成分名 |
グラチラマー酢酸塩 |
適応症状 |
多発性硬化症の再発予防として使用されます。
日本では進行性の多発性硬化症に対する試験は行っておらず、海外で試験を行った際には有効性が認められなかったことから、進行性の多発性硬化症に対しては本剤の有効性は認められておりません。 |
簡易説明 |
グラチラマー酢酸塩はイスラエルで開発された、多発性硬化症の薬剤です。多発性硬化症は再発と寛解を繰り返しながら進行していく疾患ですが、本剤は再発を抑制する効果が認められています。現在日本では武田薬品工業が販売権を持っておりますが、世界ではすでに50か国以上で販売をされています。1日1回の投与で治療が可能な薬剤であり、専用の注入器を使用して皮下投与します。 |
処方可能な診療科目 |
神経内科/脳神経内科/総合内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
薬代1筒あたりの目安:20mg約5603円
1か月約50000円~
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる場合がございます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2015年11月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
コパキソン皮下注20mgシリンジ【製薬メーカー:武田薬品工業】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
最初1996年にアメリカとイスラエルで承認されました。
その後、カナダやオーストラリア、イギリスなどで続々と販売され、世界50か国以上で販売されています。 |
効果・作用 |
グラチラマー酢酸塩は、L-グルタミン酸、L-アラニン、L- チロシン、 L- リシンの4種類のアミノ酸からつくられている、多発性硬化症治療薬です。体内に入り、MHC分子に結合すると、制御性T細胞、Th2細胞へと分化が誘導され、炎症に関連する T細胞への分化が阻害されます。誘導されたT細胞は中枢神経系において、抗炎症性サイトカインや脳に由来する神経栄養因子を分泌することがわかっています。つまり、有効成分であるグラチラマー酢酸塩がT細胞の活性化を阻害します。
再発寛解型多発性硬化症患者239名を対象として海外第3相試験を実施しています。1日1回20mgもしくはプラセボを36週間皮下投与したところ、主要評価項目として設定したT1Gd増強病巣数の推定値の差は−10.84個であり有意な減少が示されました。
主要な評価ではありませんが、ITT 解析対象集団での二重盲検期において再発回数は本剤1日 20mg投与群ではプラセボ群と比較して33%少ないことが認められました。
再発寛解型多発性硬化症患者251名を対象として海外第3相試験を実施しています。1日1回20mgもしくはプラセボを最長35ヵ月間皮下投与したところ、主要評価項目として設定した再発回数の差は−0.63回となり有意差が示されています。よって本剤はプラセボに比べて再発回数を抑制することが認められました。
また、本剤を1日40㎎投与した群と1日20㎎を投与した群で有効性を検討した結果、40㎎を投与しても有効性が高くなることはなかったことから、1日1回20㎎という用量が設定されています。 |
使用方法 |
20mgを1日1回皮下に投与します。
本剤は自己投与が可能な薬剤です。
本剤を使用した後30分は患者の状態に変化がないか慎重に観察をしてください。 |
副作用 |
主な副作用
主に、不安、振戦、悪心や嘔吐、血管拡張や動機や頻脈、発疹や注射部位反応、疼痛などがあらわれます。
最も多いものは、注射部位反応でその内訳は紅斑が59.9%、疼痛が53.2%、腫瘤が35.7%、そう痒感が35.3%です。
注射部位反応は、注射した部位の周辺に症状があらわれるのみで全身に広がることはないとされています。ステロイドと併用するとリスクが上昇することが分かっております。ステロイドとの併用を避けることと、同一部位への投与間隔をあけることでリスクは軽減するとされています。
なお、項目別の発現頻度は以下の通りです。
精神神経系・・不安/振戦(5%以上)、失神/神経過敏(5%未満)、痙攣(頻度不明)
消化器・・悪心/嘔吐(5%以上)
循環器・・血管拡張/動悸/頻脈(5%以上)
呼吸器・・呼吸困難(5%未満)
感染症・・腟カンジダ症(5%以上)、単純ヘルペス (5%未満)
皮膚・・発疹/多汗症(5%以上)、皮膚良性新生物(5%未満)
眼・・眼の障害(5%以上)
投与部位・・注射部位反応(紅斑/疼痛/腫瘤/そう痒感/浮腫/炎症/過敏症)/局所反応(5%以上)、萎縮(5%未満)
その他・・リンパ節症/疼痛/胸痛/顔面浮腫(5%以上)、悪寒/体重増加/浮腫(5%未満)、白血球数異常/肝酵素上昇(頻度不明)
重大な副作用
<注射直後反応>
41.3%の確率で発現し、本剤を投与してすぐ(数分以内に)、血管拡張、胸痛、呼吸困難、動悸又は頻脈などの注射直後反応がみられることがあります。一過性であることがわかっておりますが、重症化することもありますので、慎重に投与をしてください。
<注射部位壊死>
頻度不明ですが、重度の場合皮膚移植や壊死した組織の切除が必要となる場合があります。もし症状があらわれた場合は、治癒するまで投与を中止してください。
<過敏性反応>
アナフィラキシーなどの重篤な事象や、呼吸困難、気管支痙攣、発疹、じん麻疹もしくは失神などが起こる場合があります。
<肝機能障害>
AST、ALTの上昇などをともなう症状があらわれることがあります。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■グラチラマー酢酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼グラチラマー酢酸塩の有効成分
グラチラマー酢酸塩
▼代表薬の添加物
D-マンニトール
・以前、グラチラマー酢酸塩を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
使用に注意が必要な方 ・心機能障害のある方は、注射直販脳として、胸痛などの症状があらわれることがありますので注意をしてください。
・妊婦又は妊娠している可能性のある女性もしくは授乳婦
・小児を対象とした臨床試験を実施していないため注意をしてください。
・高齢者は一般的に生理機能が低下しているため、状態を見ながら慎重に投与をしてください。
上記にあてはまる方は、グラチラマー酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 グラチラマー酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 <副腎皮質ホルモン>
併用すると注射部位反応の発現するリスクが上昇したと報告があるため、注意をしてください。
上記を使用している方は、グラチラマー酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 グラチラマー酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
グラチラマー酢酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
グラチラマー酢酸塩 添付文書 |
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