イトプリド塩酸塩

成分名

イトプリド塩酸塩

適応症状

慢性胃炎における消化器症状(腹部膨満感、上腹部痛、食欲不振、胸やけ、悪心、嘔吐)

簡易説明

胃腸の働きをよくする薬剤です。吐き気や食欲不振、胸やけなどに用いられます。
よく処方される胃腸薬です。薬理学的に「ドパミン拮抗薬」の部類になります。薬効分類的には「消化管運動促進薬」または「消化管運動賦活薬」あるいは「胃腸機能調整薬」「胃腸機能改善薬」などに分類されます。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科/胃腸科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安 :約1,000円~3,000円
薬代先発薬1錠あたりの目安:50mg11.4円(50mg1錠)
薬代後発薬1錠の目安:6.5円(50mg1錠)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1995年9月

国内のジェネリック認可

国内ジェネリック認可あり

関連製品(先発薬)

ガナトン錠50mg【製薬メーカー:ヴィアトリス製薬】

関連製品(ジェネリック)

イトプリド塩酸塩錠50mg「NP」「NS」「PH」「TCK」「TYK」「YD」「サワイ」「トーワ」「日医工」「CH」

効果・作用

弱った胃腸の運動を活発にして、食べ物を胃から腸へ送り出すのを助けます。そうすることで、吐き気や嘔吐、食欲不振や膨満感、胸やけなどの症状を改善します。慢性胃炎をはじめ、器質的な病変のない機能性ディスペプシアの治療に広く用いられています。
胃腸の運動は、アセチルコリンという神経伝達物質の働きにより活発になります。イトプリド塩酸塩は、胃や十二指腸に存在するドパミン(D2)受容体を遮断することにより、アセチルコリンの遊離を促進します。さらに、アセチルコリンエステラーゼという酵素を阻害することで、遊離したアセチルコリンの分解をおさえその作用を強めます。
旧来の同類薬に比べ、手のふるえ、生理不順、乳汁分泌など副作用が少ないです。
「抗ドパミン薬」の部類の「消化管運動改善薬」に分類されます。

■抗ドパミン薬(消化管運動改善薬)
プリンペラン
ガナトン
ナウゼリン

■開発の経緯
ガナトン錠50mgは、1987年にマイランEPD合同会社で創製されたイトプリド塩酸塩を主成分とする消化管運動賦活剤です。
マイランEPD合同会社では、消化管運動賦活作用と制吐作用を有する副作用の少ない薬剤の開発を目的として、一連のベンズアミド誘導体のなかで構造展開を行いました。その結果、ドパミンD2受容体拮抗作用とアセチルコリンエステラーゼ阻害作用との協力による消化管運動賦活作用を示し、加えて制吐作用も有するが、ドパミンD2受容体拮抗作用に基づく錐体外路症状やプロラクチン分泌亢進による乳汁分泌や女性化乳房などの副作用の少ないイトプリド塩酸塩を開発するに至りました。

使用方法

通常、成人にはイトプリド塩酸塩として1日150mgを3回に分けて食前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。

副作用

主な副作用
プロラクチン上昇/血小板減少/白血球減少/下痢/便秘/腹痛/唾液増加/頭痛/イライラ感/睡眠障害/めまい

重大な副作用
ショック/アナフィラキシー/血圧低下/呼吸困難/喉頭浮腫/蕁麻疹/蒼白/発汗/肝機能障害/黄疸/AST上昇

その他の副作用
胸背部痛/疲労感/ALT上昇/γ-GTP上昇/過敏症/発疹/発赤/そう痒感/錐体外路症状/振戦/女性化乳房/嘔気/Al-P上昇/BUN上昇/クレアチニン上昇

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
・妊婦・産婦
■イトプリド塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方イトプリド塩酸塩(ガナトン錠50mgの場合)は、アレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。
▼ガナトン錠50mgの有効成分
1錠中 イトプリド塩酸塩 50mg
▼代表薬の添加物
乳糖水和物/トウモロコシデンプン/カルメロース/軽質無水ケイ酸/ステアリン酸マグネシウム/ヒプロメロース/マクロゴール6000/酸化チタン/カルナウバロウ

使用に注意が必要な方
・授乳婦
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・幼児・小児
・高齢者

上記にあてはまる方は、イトプリド塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
イトプリド塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
▼抗コリン剤
・チキジウム臭化物
・ブチルスコポラミン臭化物
・チメピジウム臭化物水和物等

上記を使用している方は、イトプリド塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
イトプリド塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

イトプリド塩酸塩に関する
よくある質問
ガナトン錠の市販薬はありますか?

「イラクナ」は、胃の運動機能低下の治療に使用される医療用成分“イトプリド塩酸塩”を日本で初めてスイッチOTC化した製品であり、胃腸薬市場で新しい成分がスイッチOTC化されるのは実に12年ぶりのことです。

ニュースリリース

【上記引用元:小林製薬】

ガナトンは食後に飲まない方がいいですか?

制吐剤であり、また、消化管の蠕動運動を亢進させて食後胃内の食物が長く滞留しないように腹部の不快感を改善するため、食前(食事30分前)投与がより効果的である。

空腹時の服薬意義

【上記引用元:医療トピックス】

参考元一覧

イトプリド塩酸塩 【厚生労働省】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。