デノスマブ(遺伝子組換え)

成分名

デノスマブ(遺伝子組換え)

適応症状

<プラリア>
・骨粗鬆症
・関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制

<ランマーク>
・多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変
・骨巨細胞腫

簡易説明

デノスマブは、抗RANKL製剤に分類されており、骨の破壊を抑制することで骨の強度を強めます。同じ成分で2つの名前の薬剤が販売されており、「プラリア」は骨粗しょう症に、「ランマーク」は多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変に使用されます。
がんにおける骨転移は、10~20万人ほどにみられる症状で、骨吸収が以上に亢進することで起こります。本剤は骨吸収を抑制させるため、骨転移の方においては、骨に関連した合併症のリスクを減らすとされています。アムジェン社が開発しておりますが、日本では第一三共が販売しています。使用したい疾患によって投与間隔が異なっています。

処方可能な診療科目

整形外科/血液内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

<プラリア>
この薬は処方薬ではありません。
薬代1筒あたりの目安:60mg約28136円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

<ランマーク>
この薬は処方薬ではありません。
薬代1瓶あたりの目安:120mg約47486円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

<プラリア>2013年6月発売
<ランマーク>2012年4月発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

<プラリア>プラリア皮下注60mgシリンジ
<ランマーク>ランマーク皮下注120mg
【製薬メーカー:第一三共】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績

<プラリア>80を超える国と地域で販売されています。
<ランマーク>70か国以上で発売されています。

効果・作用

デノスマブはヒトRANKLに結合して効果を発揮するヒト型IgG2モノクローナル抗体です。RANKLとは、骨吸収に関わる細胞の表面に存在している受容体です。本剤は、RANKLのみに結合し、活性を阻害することで骨吸収を抑制します。結果、骨の量自体を増加させ、骨の強度を強くさせることが分かっています。
<プラリア>
骨粗しょう症に対しては、原発性の患者を対象とした国内第3相試験が行われています。2年間、本剤60mgを6ヵ月に1回皮下投与した本剤群472名とプラセボ群480名を比較検討しました。結果、椎体骨折発生率は、本剤群で3.65、プラセボ群で10.3%でした。さらに1年間継続投与試験を行ったところ、本剤群の累積椎体骨折発生率は、3.8%でした。
本試験では、全ての患者に対して、少なくとも600mgのカルシウムと400IUの天然型ビタミンDが毎日補充されました。
<ランマーク>
骨巨細胞腫患者を対象とした2つの海外第2相試験を実施しています。どちらの試験でもデノスマブ120mgの皮下投与を、第1日、第8日、第15日、第29日、その後は4週間に1回、皮下投与をしました。結果、客観的奏効率は190名中136名、割合として71.6%に認められました。
全ての患者に、高カルシウム血症が認められない限り、少なくとも500mgのカルシウムと400IUの天然型ビタミンDの補充を推奨していました。

使用方法

<プラリア>
骨粗鬆症の場合、60mgを6ヵ月に1回、皮下投与します。
関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制の場合、60mgを6ヵ月に1回、皮下投与します。6ヵ月に1回投与をしても、症状の進行が認められる場合には、3ヵ月に1回、皮下投与も可能です。
<ランマーク>
多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変の場合、120mgを4週間に1回、皮下投与します。
骨巨細胞腫の場合、120mgを第1日、第8日、第15日、第29日、以降は4週間に1回、皮下投与します。

副作用

<プラリア>
主に、貧血や湿疹、低リン酸血症、高血圧、鼻咽頭炎、口内炎や胃炎、背部痛。、肝機能異常などがあげられますが、多いものでも発現率は2%未満となっています。

重大な副作用としては、1.4%の確率で発現する低カルシウム血症に注意をしてください。低カルシウム血症が認められた場合には、カルシウムやビタミンDの補充とカルシウムの点滴投与を行ってください。
頻度不明で重篤な皮膚感染症も報告されています。、発赤、腫脹、疼痛、発熱などは初期症状の可能性がありますので、症状があらわれた場合にはすぐに投与を中止し、適切な処置を行ってください。
また、0.1%の確率で顎骨壊死・顎骨骨髄炎が、頻度不明ですがアナフィラキシーや大腿骨転子下、近位大腿骨骨幹部、近位尺骨骨幹部などの非定型骨折、治療中止後の多発性椎体骨折も報告されております。

<ランマーク>
主に、貧血や頭痛、低リン酸血症、悪心、食欲減退、関節痛や筋肉痛、背部痛。、血中クレアチニン増加などがあげられます。1%以上発現します。

重大な副作用としては、5.6%で低カルシウム血症に、1.8%で顎骨壊死・顎骨骨髄炎に、0.1%で重篤な皮膚感染症に注意をしてください。また、骨巨細胞腫に使用する場合、治療中止後の高カルシウム血症が報告されております。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

<使用ができない方>
【プラリア・ランマーク共通】
■デノスマブを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。

▼プラリア・ランマークの有効成分
デノスマブ

▼代表薬の添加物
D-ソルビトール、ポリソルベート20、氷酢酸、pH調節剤

・以前、デノスマブを使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性は投与できません。

【プラリアのみ】
・低カルシウム血症の方

<使用に注意が必要な方>
【プラリア・ランマーク共通】
・低カルシウム血症を起こすおそれのある方は、症状が悪化する恐れがありますので注意をしてください。
・重度の腎機能障害のある方は、臨床試験でも除外対象となっておりましたので注意をしてください。
・妊娠可能な女性は避妊をしてください。
・小児は臨床試験を行っておりませんので、注意をしてください。

【ランマークのみ】
・肺転移を有する骨巨細胞腫の方は気胸があらわれる恐れがありますので注意をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、注意をしてください。

上記にあてはまる方は、デノスマブ(遺伝子組換え)を使用する事が出来ない可能性があります。
デノスマブ(遺伝子組換え)を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

デノスマブ(遺伝子組換え)に関する
よくある質問
プラリアとランマークの併用は可能ですか?

両剤の成分は同じデノスマブであるため、併用は避けてください。過量投与となる恐れがあります。

よくある質問:プラリア

【上記引用元:第一三共 医療関係者向けサイト】

ランマークの副作用である低カルシウム血症を起こしやすいリスク因子は特定されていますか?

「長期使用に関する特定使用成績調査 」最終集計で報告された文書には以下がリスク因子とされていました。①男性②入院している方③PS1以上④BP製剤の使用歴がある⑤臨床検査値の補正カルシウム又はカルシウムの投与前の値が低い⑥臨床検査値の投与前ALPが高い⑦カルシウム製剤又はビタミンD製剤の併用がない

よくある質問:ランマーク

【上記引用元:第一三共 医療関係者向けサイト】

参考元一覧

プラリア皮下注60mgシリンジ 添付文書

プラリア皮下注60mgシリンジ  医薬品インタビューフォーム

ランマーク皮下注120mg 添付文書

ランマーク皮下注120mg 医薬品インタビューフォーム

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