カルメロースナトリウム

成分名

カルメロースナトリウム

適応症状

便秘症

簡易説明

カルメロースナトリウムは腸管内の水分を吸収することで膨張します。
膨張したカルメロースナトリウムは、ゼラチン様の塊となり、腸管壁を物理的に刺激することによって、大腸のぜんどう運動を促進し排便を促進します。
ぜんどう運動とは腸内にある内容物を先へ押し出していく運動のことを指します。
腸管の収縮と弛緩を繰り返すことで便を移動させていく働きです。
カルメロースナトリウムは、このぜんどう運動を促進して排便をスムーズにさせる効果が見込める薬剤です。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科など

健康保険の適応

カルメロースナトリウムは原末のため、薬剤の一部添加物です。
カルメロースナトリウム自体に健康保険の適応はありません。

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~3000円程度
新薬1gあたりの目安:1g/7.3円(薬価)
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる

厚生労働省による認可、または発売年月日

薬価基準収載年月:2008年5月
販売開始年月:2008年5月

国内のジェネリック認可

カルメロースナトリウムは原末のため、カルメロースナトリウム自体に国内ジェネリックの認可はありません。

関連製品(先発薬)

カルメロースナトリウム原末「マルイシ」(丸石製薬)

関連製品(ジェネリック)

カルメロースナトリウムは原末になるため、カルメロースナトリウム自体にジェネリック医薬品の該当はありません。

効果・作用

カルメロースナトリウムは、便秘の治療で用いられる成分です。カルメロースナトリウムは、腸管内で水分を吸収します。水分を吸収したカルメロースナトリウムは膨張し、ゼラチン様の固形となって腸管壁を内部から物理的に刺激し、大腸の蠕動運動を促進します。蠕動運動が促進されると、物体を先へ押し出す力が働くため、排便をを促進します。

本来、便通は毎日行われるのが健康状態です。3日前後便通がない場合や便が固く、少量で残便感がある状態を便秘と言います。便秘の症状は、排便が困難になること以外に
、以下のような症状も現れる場合があります。

・腹痛
・食欲不振
・腹部膨張感
・肌荒れ
・肩こりなど

便秘は、腹部の圧迫感だけではなく、肌荒れや重い肩こりなど、全身に症状が現れる可能性があります。

胃や小腸で消化された食べ物は、水分を多く含んだどろっとした液状となり、大腸に入るとゆっくり水分が吸収されていきます。水分が吸収され固形となった消化物は、肛門に送られていきます。便秘の場合、大腸内に固形が何日も放置された状態になるため、水分がさらに吸収され、固く小さくなります。腸内の動きは自律神経の働きで支配されており、過度なストレスなどが原因となり、正常な腸の蠕動運動が起こらず、便が滞り、便秘が発生します。

便秘は、男性より女性に多く見られる症状で、半数以上の女性に見られると言われています。
女性に多い理由は以下の通りです。

・身体的理由
女性は男性に比べると、比較的腹筋の筋力が弱いため、大腸の蠕動運動や便を押し出す力が弱いことが女性に便秘が多く見られる原因の一つです。

・精神的理由
女性は男性と比べ、日々の忙しさや人前での恥ずかしさを感じやすいことから、トイレを我慢することが多いと言われています。また、外出先や旅行などの環境変化によるストレスを受けやすいことも原因と言われています。

・ホルモン作用の関係
女性ホルモンの一部である「黄体ホルモン」が体に水分や塩分を貯めこむように指令を出します。そうすることで、便の水分が吸収され便が固くなります。また、黄体ホルモンは、妊娠をした際に流産しないよう子宮筋の収縮を抑制する働きも持つため、腸の蠕動運動が抑制させることがある。

・過度なダイエット
女性は男性と比べ、ダイエットを行うケースが多く、食事量を減らすダイエットが多く行われる傾向にあります。食事量を減らした場合、食物繊維や脂肪分などの吸収を減らすことになるため、便が固くなることで排便が困難になります。

また、便秘は主に4つの原因に分類されます。

▼弛緩性便秘
弛緩性便秘は、腸管の緊張が緩むことで、蠕動運動が低下することから、大腸内へ便が滞ります。その状態が続くと水分を吸収され続け、固く小さくなることで、便が排出が困難になります。便秘の中でも最も多い原因であり、女性と高齢者に多く見られる症状です。

▼けいれん性便秘
けいれん性便秘は、副交感神経が過度に興奮することによって、腸管が緊張しすぎることから、排便が困難になります。過度なストレスや環境の変化が誘因となります。
過度なストレスや環境の変化が感じやすい女性にとっては強い原因とも言えるでしょう。
▼直腸性便秘
直腸性便秘は、直腸にたどり着いた便に対し、排便反射が起こらないケースを言います。直腸に便が滞ってしまい、排便が困難になります。
排便を我慢する習慣がある方に多く見られる症状です。

▼器質性便秘
腸管癒着や大腸がん、イレウスなどの器質的な原因がある場合に便の通過障害が起こります。嘔吐や激しい腹痛、血便などの症状が現れた場合は必ず病院に罹ってください。

使用方法

成人の場合、1日1.5~6gを、多量の水とともに、3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

主な副作用
カルメロースナトリウムには、副作用が起こる可能性があります。
カルメロースナトリウムを服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。

・吐き気
・嘔吐
・腹部膨満感

重大な副作用
カルメロースナトリウムは重度な副作用に対する発生率が明確となる調査を実施していない。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・急性腹症の患者
→症状を悪化させる可能性があるため。
・重症硬結便の患者
→症状を悪化させる可能性があるため。

使用に注意が必要な方
・過去に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。急性腹症が疑われる、硬結便(便が固い)がある方
・妊婦の方
・授乳中の方
・現在他に薬剤を使用中の方

上記にあてはまる方は、カルメロースナトリウムを使用する事が出来ない可能性があります。
カルメロースナトリウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用禁忌薬
カルメロースナトリウムは原末になるためカルメロースナトリウム自体に併用禁忌薬の該当はありません。

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
妊娠の可能性がある場合に使用はできますか?

妊娠中の方はカルメロースナトリウムの使用をできない場合があります。
必ず医師に相談してください。

高齢の母に処方されました。使用して問題ないのでしょうか?

高齢者に投与する際は腎機能が正常であれば処方される場合もあります。ご心配であれば医師へ相談してください。

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。