化管の運動は副交感神経の働きによって調節されており、副交感神経が活発になると消化管運動が亢進します。
神経伝達物質であるアセチルコリンの作用が増強されると、副交感神経の働きが活発になり、アセチルコリンの作用するムスカリン受容体を刺激します。
アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼを阻害して、アセチルコリンを遊離させるセロトニン受容体を刺激するといったことにより、アセチルコリンの作用増強に伴う副交感神経の活性化がおこります。
本薬は薬剤毎それぞれの作用により、アセチルコリンの増強作用などをあらわします。
また、消化管運動を亢進させることで胃もたれや腹部膨満感、吐き気、みぞおちの痛みなどの消化器症状の改善作用をあらわします。
診察では、持病やアレルギーのある人は医師に伝えておく必要があり、病気によっては症状を悪化させるおそれがあるので注意してください。
また、妊娠中もしくはその可能性のある人は医師に伝えてださい。本薬は妊娠中は使用できません。
また、別に薬を飲んでいる場合は、医師に伝えてください。
その他、注意が必要な人として、気管支喘息のある人は気管支粘液分泌が増えて、症状が悪化するおそれがあるため使用が禁止されています。
そのほか、甲状腺機能亢進症のある人、腸や膀胱頸部に閉塞のある人、消化性潰瘍、重い心臓病、てんかん、パーキンソン病のある人も使用できません。

使用方法

ベタネコール塩化物として、成人1日30mgから50mgを3回から4回に分けて経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。

副作用

重大な副作用
コリン作動性クリーゼ/悪心/嘔吐/腹痛/下痢/唾液分泌過多/発汗/徐脈/血圧低下/縮瞳/呼吸不全など

その他の副作用
心悸亢進/胸やけ/頭痛/過敏症/発熱/顔面潮紅/胸内苦悶/胃部不快感など

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
■甲状腺機能亢進症の患者
甲状腺機能亢進症の患者は、心房細動の危険性を増加させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■気管支喘息の患者
気管支喘息の患者は気管支喘息の症状を悪化させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■消化管及び膀胱頸部に閉塞のある患者
消化管及び膀胱頸部に閉塞のある患者は、消化管の通過障害、排尿障害を起こすおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■消化性潰瘍の患者
消化性潰瘍の患者は、消化性潰瘍を悪化させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用できません。投与しないでください。

■冠動脈閉塞のある患者
冠動脈閉塞のある患者は、冠血流量を減少させ、心疾患の症状を悪化させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■強度の徐脈のある患者
強度の徐脈のある患者は、徐脈を悪化させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■てんかんのある患者
てんかんのある患者は、てんかん発作を起こすおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

■パーキンソニズムのある患者
パーキンソニズムのある患者は、パーキンソニズムの症状を悪化させるおそれがあることから使用できません。投与しないでください。

使用に注意が必要な方
■高齢者
高齢者は、コリン作動性作用により発汗、潮紅、下痢、悪心、嘔吐等の副作用があらわれやすいことから、観察を十分に行い、慎重に投与してください。

■小児等
小児に対する安全性は使用経験がないことから確立していません

上記にあてはまる方は、ベタネコール塩化物を使用する事が出来ない可能性があります。
ベタネコール塩化物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・コリン作動薬
 ピロカルピン塩酸塩、セビメリン塩酸塩水和物等
・コリンエステラーゼ阻害薬
 ジスチグミン臭化物等

上記を使用している方は、ベタネコール塩化物を使用する事が出来ない可能性があります。
ベタネコール塩化物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ベサコリンの服用する際に特に注意することはありますか?

コリン作動性クリーゼがあらわれることがあるので、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、唾液分泌過多、発汗、徐脈、血圧低下、縮瞳等の症状が認められた場合には投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物 0.5~1mg(患者の症状に合わせて適宜増減)を投与すること。

ベサコリン散5% 医薬品インタビューフォーム

【上記引用元:サンノーバ】

ベサコリンの見た目はどのような薬ですか?

本品は無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

ベサコリン散5% 医薬品インタビューフォーム

【上記引用元:サンノーバ】

参考元一覧

ベサコリン散5% 医薬品インタビューフォーム【サンノーバ】

ベサコリン散5% 添付文書【サンノーバ】

ベサコリン散5% 2010年2月16日 事務連絡 別紙 2 【Pmda 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構】

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