リファキシミン

成分名

リファキシミン

適応症状

肝性脳症における高アンモニア血症の改善

簡易説明

適応外にて高アンモニア血症に対してカナマイシンやポリミキシンBなどが使用されてきたが、本剤は難吸収性リファマイシン系抗菌薬である。吸収されにくいことにより、消化管のアンモニア産生菌に対して効果を発揮し、血中アンモニアを低下させる。
国内臨床試験では、投与開始から約2週間で血中アンモニアを低下、肝性脳症症状の改善がみられたとの報告がある。

処方可能な診療科目

消化器内科など

健康保険の適応

健康保険の適応あり

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,500円~10,000円
リフキシマ錠200mg 204.40円/錠
病院によって差が有り、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
別途薬局で調剤してもらうのも費用がかかる。
薬価は上記参照 2022年4月1日時点

厚生労働省による認可、または発売年月日

リフキシマ錠200mg 販売開始 2016年11月

国内のジェネリック認可

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関連製品(先発薬)

リフキシマ錠200mg

関連製品(ジェネリック)

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効果・作用

肝性脳症における高アンモニア血症の治療薬。リファキシミンの抗菌作用の機序は、大腸菌におけるウリジンの取り込みを阻害したことから、リファンピシンと同様に RNA合成阻害によることが確認されている。
食事などから摂取したタンパク質が腸内細菌により、分解されアンモニアを生じる。本来であれば肝臓にてアンモニアは代謝されるので血中アンモニア濃度が上昇しないが、肝硬変などの肝機能障害によりアンモニアの代謝が不十分だと血中のアンモニア濃度が上昇し、精神神経症状を呈する。
本剤は、難吸収性のリファマイシン系抗菌薬である。通常、内服薬であれば消化管で吸収され、門脈を通り肝臓を経由して全身循環することにより薬効を示す。しかし、本剤は難吸収性という特性を持っており、消化管からの吸収されにくい。つまり、その分消化管に留まることができる。そのため、消化管に留まり、アンモニアを産生する腸内細菌に対して作用を発揮することができる。本剤が発売されるまでは、カナマイシンやポリミキシンBなどの医薬品が適応外使用されてきたが、本剤は、肝性脳症における高アンモニア血症の改善を効能。効果として日本で初めて承認された医薬品である。

抗菌活性
リファキシミンは、好気性グラム陽性菌、通性嫌気性グラム陰性菌などに対し抗菌活性を示した。

肝臓はヒトにとってとても重要な役割を担っている。肝臓では、食事からの栄養素などの代謝などが行われている。肝硬変や肝炎などによって肝機能障害が生じると栄養バランスが崩れたり、薬の代謝が障害され副作用が生じる可能性があったり、肝性脳症を発症したりする。
肝硬変はウイルス性肝炎やアルコール性肝障害の状態が長く続き発症する。アルコール由来の肝障害でも肝硬変を発症する危険があるため、日々のアルコール摂取量にも気をつける必要がある。

また、肝硬変ではアミノ酸の比率も崩れてしまう。分岐鎖アミノ酸(BCAA)と芳香族アミノ酸(AAA)の比率(フィーシャー比)がAAAが多くなってしまう。BCAAは、筋肉で代謝されてアンモニアを解毒する作用と肝臓のエネルギーになりやすいという特徴がある。つまり、肝硬変の患者ではBCAAを補うことも重要であると考えられる。

使用方法

通常、リファキシミンとして1回400mgを1日3回 食後に経口投与する。

注意点として尿がオレンジから赤っぽく色づくことがあることを説明しておく。これは、本剤の色が原因で尿が色づくことがある。

副作用

主な副作用
偽膜性大腸炎/発疹、湿疹/便秘/下痢/悪心/腹痛/上腹部痛/腹部不快感/痔出血/ALP上昇/高ビリルビン血症/めまい/味覚異常/頭蓋内動脈瘤 など

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
▼本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

使用に注意が必要な方
▼重度の肝機能障害患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、 AUCが増大することがある。
▼妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギによる動物実験において、胎盤通過性及び胎児の骨格異常が認められているため。
▼授乳婦
ラットによる動物実験で乳汁中に移行することが報告されているため。治療上の有益性が上回ると判断された場合のみ投与すること。授乳の中止が可能であれば内服期間は授乳を中止することで内服することも可能である。
▼小児等
小児を対象とした臨床試験を行なっていないため

上記にあてはまる方は、リファキシミンを使用する事が出来ない可能性があります。
リファキシミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
▼シクロスポリン
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の効果が増強する可能性があるため。
シクロスポリンのP-糖タンパク、 CYP3A4、有機アニオン輸送ポリペプ チド阻害 作用により、本剤の血中濃度が上昇する。

▼エチニルエストラジオール
エチニルエストラジオー ルの血中濃度を低下させる可能性があるため。
本剤のCYP3A4誘導作 用により、エチニルエストラジオールの代謝を促進し、血中濃度を低下させると考えられる。

上記を使用している方は、リファキシミンを使用する事が出来ない可能性があります。
リファキシミンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
報告なし

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
難吸収性抗菌薬は肝性脳症を改善しますか?

難吸収性抗菌薬の投与は、初発・再発に関わらず肝性脳症の症状を改善する。血中のアンモニア濃度などのパラメーターが改善されることがわかっている。合成二糖類などと同等以上の効果が期待できるとされている。また、副作用の面でもリファキシミンの方が有利であるとされている。

飲み忘れてしまった場合はどうすればいいですか?

本剤は、基本的に1日3回であるため毎食後の指示になると思われます。食後の指示の場合は、食事の後30分以内に薬を飲んで下さい。もし、薬を飲むのを忘れてしまった場合は、気づいた時に飲んで下さい。次に薬を飲む時間が近い場合は、忘れてしまった分は飲まないで次の服用タイミングから忘れず飲んでください。その際に指示された量の倍の量を内服することは絶対にしないで下さい。本剤だけに関わらず、指示された倍の量を内服することは、副作用の可能性や過量投与の可能性もあるため用量はきちんと守って下さい。

製品名の由来はなんですか?

Rifaximin(一般名)に由来し、Intestinal flora-Modulating Agent(腸内細菌叢を調整する薬剤) をイメージして命名したとされています。:RifaximinのRifx、IntestinalのI、ModulatingのM、AgentのA、とそれぞれアルファベットを抜粋したとされています。

どれくらいの期間飲み続けないといけませんか?

腸内細菌により、有毒なアンモニアが発生し脳などに影響を与えます。本来であれば肝臓でアンモニアは無毒されるため、影響はありませんが、肝硬変などの肝機能障害による正常に肝臓が機能しない場合、症状を呈することがあります。本剤は、腸内の細菌に対して作用し、アンモニアを産生する細菌を減らします。それにより、アンモニアの産生が低下し、高アンモニア血症を改善させることが目的で使用されます。つまり、どれくらいの期間飲み続けなければいけないかの判断はできません。医師による検査や症状を診て、飲み切って終了になるのか、継続するのかの判断がされます。そのため、指示された期間に自己判断にて飲んだり、飲まなかったりすると、医師による正しい評価をすることができなくなってしまいます。決められた期間はしっかり、飲み続けて下さい。ただし、飲み続けるのが難しいような副作用が生じたりした場合は、ただちに医療期間にて、医師に相談してください。

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