成分名 |
沈降炭酸カルシウム |
適応症状 |
保存期及び透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善など |
簡易説明 |
「沈降炭酸カルシウム」は、体内にカルシウムを補充し、骨粗しょう症、高リン血症、消化器症状などを改善する薬で、保存期及び透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善に用いられます。
日本では、マイラン製薬がカルタンの名前で販売しており、また、三和化学研究所が沈降炭酸カルシウムの名前で販売しています。
「沈降炭酸カルシウム」は、消化管内で食物に含まれるリンを吸着し、体内への吸収を阻害することで、血液のリンの濃度が低下して、高リン血症が改善されます。
リンとカルシウムの血清濃度を正常に保つことは、骨の病変を防ぎ、また動脈硬化をおさえて重い心血管系合併症を防ぐことにもつながります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器科/循環器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2,000円~10,000円
カルタン錠250 5.9円/錠(薬価)
カルタン錠500 6.4円/錠(薬価)
カルタン細粒83% 7.5円/g(薬価)
*病院によって差が有ります。初診料・診察料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2002年12月認可 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
カルタン錠250 【製薬メーカー:マイラン製薬】
カルタン錠500 【製薬メーカー:マイラン製薬】
カルタン細粒83% 【製薬メーカー:マイラン製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
沈降炭酸カルシウム錠250mg「武田テバ」【製薬メーカー:武田テバファーマ】
沈降炭酸カルシウム錠500mg「武田テバ」 【製薬メーカー:武田テバファーマ】 |
効果・作用 |
「沈降炭酸カルシウム」は、体内にカルシウムを補充し、骨粗しょう症、高リン血症、消化器症状などを改善する薬です。
腎臓の働きが落ちると、リンの排泄が十分にできないことから、血液中にリンが溜まる「高リン血症」になります。
「高リン血症」の状態が長く続くと、骨がもろくなったり、リン酸カルシウムが血管壁に沈着し動脈硬化を引き起こすなどの影響があらわれます。
「沈降炭酸カルシウム」は、リン吸着薬で、消化管内で食物に含まれるリンを吸着して、体内への吸収を阻害します。
その結果、血液のリンの濃度が低下して、高リン血症が改善されることから、リンとカルシウムの血清濃度を正常に保つことは、骨の病変を防ぎ、また動脈硬化をおさえて重い心血管系合併症を防ぐことにもつながります。
「沈降炭酸カルシウム」は、標準的なリン吸着薬として、古くから用いられており、沈降炭酸カルシウムのもともとの適応症は胃腸疾患に対するものでしたが、それ以上にリン吸着薬として広く応用されています。
「沈降炭酸カルシウム」は、カルシウム分を含むことから、血清カルシウム濃度が低めの人に向いており、効果不十分な場合は、カルシウム非含有製剤(フォスブロック、レナジェル、キックリン、ホスレノール等)との併用治療も行われます。 |
使用方法 |
▼用法用量
・成人には、沈降炭酸カルシウムとして1日3.0gを3回に分割して、食直後、経口投与します。なお、年齢や症状により適宜増減します。
▼用法及び用量に関連する注意
・2週間で効果が認められない場合には、本剤の投与を中止して、リン摂取の制限等、他の適切な治療法に切り替えてください。
▼重要な基本的注意
・血中カルシウム濃度の上昇を来すことがあります。本剤の投与にあたっては、定期的に血中リン及びカルシウム濃度を測定しながら慎重に投与してください。
・血中マグネシウム濃度が上昇するおそれがあります。本剤の投与が長期にわたる場合には、患者の状態を観察しながら必要に応じて、血中マグネシウム濃度を測定してください。 |
副作用 |
次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行ってください。
・アルカローシス等の電解質失調、高カルシウム血症(血中カルシウム濃度として11mg/dL以上)
・腎結石、尿路結石
・便秘
・下痢、悪心、胃酸の反動性分泌等
・そう痒感
・Al-P、γ-GTP、LDH、トリグリセライド、ASTの上昇
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■甲状腺機能低下症の患者
甲状腺機能低下症の患者は、カルシウムの利用が亢進し、症状を増悪するおそれがあります。投与しないでください。
■炭酸カルシウムに対し過敏症の既往歴のある患者
炭酸カルシウムに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないでください。
使用に注意が必要な方 ■合併症・既往歴等のある患者
合併症・既往歴等のある患者には慎重に投与してください。
■心機能障害、肺機能障害のある患者
心機能障害、肺機能障害のある患者は、血中カルシウム濃度の上昇により、心・肺機能をさらに抑制し、症状を増悪させることがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■便秘のある患者
便秘のある患者は、カルシウム及びリンの排泄が阻害されて、血中リン、カルシウム濃度が上昇するおそれがあります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■高カルシウム血症(血中カルシウム濃度として11mg/dL以上)の患者
高カルシウム血症(血中カルシウム濃度として11mg/dL以上)の患者は、血中カルシウム濃度がさらに上昇して、副作用があらわれやすくなります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■無酸症の患者
無酸症の患者は、本剤中の沈降炭酸カルシウムの溶解性が低下して、リンとの結合能が低下するため、効果が期待できない場合があります。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいですが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与してください。
■高齢者
高齢者は、一般に生理機能が低下していることが多いことから、減量するなど慎重に投与してください。
上記にあてはまる方は、沈降炭酸カルシウムを使用する事が出来ない可能性があります。 沈降炭酸カルシウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン塩酸塩
ミノサイクリン塩酸塩等
・ニューキノロン系抗菌剤
ノルフロキサシン
オフロキサシン
レボフロキサシン等
・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
・ポリスチレンスルホン酸カルシウム
・キニジン硫酸塩水和物
・大量の牛乳
・活性型ビタミンD剤
アルファカルシドール
カルシトリオール等
・ロキサデュスタット
上記を使用している方は、沈降炭酸カルシウムを使用する事が出来ない可能性があります。 沈降炭酸カルシウムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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