成分名 |
ラクツロース |
適応症状 |
・高アンモニア血症の精神神経障害、手指振戦、脳波異常の改善
・小児における便秘の改善
・産婦人科術後の排ガス/排便の促進 |
簡易説明 |
ラクツロースは、腸内を酸性にし腸内でのアンモニアの発生や吸収をおさえる働きがあります。
腸内において乳酸菌を増やす作用があり、悪玉菌を減らす効果があります。
婦人科手術後に排ガスや排便を促進します。また、高アンモニア血症に伴う神経症状や手の震えなどの症状の治療にも使用されます。
浸透圧に影響を与え、大腸内の水分を増やす働きがあるため、固くなった便を柔らかくして便通を通りやすくし、大腸内に水分が浸透することによって宿便を落とすこともできます。 |
処方可能な診療科目 |
内科/消化器内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~3,000円
薬代原末1gあたりの目安:6.5円(薬価)
薬代シロップ1mLあたりの目安:5.9円~(薬価)
薬代後発薬ゼリー分1包あたりの目安:10mL44.3円/15mL60.3円(薬価)
薬代後発薬シロップ1mLあたりの目安:4.9円(薬価)
薬代後発薬ゼリー1gあたりの目安:2.6円(薬価)
薬代後発薬ゼリー分包12gあたりの目安:2.6円(薬価)
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:1999年7月【モニラック原末】 |
国内のジェネリック認可 |
国内ジェネリック認可あり |
関連製品(先発薬) |
モニラック・シロップ65%【製薬メーカー:中外製薬】
モニラック原末(ラクツロース散)【製薬メーカー:中外製薬】
ラクツロース・シロップ60%分「コーワ」【製薬メーカー:興和】
ラクツロース・シロップ60%分包10mL/15mL「コーワ」【製薬メーカー:興和】 |
関連製品(ジェネリック) |
ピアーレシロップ65%【製薬メーカー:高田製薬】
リフォロースシロップ65%【製薬メーカー:武田テバ薬品】
ラクツロースシロップ65%「武田テバ」【製薬メーカー:武田テバ薬品】
ラクツロースシロップ65%「タカタ」【製薬メーカー:高田製薬】
カロリールゼリー40.496%【製薬メーカー:佐藤製薬】
ラグノスゼリー分包16.05g【製薬メーカー:三和化学研究所】
ラクツロース経口ゼリー分包16.05g「サトウ」【製薬メーカー:佐藤製薬】
ラグノスNF経口ゼリー分包12g【製薬メーカー:三和化学研究所】 |
効果・作用 |
▼ラクツロースの作用▼
ラクツロースは、体内の「胃酸」や「消化酵素」では分解されない「難消化性オリゴ糖」です。そのためそのまま大腸にいき、ビフィズス菌などのエサになります。 体内でビフィズス菌が増えると腸内環境が整い、便秘改善に効果があります。
また、腸内においてビフィズス菌が増加すると、アンモニアを作る悪玉菌が減り、ビフィズス菌が作る有機酸が腸内で発生したアンモニアを吸収しにくくする効果もあります。
血液中のアンモニアを減らすため「高アンモニア血症」という症状を防ぐことで使用されます。
大腸で腸内微生物叢によって酪酸や酢酸などの短鎖脂肪酸に代謝され、部分的に解離し、大腸の内容物を酸性化します(腸内のH+濃度を増加させる)。これによりNH3から非吸収性のNH4+の形成が促され、大腸でのNH3の捕捉により血漿中のNH3濃度を効果的に低下させます。そのため、ラクツロースは「肝性脳症」の治療に有効とされてます。肝硬変患者における肝性脳症の二次予防として有効でもあります。
▼非消化性の合成糖▼
ガラクトースとフルクトースがβ-1、4-グリコシド結合した二糖で、ラクトースの異性化により生産されます。ラクツロースは、生の牛乳中には含まれないが、加熱で生じます。加熱すればするほど多く生じ、低温殺菌牛乳では3.5 mg/l、容器内殺菌牛乳では744 mg/lになります。
小腸では吸収されず、ヒトの酵素によっても分解されないため、消化過程の大部分を通じて食物塊中にとどまります。浸透圧によって水分を保持し、より柔らかく、より消化管を通過しやすい便が作られます。大腸内で腸内微生物叢によって発酵し、浸透圧と蠕動刺激効果を持つ代謝産物(酢酸塩など)が作られることで二次的な瀉下作用があり、またメタンは鼓腸と関係しています。
▼カルシウム、マグネシウムの吸収促進▼
・カルシウムやマグネシウムと一緒に摂取すると、ミネラルの吸収をサポートいたします。これにより骨強度が上がり、骨粗鬆症を防止する作用もあります。
▼便秘の主症状▼
便秘は、腹痛、直腸残便感、腹部膨満感などがあり、発症経過から「急性便秘」と「慢性便秘」に大別されています。排便回数の減少と排便困難の状態が6カ月以上持続する場合に、「慢性便秘」と診断されます。また、原因や病態により「器質性便秘」と「機能性便秘」等に分類されています。
【器質性便秘】腸の形態的変化(構造異常)を伴う便秘。胃腸の疾患によるものが多い。
【機能性便秘】腸の形態的変化(構造異常)を伴わない便秘。胃腸の機能低下(ストレスや運動不足、食生活)によるものが多い。
※一般的には機能性便秘が多いとされてます。
▼高アンモニア血症の基準値と症状▼
・基準値は15~70μg/dlとなります。成人より小児のほうが高値です。 アンモニアは、激しい運動をしたあとや高蛋白質の食事をとったあとに高値になります。症状としては、嘔吐、哺乳力低下、多呼吸、痙攣、意識障害、行動異常、発達障害などで、時には命にかかわるような重篤な状態になることもあります。
▼高アンモニアレベルの症状▼
・血中アンモニアレベルの上昇の症状は、腎臓または肝臓の機能の低下に関連しています。
以下、血中アンモニアレベルの上昇の一般的な症状です。
・錯乱
・倦怠感
・食欲減少
・嘔吐の有無にかかわらず吐き気
・背中、側面、または腹部の痛み
・脱力感(筋力低下)
▼高アンモニアレベルと脳の損傷▼
・アンモニアは脳に非常に有毒で、急性および慢性肝疾患のある人で上昇し、ライ症候群や特定の代謝障害などの他の障害で脳に影響をあたえます。アンモニアは通常、肝臓で尿素に変換され、尿を通して体外に排出されます。
▼ラクツロースの機能確認法▼
薬の効果が出ているか確認するには、以下の通りとなります。
便秘の場合:通常の排便を開始する必要があります。効果がでるまで24~48時間かかる場合があります。
門脈全身性脳症の場合:1日に2つまたは3つの柔らかい便が必要です。 |
使用方法 |
・成人1日量30~60mLを2~3回に分けて経口投与してください
※症状により適宜増減してください
※下痢が惹起されることがあるので少量より投与を開始して漸増し、1日2~3回の軟便がみられる量を投与してください |
副作用 |
主な副作用
下痢、水様便、腹鳴、鼓腸、腹痛、食欲不振、嘔気
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・妊婦/産婦の方
・ガラクトース血症の方
使用に注意が必要な方 ・高齢者
・糖尿病の方
上記にあてはまる方は、ラクツロースを使用する事が出来ない可能性があります。 ラクツロースを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 αグルコシダーゼ阻害剤(アカルボース)
上記を使用している方は、ラクツロースを使用する事が出来ない可能性があります。 ラクツロースを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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