アセチルフェネトライド

成分名

アセチルフェネトライド

適応症状

1)てんかんのけいれん発作への適応があります。
その中でも特に①強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)、②焦点発作(ジャクソン型発作を含む)への適応が認められております。
2)精神運動発作への適応があります。
3)自律神経発作への適応があります。

簡易説明

アセチルフェネトライドは、ヒダントイン系の化合物が開環した型に相当するウレイド系の化合物の研究から開発された抗てんかん剤になります。
てんかん治療のガイドラインとして初回の発作では、原則として抗てんかん薬の治療は開始しないこととされております。但し、孤発発作でも、①神経学的異常、②脳波の異常、③てんかんの家族歴が陽性、④高齢者のいずれかが認められる症例においては再発率が高いため治療を開始する事とされております。通常単剤且つ少量から開始し、発作が抑制されるまで漸増させていくのが基本とされております。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/脳神経外科/脳神経内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~6,000円
薬代1錠あたりの目安:200mg約20円/末1g約60円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

▽けいれん重積型(2相性)急性脳炎、海馬硬化を伴う内側側頭葉てんかん、ミオクロニー欠神てんかん、ミオクロニー脱力発作を伴うてんかん、遊走性焦点発作を伴う乳児てんかん、片側痙攣・片麻痺・てんかん症候群、徐波睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳症、進行性ミオクローヌスてんかんは指定難病であり、自己負担分の治療費の一部または全部が国または自治体により賄われることがあります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

当初下記の通りの販売名による医療用医薬品として承認を得た上で販売しておりました。
①【クランポール】
1962年4月6日製造販売承認
1963年1月薬価基準収載
1962年10月販売開始

①【クランポール錠】
1962年4月6日製造販売承認
1963年1月薬価基準収載
1962年11月販売開始

名称の類似により取り違えが多発した為、医療事故防止の観点からその対策の一環として以下の通り販売名を変更する事で、あらためて代替新規承認を得ることができました。

②【クランポール末】
2002年3月6日製造販売承認(代替新規承認)
2002年7月5日薬価基準収載
2002年10月販売開始

②【クランポール錠200mg】
2007年9月10日製造販売承認(代替新規承認)
2007年12月21日薬価基準収載
2008年2月販売開始

国内のジェネリック認可

なし

関連製品(先発薬)

クランポール末/錠200mg:【製薬メーカー:住友ファーマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

なし

効果・作用

アセチルフェネトライドはてんかんのけいれん発作、その中でも強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)や焦点発作(ジャクソン型発作を含む)に効果が認められております。また、精神運動発作や自律神経発作にも効果を示します。

【作用部位】
主として中枢に作用すると考えられるが、その詳細については明らかにされておりません。
【作用機序】
明確な機序は不明とされております。

【てんかんについて】
てんかんは、様々な病因によって起こる慢性脳障害であり、大脳ニューロンの過剰な反応の結果生じる、通常およそ5分以内に収まる反復性の発作を主な症状としております。
発作自体は短時間で収まりますが、脳の機能が障害される為、意識低下や体部位のけいれん、または筋緊張の低下、異常感覚を起こします。

【てんかんの原因について】
てんかんの原因は様々(遺伝的な素因や大脳における奇形、変性疾患、頭部外傷、脳血管障害、感染症など)で臨床症状、脳波所見は一様ではありません。特に二次的な反応性におけるてんかん発作を起こす基礎疾患や、病態の識別診断は重要とされております。
一般的に、全般発作は先天性・遺伝性であることが多く、部分発作は基質的な異常(脳腫瘍・血管腫・外傷多し)が原因であることが多いとされております。
70~80%のてんかんの患者さんは何らかの薬物で寛解に至りますが、残る20~30%は難治に経過するとの事でした。

【てんかんの診断について】
てんかんの診断は、発作が起きた時の状況、病歴と身体の所見のみでおよそ80%以上の診断が可能とされております。しかし脳波検査や心電図などが必要となる場合もございます。

【てんかん発作が起きたときの対処法について】
熱性けいれんを含めて、てんかん発作が起きたときに近くにいる人がとるべき行動は、深く深呼吸をしたのち、落ち着いてそのままじっとして様子を見ていることです。もちろん、危険な場所で転倒した場合は安全な場所へ移動させたり、辺りに危険物がある場合はそれを取り除いたりする必要はあります。
入浴中などのように水中で痙攣が起きた場合は、呼吸の確保の為水面より顔を出すようにします。無理をして体を湯船から出す必要はありません。
食事中にてんかんが起きた時は、食事がのどに詰まってしまうと思うかもしれませんが、嚥下する力が弱い人以外はほとんどそういう事故は起こりません。てんかん発作中に無理に口の中から食物を出そうとしなくても構いません。
発作自体は通常およそ数分程度で収まりますが、下記のような場合は救急車を呼びましょう。
1)てんかんの発作が10分以上続く場合
2)てんかんの発作が回復しないうちに次の発作が続いて起こる場合、または呼吸困難がみられる場合
3)朦朧状態が続く、又は完全な意識の回復が見られない場合
4)妊娠中か、又は他の疾患がある場合
5)ケガや病気の兆候のある方
6)今までに発作を起こしたことがないような場合

使用方法

アセチルフェネトライドとして、通常成人1日0.3~0.4g、小児0.1~0.2gを、1日3回毎食後に分割投与より始め、十分な効果が得られるまで1日0.1gずつ漸増し、有効投与量を決め、これを維持量とします。
維持量は通常次の通りになります。
成人  0.6~1.2g
学童  0.4~0.6g
幼児  0.3~0.4g
乳児  0.2g
なお、年齢、症状により適宜増減する事とされております。

副作用

重大な副作用
1)再生不良性貧血(頻度不明)

その他の副作用
1)過敏症
猩紅熱様・麻疹様・中毒疹様発疹(頻度不明)
2)血液
白血球減少(頻度不明)
3)肝臓
黄疸等の肝障害(頻度不明)
4)腎臓
腎障害(頻度不明)
5)精神神経系
眠気、不眠、構音障害、集中力・注意力・反射運動能力等の低下、もうろう感、運動失調、眩暈、神経過敏、不安、頭痛、焦燥感、倦怠感(頻度不明)
6)消化器
食欲不振、悪心(頻度不明)
7)骨・歯
くる病、骨軟化症、歯牙の形成不全(頻度不明)
8)その他
流涎、熱感(頻度不明)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
本剤の成分又はフェニル尿素系化合物に対し過敏症の患者
■アセチルフェネトライドを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方クランポール末/錠200mgは、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼クランポール末/錠200mgの有効成分
アセチルフェネトライド
▼代表薬の添加物
・トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム

使用に注意が必要な方
1)妊婦
動物実験で催奇形性(開眼症)が報告されております。妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与するようにして下さい。
2)授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討するようにして下さい。
3)小児等
4)高齢者
生理機能(肝機能、腎機能)が低下していることが多い為、少量から投与を開始するなど用量に留意してください。

上記にあてはまる方は、アセチルフェネトライドを使用する事が出来ない可能性があります。
アセチルフェネトライドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
アセタゾラミド:本剤によるビタミンDの分解促進、アセタゾラミドによる代謝性アシドーシス、腎尿細管障害の影響から、くる病、骨軟化症が現れやすいとの報告がございます。

上記を使用している方は、アセチルフェネトライドを使用する事が出来ない可能性があります。
アセチルフェネトライドを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
なし

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
クランポール末はどんな味がするのか?

クランポール末はわずかに特異なニオイがあり、味はわずかに苦いです。

食後とあるが食事の影響は受けるのか?

食事の影響はありません。飲み忘れたときは気づいた時点で直ちに服用ください。但し次の服用時点が近い場合は1回分とばして次回分より再開するようにして下さい。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。