メサラジン

成分名

メサラジン

適応症状

・潰瘍性大腸炎
・クローン病

簡易説明

腸の炎症を鎮める薬です。潰瘍性大腸炎やクローン病の治療に用いられます。
炎症が起きている細胞から放出される活性酸素を消去してロイコトリエンの合成を抑制することにより、炎症の進展や組織の障害を抑制します。
それにより、腹痛・下痢・下血・血便などの症状が改善します。
従来品と比べて副作用が軽減されており、潰瘍性大腸炎やクローン病の主要薬として、広く処方されるようになっています。

処方可能な診療科目

内科/消化器内科/炎症性腸疾患内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1,000円~3,000円

薬代1錠あたりの目安:250mg34円/400mg50.8円/500mg61.7円/1200mg175円(薬価)
薬代注腸1gあたりの目安:454.5円(薬価)
薬代顆粒1gあたりの目安:121円(薬価)

薬代後発薬1錠あたりの目安:250mg15.8円~/500mg32.6円(薬価)
薬代後発薬顆粒1gあたりの目安:43.2円(薬価)
薬代後発薬注腸1gあたりの目安:425.9円(薬価)
薬代後発薬腸溶錠1錠あたりの目安:400mg23.8円(薬価)
薬代後発薬徐放錠1錠あたりの目安:250mg18円/500mg32.6円(薬価)

病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:1996年【ペンタサ錠250mg】

国内のジェネリック認可

国内のジェネリック認可

関連製品(先発薬)

アサコール錠400mg【製薬メーカー:ゼリア新薬工業】
ペンタサ注腸1g【製薬メーカー:杏林製薬】
ペンタサ錠250mg/500mg【製薬メーカー:杏林製薬】
ペンタサ坐剤1g【製薬メーカー:杏林製薬】
ペンタサ顆粒94%【製薬メーカー:杏林製薬】
メサラジン徐放錠250mg/500mg「トーワ」【製薬メーカー:東和薬品】
リアルダ錠1200mg【製薬メーカー:持田製薬】

関連製品(ジェネリック)

メサラジン顆粒50%「AKP」
メサラジン錠250mg/500mg「AKP/F/ケミファ/サワイ/NP/トーワ/日医工」
メサラジン注腸1g「JG/ケンエー」
メサラジン腸溶錠400mg「ファイザー/サワイ/KN/F/VTRS」
メサラジン徐放錠250mg/500mg「JG/日医工P」

効果・作用

メサラジンは、腸の患部に作用して炎症を抑える効果があります。
炎症が軽くなれば、下痢や腹痛も次第に良くなります。
軽から中程度の症状における寛解導入に用いられることが多いですが、長期の維持療法にも十分に有用です。
製剤によって作用する部位が異なり、ペンタサなどの製剤は小腸と大腸で作用するしますが、アサコールとリアルダは大腸だけで作用します。そのため、クローン病の小腸大腸型にはペンタサを用いる必要があります。
主な作用機序としては、炎症性細胞から放出される活性酸素を消去することによって、炎症の進展と組織の障害を抑制するというものが考えられています。更に、ロイコトリエンの生合成をおさえて、炎症性細胞の組織への浸潤を抑制する作用を併せ持つと考えられています。
潰瘍性大腸炎やクローン病は、腸に炎症が起きる病気です。
慢性に推移し、活動期には下痢や血便、腹痛などが激しくなり、ときに重症化します。
発病する原因は良くわかっていません。
潰瘍性大腸炎は、直腸など大腸の一部または大腸全体の粘膜層に、潰瘍やびらんが発現します。
クローン病では、主に小腸末端や大腸、あるいは肛門に非連続性の病変を生じ、深い潰瘍ができたりします。
従来品のサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)に近い薬ですが、有効成分のメサラジンだけが腸内で溶けるように改良されています。それによって余分な成分を含まず副作用も軽減されていることから、サラゾスルファピリジンの代わりに潰瘍性大腸炎やクローン病の主要薬として広く処方されるようになってきています。

使用方法

■潰瘍性大腸炎
・成人
通常、メサラジンとして1日1500㎎を3回に分けて食後に経口投与します。寛解期には、必要に応じて1日1回の投与とすることができます。なお、年齢・症状により適宜増減しますが、1日2250㎎ を上限とします。ただし、活動期には必要に応じて1日4000㎎ を2回に分けて投与することができます。
・小児
通常、メサラジンとして1日30~60㎎ /㎏を3回に分けて食後に経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減しますが、1日2250㎎ を上限とします。
■クローン病
・成人
通常、メサラジンとして1日1500㎎ ~3000㎎ を3回に分けて食後に経口投与します。なお、年齢、症状により適宜減量して下さい。
・小児
通常、メサラジンとして1日40~60㎎ /㎏ を3回に分けて食後に経口投与します。なお、年齢、症状により適宜増減して下さい。
※使用時の注意事項
・1日4,000㎎ への増量は、再燃寛解型で中等症の潰瘍性大腸炎患者(直腸炎型を除く)に対して行うよう考慮して下さい。
・1日4,000㎎ を、8週間を超えて投与した際の有効性は確立していないため、患者の病態を十分観察し、漫然と1日4,000㎎ の投与を継続しないで下さい。

副作用

重大な副作用
間質性肺疾患(好酸球性肺炎、肺胞炎、肺臓炎、間質性肺炎等)/心筋炎/心膜炎/胸膜炎/間質性腎炎/ネフローゼ症候群/腎機能低下、急性腎不全/再生不良性貧血/汎血球減少/無顆粒球症/血小板減少症/肝炎/肝機能障害/黄疸/膵炎

その他の副作用
発疹/そう痒感/丘疹/紅斑/蕁麻疹/脱毛/下痢/腹痛/血便/下血/アミラーゼ上昇/嘔気/腹部膨満感/食欲不振/便秘/口内炎/粘液便/嘔吐/AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTP・Al-P・ビリルビンの上昇等の肝機能異常/クレアチニン・尿中NAG・尿中ミクログロブリンの上昇・尿蛋白等の腎機能異常/尿着色/白血球減少/好酸球増多/貧血/発熱/頭痛/関節痛/全身倦怠感/浮腫/筋肉痛/CK上昇/ループス様症候群/むくみ/末梢神経障害/めまい/胸部痛/頚部痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・重篤な腎障害のある患者[腎障害が更に悪化するおそれがあります。]
・重篤な肝障害のある患者[肝障害が更に悪化するおそれがあります。]
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[メサラジンにより過敏症状(発熱、腹痛、下痢、好酸球増多等)が発現することがあり、また、潰瘍性大腸炎・クローン病が悪化することがあります。]
・サリチル酸エステル類又はサリチル酸塩類に対する過敏症の既往歴のある患者[交叉アレルギーを発現するおそれがあります。]

慎重投与
・腎機能の低下している患者[排泄が遅延し副作用があらわれるおそれがあります。]
・肝機能の低下している患者[代謝が遅延し副作用があらわれるおそれがあります。]
・サラゾスルファピリジンに対する過敏症のある患者[サラゾスルファピリジンでアレルギー症状がみられた患者に本剤を投与したところ、同様のアレルギー症状が認められました。]
・妊婦・産婦[治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与して下さい。海外において新生児に血液疾患(白血球減少症、血小板減少症、貧血)が起きることが報告されており、妊娠中の投与に関する安全性は確立していません。なお、メサラジンの動物試験では催奇形性は認められていません。]
・授乳婦[避けることが望ましいですが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けて下さい。ヒト母乳中へ移行することが報告されています。また、国内及び海外において乳児に下痢が起きることが報告されています。]
・新生児(低出生体重児を含む)
・乳児
・高齢者

上記にあてはまる方は、メサラジンを使用する事が出来ない可能性があります。
メサラジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・利尿剤/ステロイド剤[臨床検査値(尿量、尿中ナトリウム、カリウム及び塩素イオン)の変動に注意して下さい。]
・アザチオプリン/メルカプトプリン[骨髄抑制があらわれるおそれがあります。]

上記を使用している方は、メサラジンを使用する事が出来ない可能性があります。
メサラジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
潰瘍性大腸炎とクローン病は同じような病気でしょうか。何が違いますか。

潰瘍性大腸炎が主に大腸粘膜に炎症を起こすのに対して、クローン病は口内から肛門まで、消化管全域に炎症を起こす可能性があるとされています。なお、多くの点で両者は似ています。

細長い錠剤の真ん中にくぼみがありますが、これはここで半分に割って飲むためのものでしょうか。

500mgの錠剤では半分に割って250mgとして飲めるようになっているようです。詳しくは薬剤師さんにご確認下さい。

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