成分名 |
グラニセトロン塩酸塩 |
適応症状 |
シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤を用いて治療をする際、または放射線を用いて治療をする際に伴う悪心、嘔吐等の消化器症状に対して適応が認められています。 |
簡易説明 |
グラニセトロン塩酸塩の内服薬及び注射薬として発売されているカイトリル(販売名)は5-HT3受容体拮抗型制吐剤と呼ばれる吐き気止めになります。抗悪性腫瘍剤投与時、もしくは造血幹細胞移植前処置時の放射線全身照射時には副作用として悪心、嘔吐などの消化器症状が出る事が多いです。この消化器症状は5-HT3受容体が関与しておりこの受容体を選択的に拮抗する事により消化器症状を抑える事ができます。吐き気が酷くなければ内服薬でも問題ありませんが吐き気が酷いときは注射剤での対応が最も適しています。今回は内服薬である錠剤をメインに解説していきます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科等 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
■病院で処方してもらう時の費用目安
診察料などの目安 :約10,000円~
薬代1錠あたりの目安:1mg約394円/2mg約804円(薬価)
※病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
高額療養費制度の対象になるため患者の年齢、所得水準によっても異なってきます。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
グラニセトロン塩酸塩製剤であるカイトリル錠1mgは、1995年6月30日に製造販売が承認され、8月25日に薬価基準収載。そして同日1995年8月25日に発売された。
また同じくグラニセトロン塩酸塩製剤であるカイトリル錠2㎎では、1997年12月18日に製造販売が承認され、翌年1998年6月19日に薬価基準収載。そして同日1998年6月19に発売された。
更にグラニセトロン塩酸塩製剤であるカイトリル細粒0.4%は、1995年6月30日に製造販売が承認され、8月25日に薬価基準収載。そして同日1995年8月25日に発売された。しかし名称変更に伴い2006年1月30日には再度製造販売承認を取得し、2006年6月9日に再度薬価基準が収載される。 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
カイトリル錠1mg/2mg/細粒0.4%【製薬メーカー:太陽ファルマ株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
グラニセトロン内服ゼリー1mg/2mg「ケミファ」【製薬メーカー:日医工株式会社】 |
海外での使用実績 |
2016年2月現在、カイトリル錠は世界約70カ国で承認されている。 |
効果・作用 |
カイトリルはシスプラチン等の抗悪性腫瘍剤を投与した場合、または放射線を照射した場合に起きる悪心、嘔吐などの消化器症状に対して効果のある薬になります。
その作用機序は、シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤を投与した場合、又は放射線を照射した場合に、小腸の粘膜に存在しているる内分泌細胞の一種である腸クロム親和性細胞と呼ばれる細胞からセロトニンが放出されます。放出されたセロトニンは、小腸粘膜内における求心性腹部迷走神経と呼ばれる神経の末端に存在している5-HT3受容体に結合する事で、その刺激が直接もしくは化学受容器引金帯を介して嘔吐中枢に伝達する事により、悪心や嘔吐が発現すると言われています。
カイトリルは、シスプラチン等の抗悪性腫瘍剤や、放射線等の刺激によって腸クロム親和性細胞から放出されたセロトニンが5-HT3受容体と結合する反応を選択的に拮抗阻害します。その結果としてセロトニンは5-HT3受容体に結合する事ができなくなり悪心、嘔吐の症状を抑えます。
また、カイトリルは、セロトニン放出のポジティブ・フィードバックを担う腸クロム親和性細胞上における5-HT3受容体を阻害する事により、セロトニン放出を抑制すると言う新たな作用を有する事も解明されつつあります。
カイトリルをシスプラチン等の抗悪性腫瘍剤の投与で発生する消化器症状に対して使用する場合には、強い悪心・嘔吐が生じるとされているシスプラチン等の抗悪性腫瘍剤投与に限り使用する事とされています。
また、放射線を照射した場合に発生するとされる消化器症状に対しても同様で、強い悪心・嘔吐が生じると言われている全身照射や上腹部照射等に限り使用する事とされています。 |
使用方法 |
通常、成人に投与する場合には、グラニセトロン塩酸塩として1回量2mgを初期量として1日1回投与する事とされております。但し、患者の年齢、及び現在の症状によってはグラニセトロン塩酸塩の投与量を適宜増減して調整した上で投与する事ができます。 |
副作用 |
重大な副作用
1)ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
アナフィラキシーでは瘙痒感、発赤、胸部苦悶感、呼吸困難、血圧低下等の報告があります。
その他の副作用
過敏症、精神神経系、消化器、肝臓、その他の副作用が挙げられます。
発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
発疹(頻度不明)
2)精神神経系
頭痛(1%未満)
3)消化器
便秘(1%未満)
4)肝臓
AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等の肝機能検査値異常(頻度不明)
5)その他
発熱(頻度不明)
頻度不明の副作用が多いですがショック、アナフィラキシーなどのよに異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■グラニセトロン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、カイトリル錠1mg/2mg/細粒0.4%はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼カイトリル錠1mg/2mg/細粒0.4%の有効成分
グラニセトロン塩酸塩
▼代表薬の添加物
・ヒプロメロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、乳糖水和物、酸化チタン、マクロゴール400、ポリソルベート80、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、アスパルテーム(Lーフェニルアラニン化合物)、乳糖水和物
使用に注意が必要な方 1)合併症・既往歴等のある患者
①フェニルケトン尿症の患者
細粒剤はアルパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)を含有する。
②消化管通貨障害の症状のある患者
本剤の投与により消化管運動の低下があらわれる事がある。
2)妊婦
3)授乳婦
4)小児等
5)高齢者
上記にあてはまる方は、グラニセトロン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 グラニセトロン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 1)セロトニン作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤、MAO阻害剤等
セロトニン作用が増強する為、セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)があらわれる恐れがある為併用には注意が必要です。
上記を使用している方は、グラニセトロン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 グラニセトロン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬は報告されていません
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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参考元一覧 |
インタビューホーム 【太陽ファルマ株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
製品情報概要 【太陽ファルマホームページ】 |
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