成分名 |
パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩 |
適応症状 |
局所麻酔 |
簡易説明 |
パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩はテトラカインの一部を置換した安息香酸エステル型局所麻酔剤です。帝国化学産業株式会社がテーカイン(以下、本剤)として製造承認を取得しました。テーカインは2001年に帝国化学産業株式会社からナガセ医薬品株式会社に承継され、2022年4月にはシオノギファーマ株式会社に承継されました(販売元はヴィアトリス製薬株式会社です)。
本剤は2022年にヴィアトリス製薬株式会社から諸般の事情による販売中止が発表されました。2024年3月末に経過措置満了(薬価収載削除)が予定されています。
同効薬:テトラカイン、プロカイン
一般用医薬品で塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル(0.03g)を含有する歯痛剤新今治水が「むし歯・浮歯、歯の根の痛みを鎮める」適応で丹平製薬株式会社より販売されています(第2類医薬品)。 |
処方可能な診療科目 |
歯科/眼科/外科など |
健康保険の適応 |
伝達麻酔、浸潤麻酔、表面麻酔、歯科領域における伝達麻酔・浸潤麻酔 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません(薬価記載)
テーカイン原末(1g) 243.60円(5g1瓶 1,218.00円)【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬株式会社】
※本剤は2024年3月31日に経過措置期間が満了します。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
厚生労働省による認可:1949年1月 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
テーカイン原末【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
局所麻酔薬は細胞膜に作用して神経伝達物質(ナトリウムイオン)の発生および伝達を抑えます。
生理食塩水溶液(本剤0.01~0.1%)0.1mLをヒトの前腕内側皮内に投与し、痛覚麻痺作用をジブカイン塩酸塩と比較したところ、ほぼ同一の作用強度を示しました。作用発現は本剤の方が速やかで、持続時間は本剤の方が短い傾向が見られました。
眼に対する作用を確認するため片目に本剤0.4%、リドカイン4%を投与し、他目に2%コカインを投与し麻酔発現時間を比較したところ、本剤38.0秒(コカイン41.4秒)、リドカイン33.0秒(コカイン41.0秒)でした。また持続時間は、本剤13.6秒(コカイン12.6秒)、リドカイン12.4秒(コカイン13.0秒)でした。
安全性に関しては動物実験で確認されています。
・循環器系に対する作用(ウサギ)
心臓に対しては少量で興奮、大量投与で抑制(不整脈、収縮力減弱)が見られました。
・腸管に対する作用(ウサギ)
腸管に関しては常に抑制で興奮はありませんでした。
これらの薬理作用を確認するため、臨床試験が行われました。
(表面麻酔)
・眼科領域
本剤0.5%を含む水溶液を点眼し、表面麻酔効果を確認しました。
効果両行または疼痛なし:197例/201例
・耳鼻科領域
耳鼻科領域(慢性副鼻腔炎、慢性扁桃炎等)手術例24例に本剤0.5%液を0.5~10mL使用した結果、麻酔持続時間は15~55分でした。
(浸潤麻酔、伝達麻酔)
本剤単独(108例)と脊椎麻酔不良のため本剤の局所麻酔を施行した(7例)の計115例の検証
最大使用量:290mL(100mL以上使用:10例)
麻酔発現時間はほどんどの症例(88例)で注射直後に作用が発現し、、浸潤麻酔で2分を超えた症例はありませんでした。 |
使用方法 |
年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質等により下記用量を適宜増減します。
(伝達麻酔:基準最高用量 1回30mg)
0.1%注射液にアドレナリンを添加したものを使用して、2~20mg使用します。
(浸潤麻酔:基準最高用量 1回50mg)
0.05~0.25%注射液にアドレナリンを添加したものを使用して、5~50mgを使用します。
(表面麻酔)
0.3~0.5%にアドレナリンを添加したものを使用して、30mgの範囲内で使用します。眼科領域の麻酔には0.3~0.5%として、1~3滴点眼します。
(歯科領域麻酔)
0.25%注射液にアドレナリンを添加したものを使用します。
伝達麻酔 2.5~6.25mg、浸潤麻酔 1.25~5mg使用します。 |
副作用 |
重大な副作用
ショック:血圧降下、顔面蒼白、脈拍の異常、呼吸抑制等があらわれた場合は、直ちに投与を中止し、適切な処置を行います。
中枢神経:振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあります。直ちに投与を中止し、適切な処置(ジアゼパム又はチオペンタールナトリウム等の長短時間作用型バルビツール酸製剤等の投与等)を行います。
【その他の副作用】
精神神経系:眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、悪心・嘔吐等
過敏症:蕁麻疹、浮腫等
※本剤は副作用発現頻度が明確となる調査を実施していません。
※本剤はまれにショック様症状をおこすことがあります。本剤を使用する際には、常時、直ちに救急処置のとれる準備が望ましいとされています。副作用発生を完全に防止する方法はありませんが、できるだけ避けるために下記にご留意ください。
・全身状態の観察を十分に行ってください。
・できるだけ薄い濃度のものを使用してください。
・できるだけ必要最小量にとどめてください。
(伝達麻酔、浸潤麻酔)
・必要に応じて、血管収縮剤の併用を考慮してください。]
・頭部、顔面、扁桃等の血管の多い部位に注射する場合には、吸収が早いのでできるだけ少ない量で使用してください。
・注射針が血管に入っていないことを確認してください。
・注射の速度はできるだけ遅くしてください。
(表面麻酔)
・気道内表面麻酔の場合には、吸収が早いのでできるだけ少ない量で使用してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤又は安息香酸エステル系局所麻酔剤(コカインを除く)に対し過敏症のある方(過去に罹患した方を含む) ※本剤は添加物を使用していません。
■以下の方に使用する場合は、血管収縮剤を添加しないでください。
・血管収縮剤に対して過敏症ある方(過去に罹患した方を含む)
・高血圧、動脈硬化、心不全、甲状腺機能亢進、糖尿病、血管痙攣等のある方:これらの症状が悪化するおそれがあります。
・耳、指、陰茎の麻酔(浸潤麻酔、伝達麻酔用のみ):壊死状態になるおそれがあります。
使用に注意が必要な方 ・高齢者:一般に生理機能が低下しているため、状態を観察しながら慎重にしようします。また、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)の作用に対する感受性が高いことがあります。
・妊婦又は妊娠している可能性のある方:治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用します。
・小児等:安全性が確立していません。
(血管拡張剤を添加して使用する場合)
・ハロゲン含有吸入麻薬剤(ハロタン等)使用中の方:不整脈が発現しやすいとされています。
・三環系抗うつ薬を使用中の方:心血管作用の増強がみられることがあります。
上記にあてはまる方は、パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩(テーカイン 添付文書、インタビューフォーム) 【PMDA 医療用医薬品 情報検索】
パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル塩酸塩(歯痛剤新今治水 添付文書) 【PMDA 医療用医薬品 情報検索】
テーカイン原末 販売中止のご案内 【ヴィアトリス製品-お知らせ文書】 |
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