成分名 |
ベルテポルフィン |
適応症状 |
中心窩下脈絡膜新生血管をともなう加齢黄斑変性症 |
簡易説明 |
ベルテポルフィンは加齢黄斑変性症の治療薬です。ノバルティスファーマが開発しました。光をよく吸収する本剤を投与したのち、弱めのレーザーをあてます。加齢黄斑変性は、年齢に伴いリスクが高まる疾患です。本剤は、歪んで見える、中心が暗く見えるといった症状を改善します。2020年から日本では、クリニジェン株式会社が販売しています。 |
処方可能な診療科目 |
眼科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません。
ビスダイン静注用15mg【製薬メーカー:クリニジェン】15mg1瓶139937円(薬価) |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2004年5月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ビスダイン静注用15mg【製薬メーカー:クリニジェン】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
カナダやスイス・ドイツ・イギリスなどで発売されております。
【EU】
2000年からVisudyne 15mg powder for solution for infusionという名前で発売されています。
<効能・効果>
下記新生血管を伴う加齢黄斑変性症患者の治療
・classic CNV を主とする中心窩下脈絡膜新生血管
・病的近視に伴う中心窩下脈絡膜新生血管
<用法・用量>
アメリカと同様です。
【アメリカ】
2000年からVISUDYNEという名前で発売されています。
<効能・効果>
classic CNV を主とする中心窩下脈絡膜新生血管のある加齢黄斑変性症患者、病的近視患者または眼ヒストプラズマ症と考えられる方の治療
<用法・用量>
投与量は6mg/m2(体表面積)を10分ほどかけて静脈に投与してください。投与をはじめてから15分経ったら、600mW/cm2のレーザーを83秒ほどあてます。
投与の目安は下記の通りです。
・レーザー光波長:689±3nm、レーザー照射エネルギー:50J/cm2
スポットサイズ:網膜の病変のGLDに1,000μm加えてください。治療部位の鼻に近いほうの端は、視神経乳頭の側頭端から少なくとも200μm離してください。
溶解したVISUDYNEは遮光して4時間以内に使用します。3ヵ月ごとに患者を再評価し、脈絡膜新生血管の漏出が蛍光眼底造影で認められた場合は、再治療を行います。 |
効果・作用 |
ベルテポルフィンは加齢黄斑変性症の症状を改善する薬剤です。本剤とレーザー療法を合わせた光線力学的療法と呼ばれている治療法は、患者の視力を保つ、改善するといった優れた治療効果が報告されています。この治療法の特徴は、正常な網膜を傷つけることなく、脈絡膜新生血管を選択的に閉じることができる点です。この後出てくる、CNVという用語は、脈絡膜新生血管の略称、PDTという用語は光線力学的療法の略称です。
国内では中心窩下CNVのある加齢黄斑変性症の患者、64名を対象にした臨床試験を実施しています。
本試験の主要評価項目はclassic CNVの進展率(ベースライン以降にclassic CNVが進展がした患者の割合)でした。
1年後の結果はclassic CNVの進展率は18.8%、occultCNVの進展率は14.1%でした。また、最高矯正視力については、ETDRSチャートでベースラインスコアと比べると1年後にに平均、3文字の増加が示されています。結果、本剤の有用性が示されました。
また、視力が比較的良好な加齢黄斑変性症患者及びclassic CNVのないoccult CNV患者339名を対象にしたプラセボ対照二重盲検試験も実施しています。
24ヵ月間のフォローアップの結果、本試験の主な対象であるclassic CNVのないoccult CNV患者において、classic CNVの進展率がビスダイン群17.5%、プラセボ群38.0%、occult CNVの進展率においてはビスダイン群が46.4%、プラセボ群が56.5%、最高矯正視力(平均)はビスダイン群が19文字の低下、プラセボ群が25.5文字の低下でした。本試験の主要評価項目であるレスポンダーの比率(15文字未満)は、ビスダイン群が45.2%、プラセボ群が31.5%であり、統計学的有意差がみられました。 |
使用方法 |
6mg/m2(体表面積)を10分ほどかけて静脈に投与します。投与してから15分経過した後にレーザー光を治療スポットに照射します。波長は689±3 nm、光照射エネルギー量は50 J/cm2です。なお、照射出力は600 mW/cm2で83秒です。
各3ヵ月で行われる検査時に、フルオレセインが漏出していた際は、再治療を実施することができます。 |
副作用 |
主な副作用
視力低下、眼の異常感、悪心、頭痛、めまい、動悸などがあげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
治療眼・・視力低下(5%~10%未満)、眼の異常感(眼違和感、眼瞼腫脹感)/彩視症/眼重感/中心性漿液性網脈絡膜症(1%~5%未満)、視野障害(暗点、黒点等)/網膜又は脈絡膜血液非灌流/加齢黄斑変性の進行/結膜炎/眼痛/流涙障害/羞明/網膜虚血/白内障/眼の乾燥(頻度不明)
注射部・・疼痛/浮腫/炎症/血管外漏出/出血/変色/過敏性反応/水疱(頻度不明)
消化器・・悪心/膵炎(1%~5%未満)、便秘/下痢/嘔吐/腹痛(頻度不明)
内分泌・代謝系・・血中コレステロール増加/血中カリウム増加(1%~5%未満)、糖尿病/ケトーシス(頻度不明)
血液・・好酸球増加症/異型リンパ球(1%~5%未満)、貧血(頻度不明)
肝臓・・AST/ALT上昇(1%~5%未満)
過敏症・・発疹/そう痒(1%~5%未満)、光線過敏性反応/蕁麻疹(頻度不明)
精神神経系・・頭痛/めまい/痴呆/うつ病/パーキンソニズム/感覚減退(1%~5%未満)、感覚鈍麻/感覚異常(頻度不明)
循環器・・動悸/不整脈(1%~5%未満)、高血圧(頻度不明)
泌尿器・・糸球体腎炎/尿蛋白/血中クレアチニン増加/尿潜血陽性(1%~5%未満)
その他・・注入に関連した背部痛(骨盤/肩帯又は胸郭への放散痛)/無気力/頚部違和感/筋硬直(1%~5%未満)、発熱/胸痛/無力症/悪寒/インフルエンザ症候群/咳嗽増加/疼痛/非治療眼の視力低下(頻度不明)
重大な副作用
眼障害、アナフィラキシー、血管迷走神経反応(頻度不明)、痙攣(頻度不明)、脳梗塞(1.6%)、大動脈瘤(1.6%)、心筋梗塞(1.6%)、出血性胃潰瘍(頻度不明)、全身性の疼痛(頻度不明)が報告されています。
特に失神、発汗、めまい、発疹、呼吸困難、潮紅、血圧の変化、心拍数の変化等の全身状態は、アナフィラキシー、血管迷走神経反応の症状の可能性がありますので出た場合は医療機関を受診してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ベルテポルフィンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ベルテポルフィンの有効成分
ベルテポルフィン
▼代表薬の添加物
乳糖水和物 690 mg
エッグホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルコリン、パルミチン酸アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン
・以前、ベルテポルフィンを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・ポルフィリン症の方は症状を増悪させるおそれがあるため使用できません。
・眼底の観察が困難な方(混濁の程度の強い白内障又は角膜混濁のある等)は使用できません。対象となる病変部に適切な光照射エネルギー量が到達するかどうか不明であるため、本剤による適切な治
療を施行することができない可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・胆管閉塞のある方は代謝又は排泄が遅延するおそれがあります。
・麻酔下にある方は、補体活性化によるアナフィラキシー発現の危険性を排除できないため注意をしてください。
・網膜血管増殖腫(Retinal Angiomatous Proliferation)の方への有効性及び安全性は確立していません。
・糖尿病性網膜症をはじめとする網膜症を合併している方への有効性及び安全性は確立していません。
・肝機能障害の方は代謝又は排泄が遅延するおそれがあります。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性
・小児
・高齢者
上記にあてはまる方は、ベルテポルフィンを使用する事が出来ない可能性があります。 ベルテポルフィンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬
本PDTの効果、副作用の増強が起こる可能性があります。
<光線過敏性反応を起こす薬剤(テトラサイクリン系薬剤/スルホンアミド系薬剤/フェノチアジン系薬剤/スルホニルウレア系血糖降下剤/チアジド系利尿剤/グリセオフルビン>
光線過敏性反応の発生の可能性が増大するおそれがあります。
<活性酸素を消去する化合物又はラジカルに対してスカベンジャーとして作用する化合物(β-カロチン/エタノール/マンニトール>
本PDTの効果を低下させる可能性があります。
上記を使用している方は、ベルテポルフィンを使用する事が出来ない可能性があります。 ベルテポルフィンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ベルテポルフィンに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
ベルテポルフィン添付文書
加齢黄斑変性の症状【ノバルティスヘルスケア加齢黄斑変性の情報サイト】 |
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