成分名 |
dl-イソプレナリン塩酸塩 |
適応症状 |
内耳障害に基づくめまい |
簡易説明 |
イソプレナリン塩酸塩は用量の違い、作用の違いによって医薬品によって薬効が異なります。イソメニールカプセルはdl-イソプレナリン塩酸塩が7.5mg含有しておりますが抗眩暈薬として作用し、プロタノールS錠は15mg含有しておりますが心機能・組織循環促進剤として作用します。またアスプール液(0.5%)では吸入用気管支拡張剤として作用します。今回はイソメニールカプセル7.5mgの内耳障害に基づくめまいについて紐解いてきます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:7.5mg約10円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1975年12月9日製造販売承認(旧販売名;イソメニール)
2007年8月16日製造販売承認(販売名変更による)
1976年6月10日薬価基準収載(旧販売名;イソメニール)
2007年12月21日薬価基準収載(販売名変更による)
1976年8月1日発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
イソメニールカプセル錠7.5mg【製薬メーカー:科研製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
dl-イソプレナリン塩酸塩は内耳障害に基づくめまいに対して効果のある医薬品になります。抗眩暈剤と呼ばれ同効薬にはジフェニドール塩酸塩やベタヒスチンメシル酸塩等が挙げられます。
その作用機序は、β受容体に作用し、細胞内のアデニル酸シクラーゼを活性化する事により細胞内のATPをcAMPに変換し、これを介して種々の薬理作用(脳・末梢血管の拡張、心送血量の増加及びヒスタミン遊離抑制等)を発揮する事によって、これにより眩暈を改善します。
詳しい薬理作用としては①脳循環改善作用と②内耳液代謝改善作用が挙げられます。前者では動物実験において脳血管拡張作用と心送血量増加作用によって、脳循環改善作用を示したとの報告がございます。また人においては患側の椎骨動脈血流量を選択的に増加させ、左右さを改善したとの報告がございます。また後者においては動物実験において内耳血流改善作用とNa,Kポンプの亢進作用によって、病的となった内耳液の産生・吸収機構を正常化したとの報告がございます。これらの作用から内耳生涯に基づくめまいに対する効果が期待できます。
臨床成績においてもメニエール病を始めとする各種めまいを対象とした試験において、眩暈発作、眩暈感、耳鳴り、足踏み検査(閉眼)等の自・他覚所見の改善が認められております。 |
使用方法 |
通常1回1~2カプセルを1日3回経口投与する事とされております。なお、患者の年齢や症状にお酔って適宜増減する事が可能です。 |
副作用 |
重大な副作用
1)重篤な血清カリウム値の低下(頻度不明)が報告されております。
β2-刺激剤による血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体並びにステロイド剤及び利尿剤の併用により増強する事がある為、重症喘息患者においては特に注意が必要です。さらに、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強する事がります。
その他の副作用
過敏症、循環器、消化器、精神神経系、その他の副作用が挙げられます。
発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
発疹(0.1~5%未満)
2)循環器
心悸亢進(頻脈)(0.1~5%未満)
3)消化器
胃部不快感、嘔気、嘔吐、食欲不振、口渇、胸やけ、下痢(0.1~5%未満)
腹痛、胃痛、口内炎(0.1%未満)
4)精神神経系
頭痛、頭重感、眠気、手足の震え、ふらふら感(0.1~5%未満)
5)その他
息切れ(0.1~5%未満)
ぼてり、顔面浮腫(0.1%未満)
最も件数の多い副作用は心悸亢進でした。頻度不明ではあるものの重大な副作用にあげられている重篤な血清カリウム値の低下等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)重症の冠動脈疾患の患者
dl-イソプレナリン塩酸塩は冠ん血管を拡張するが、心仕事量が増大する事により、心酸素消費量が増大し重症の冠動脈疾患を悪化する場合がある為使用できません。
2)頭部および頭部外傷直後の患者
頭部及び頭部外傷直後の眩暈は、一般の眩暈と異なります。頭部及び頭部外傷直後は筋緊張が亢進する場合が多く、このような場合β受容体刺激剤dl-イソプレナリン塩酸塩を投与するとその異常は強化され、症状が悪化する場合がある為使用できません。
3)カテコールアミン製剤(アドレナリン等)、エフェドリン、メチルエフェドリンを投与中の患者
使用に注意が必要な方 1)甲状腺機能亢進症の患者
2)糖尿病の患者
3)高血圧症の患者
4)心疾患のある患者
いづれの場合においてもdl-イソプレナリン塩酸塩を使用する事で症状の悪化を来す恐れがある為使用には注意が必要です。
5)高齢者
一般に高齢者では生理機能が低下している為、減量するなど使用に注意が必要です。
6)妊婦、産婦、授乳婦等
上記にあてはまる方は、dl-イソプレナリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 dl-イソプレナリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)β2-刺激剤(サルブタモール等)
アドレナリン作動性神経刺激の増大が起こることが考えられており、その結果不整脈、場合によっては心停止を起こす恐れがある為使用には注意が必要です。
2)キサンチン誘導体(テオフィリン、アミノフィリン水和物、ジプロフィリン等)、ステロイド剤(ベタメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム等)、利尿剤(フロセミド等)
キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下を増強する事が考えられる。またステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある為、血清カリウム値の低下が増強する事が考えらえれる。その結果低カリウム血症による不整脈を起こす恐れがある為使用には注意が必要です。
3)強心配糖体(ジゴキシン等)
併用する事によって不整脈が起こる恐れがある為使用には注意が必要です。
過度に使用を続けた場合においても同様で、不整脈、場合によっては心停止を起こす恐れがある為、使用が過度にならないよう注意する事との報告がございます。他のイソプロテレノール製剤においても同様に注意が必要になります。
上記を使用している方は、dl-イソプレナリン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 dl-イソプレナリン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 1)カテコールアミン製剤(アドレナリン等、ボスミン)、エフェドリン、メチルエフェドリン
アドレナリン作動性神経刺激の増大が起こることが考えられており、その結果不整脈、場合によっては心停止を起こす恐れがある為使用できません。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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