成分名 |
ナルデメジントシル酸塩 |
適応症状 |
オピオイド誘発性便秘症 など |
簡易説明 |
「ナルデメジントシル酸塩」は、消化管などの末梢のオピオイド受容体へ拮抗作用をあらわし、主にモルヒネなどのオピオイド鎮痛薬による便秘(オピオイド誘発性便秘症)を改善する薬で、オピオイド誘発性便秘症の治療に用いられます。
日本では、塩野義製薬がスインプロイクの商品名で販売しています。
モルヒネに代表されるオピオイド鎮痛薬は、がん痛や慢性疼痛に対し、一般的な鎮痛薬が効かないときに用いられて、強力な鎮痛作用をもつ半面、副作用として頑固な便秘を起こします。
「ナルデメジントシル酸塩」は、腸管末梢のμオピオイド受容体への結合を阻害し、結果的にオピオイド薬による腸運動抑制作用がおさえられ便秘が改善します。
「ナルデメジントシル酸塩」は、血液脳関門の透過性が低く脳内に入りにくいことから、脳のμオピオイド受容体を介する鎮痛作用にほとんど影響しません。
このような作用機序から末梢性μオピオイド受容体拮抗薬と呼ばれています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/消化器科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
スインプロイク錠0.2mg 277.1円/錠(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2017年6月認可 |
国内のジェネリック認可 |
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関連製品(先発薬) |
スインプロイク錠0.2mg 【製薬メーカー:塩野義製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
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効果・作用 |
「ナルデメジントシル酸塩」は、消化管などの末梢のオピオイド受容体へ拮抗作用をあらわし、主にモルヒネなどのオピオイド鎮痛薬による便秘(オピオイド誘発性便秘症)を改善する薬です。
オピオイドとは一般的に体内のオピオイド受容体への作用によりモルヒネの様な作用をあらわす物質の総称で、オピオイド受容体にはμ(ミュー)、δ(デルタ)、κ(カッパ)という種類があります。
モルヒネ、フェンタニル、オキシコドンなどのオピオイド鎮痛薬は主に中等度から高度の疼痛緩和に使用され、特にがんなどの悪性腫瘍による疼痛緩和においては中心的な役割を果たしています。
オピオイド鎮痛薬は主に中枢(脳や脊髄)のμ受容体へ作用することで高い鎮痛効果をあらわす一方で、消化管などの末梢にあるオピオイド受容体に対して少なからず作用することで、消化管運動や消化管神経活動の抑制、腸液分泌の減少などが引き起こされ、便秘、膨満感、腹痛などの症状があらわれる場合があります。
「ナルデメジントシル酸塩」は、主に末梢にあるμ受容体へ拮抗作用をあらわすことで、モルヒネなどのオピオイドによる便秘(オピオイド誘発性便秘症)などを改善する効果をあらわします。
「ナルデメジントシル酸塩」は、白色~微褐白色の粉末で、ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくく、アセトニトリルに極めて溶けにくいです。
「ナルデメジントシル酸塩」は、オピオイド受容体に対して拮抗作用をあらわしますが、通常の用量においては末梢のオピオイド受容体への作用が主であることから、中枢神経系を介するオピオイド鎮痛薬の鎮痛作用そのものに影響する可能性は低いという特徴を持ちます。 |
使用方法 |
▼用法用量
・成人にはナルデメジンとして1回0.2mgを1日1回経口投与します。
▼用法及び用量に関連する注意
・オピオイドの投与を中止する場合は、本剤の投与も中止してください。
▼重要な基本的注意
・海外で類薬の投与により、消化管穿孔を来し死亡に至ったとの報告があります。激しい又は持続する腹痛等、消化管穿孔が疑われる症状が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
・オピオイド離脱症候群(一般的には、投与後数分あるいは数日以内に起こる次の症状の複合的な発現:不安、悪心、嘔吐、筋肉痛、流涙、鼻漏、散瞳、立毛、発汗、下痢、あくび、発熱、不眠)を起こすおそれがあります。観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行ってください。 |
副作用 |
重大な副作用
▼重度の下痢(0.7%)
脱水症状まで至ることがあります。異常が認められた場合には補液等の適切な処置を行ってください。
その他の副作用
・下痢
・腹痛、嘔吐、悪心、食欲減退
・ALT増加、AST増加
・倦怠感
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
■消化管閉塞若しくはその疑いのある患者、又は消化管閉塞の既往歴を有し再発のおそれの高い患者
消化管閉塞若しくはその疑いのある患者、又は消化管閉塞の既往歴を有し再発のおそれの高い患者は、消化管穿孔を起こすおそれがあります。投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■消化管壁の脆弱性が認められる又は疑われる疾患を有する患者
消化管潰瘍、憩室疾患、浸潤性消化管がん、がんの腹膜転移、クローン病などの患者では、消化管穿孔の危険性が高まるおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■血液脳関門が機能していない又は機能不全が疑われる患者
脳腫瘍(転移性を含む)などの患者では、オピオイド離脱症候群又はオピオイドの鎮痛作用の減弱を起こすおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。動物試験において、ウサギで流産及び早産、胎児体重の低値、ラットで分娩中の母動物の死亡、出生率及び出生児生存率の低下、並びに発育遅延が報告されています。また、ラットで胎児への移行が認められていますが、いずれの動物種でも催奇形性は認められていません。
■授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮して、授乳の継続又は中止を検討してください。ラットで乳汁中への移行が報告されています。
■小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
■高齢者
高齢者は一般に生理機能が低下していることから、患者の状態を観察しながら慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、ナルデメジントシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ナルデメジントシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・CYP3A阻害剤
イトラコナゾール
フルコナゾール等
・CYP3A誘導剤
リファンピシン等
・P-糖蛋白阻害剤
シクロスポリン等
上記を使用している方は、ナルデメジントシル酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ナルデメジントシル酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 報告なし
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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