成分名 |
ジメンヒドリナート |
適応症状 |
動揺病言い換えると乗り物酔いに対して、またメニエール症候群や放射線宿暈と言った疾患や状態に起こる悪心・嘔吐・眩暈に適応症を持ちます。また手術後の悪心・嘔吐に対しても適応症があります。
「放射線宿酔」とは放射線治療時に起こる悪心・嘔吐などを指します。全身あるいは身体の広い範囲に比較的短時間に高い線量の電離放射線を被爆した場合に吐き気や嘔吐、下痢などの胃腸症状や全身倦怠感が見られます。 |
簡易説明 |
ジメンヒドリナートは鎮暈・鎮吐剤と呼ばれる医薬品で、いわゆる悪心・嘔吐、眩暈に対し効果を示します。同効薬にはジフェニドール塩酸塩、ベタヒスチンメシル酸塩などがあり眩暈に対して効果を示します。ジフェンヒドラミンサリチル酸塩においては動揺病及びメニエール症候群における悪心・嘔吐・眩暈に対して効果がありジメンヒドリナートとほぼ適応が類似しております。乗り物酔いにおける悪心・嘔吐などに対して予防的使用が可能なのはジメンヒドリナートであり、同じ抗ヒスタミン薬でありながら緑内障や前立腺肥大症の患者に対して禁忌ではないため使いやすい医薬品になります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:50mg約10円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
平成21年6月26日製造・輸入承認
平成21年9月25日薬価基準収載
平成21年9月25日発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ドラマミン錠50mg【製薬メーカー:株式会社陽進堂】 |
関連製品(ジェネリック) |
ジメンヒドリナート【製薬メーカー:Thailand】 |
効果・作用 |
ジメンヒドリナートは動揺病、メニエール症候群、放射線宿酔の疾患又は状態に伴う悪心・嘔吐・眩暈に対し効果のある医薬品です。また手術後の悪心・嘔吐にも効果を示します。
ジメンヒドリナートは、テオクル酸ジフェンヒドラミンの一般名で、専ら乗り物酔い防止薬に配合される抗ヒスタミン成分になります。副作用として眠気を催しますが寝てしまう事で乗り物酔いを回避する事が期待できます。
その作用機序は、ヒトの迷路機能亢進を抑制するほか、制吐作用にも優れ、アポモルヒネ嘔吐を著名に抑制します。薬理作用としては内耳迷路、嘔吐中枢に抑制的に作用します。
眩暈に伴う悪心・嘔吐は動揺病と同じメカニズムで発症すると考えられております。動揺病いわゆる乗り物酔いは脳圧の増大、内耳迷路への刺激によって嘔吐反射がおこります。この鎮吐薬として抗ヒスタミン薬であるジメンヒドリナート、ドパミンD2受容体抑制薬であるスルピリド、ドンペリドン、抗コリン作用薬のスコポラミンなどがあげられます。
悪心が持続する事で、食欲減退・栄養障害に陥る場合、嘔吐が続いて低カリウム血症・アルカローシス・脱水を起こすことがあり、命の危険もある事から一刻も早く嘔吐を抑えなければなりません。同時に対処療法だけではなく原因療法を行うことも大切です。 |
使用方法 |
通常成人においては1回50mgを1日3~4回経口投与する事とされております。
乗り物酔い等のようにあらかじめ症状が出る可能性が分かっている場合には悪心・嘔吐等の予防のために使用する事が認められております。
予防のために使用する場合には乗り物に乗る30分~1時間前に1回50mg~100mgをあらかじめ経口投与しておきます。
但し原則として1日20mgを超えて使用しない事とされております。
なお、年齢及び患者の症状によっては適宜増減する事が可能です。 |
副作用 |
精神神経系、過敏症、消化器、その他の副作用が挙げられます。
発生頻度は以下の通りです。
1)精神神経系
眠気、頭痛、手足のしびれ、手指の振戦、めまい、眼の霞、ふらふら感、不眠、知覚異常等(頻度不明)
2)過敏症
発疹、光線過敏症等(頻度不明)
3)消化器
胸やけ、胃痛等(0.1~5%未満)
4)その他
口渇、疲労感(頻度不明)
特に過敏症については速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。またそれ以外においても普段と異なる症状が自覚された場合は主治医に相談するようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)モノアミン酸化酵素阻害剤を使用中の患者
併用する事により本剤の抗コリン作用が持続・増強されることがある為使用できません。
2)ジフェニルメタン系薬剤(ジメンヒドリナート、塩酸メクリジン等)に対し過敏症の患者
本剤と同一系列の化学構造を有するジフェニルメタン系薬剤に対し過敏症の患者への投与は補内投与によっても過敏症が起こることがある為使用できません。
使用に注意が必要な方 1)小児、てんかん、甲状腺機能亢進症又は急性腎炎のある患者
構造成分であるテオフィリン系薬剤の副作用が現れやすい為使用には注意が必要です。
2)麻酔施工前の患者
抗ヒスタミン剤は中枢抑制作用を有する麻酔剤(バルビツレート、チオペンタール系等)の作用を増強します。したがって、麻酔施工前の患者に投与する事で麻酔の覚醒を遅延させる恐れがある為使用には注意が必要です。
上記にあてはまる方は、ジメンヒドリナートを使用する事が出来ない可能性があります。 ジメンヒドリナートを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体、麻酔剤等)、アルコール
抗ヒスタミン薬は全ての中枢神経抑制剤の鎮静作用を増強します。また、同様にアルコールや中枢神経抑制剤は抗ヒスタミン薬の中枢抑制作用を増強します。その結果相互に作用を増強する事から併用には注意が必要です。
2)第8脳神経障害を起こす恐れのあるアミノ糖系抗生物質(例えばカナマイシンやストレプトマイシン等)
アミノ糖系抗生物質の耳障害症状を不顕性化する事による、つまりこれらの薬剤による難聴を不可逆状態にすることがある為併用には注意が必要です。
抗ヒスタミン薬であるジメンヒドリナートは抗コリン作用を有していますが、他の抗ヒスタミン薬例えばジフェンヒドラミン等のように緑内障や前立腺肥大症の患者に対しての禁忌はありません。その為比較的使い勝手のより医薬品と言えます。
上記を使用している方は、ジメンヒドリナートを使用する事が出来ない可能性があります。 ジメンヒドリナートを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 1)モノアミン酸化酵素阻害剤
モノアミン酸化酵素阻害剤が本剤の代謝速度を遅らせる為、抗コリン作用が持続・増強される為併用できません。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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