ホメピゾール

成分名

ホメピゾール

適応症状

エチレングリコール中毒、メタノール中毒

簡易説明

ホメピゾールは、現代生活に必要不可欠な素材であるエチレングリコールやメタノールによる中毒症状を改善する「中毒用剤」です。エチレングリコール及びメタノールを体内に摂取した場合、肝臓のアルコールデヒドロゲナーゼにより代謝を受け、グリコール酸、シュウ酸、そしてギ酸を生成します。これらが直接の中毒の原因物質となります。ホメピゾールはこの代謝酵素を阻害する事により中毒物質の生成を抑制する事から解毒剤として承認されました。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/小児科/産婦人科/皮膚科/脳神経外科内科/泌尿器科/消化器内科外科/精神科/麻酔科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬代1瓶あたりの目安:1500mg約140,400円す。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

ホメピゾールを主成分にもつ医療用医薬品のホメピゾール点滴静注1.5g「タケダ」は、2014年9月26日に製造販売が承認され、2014年11月25日に薬価基準に収載されました。その後2015年1月27日に発売が開始となりました。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ホメピゾール点滴静注1.5g「タケダ」【製薬メーカー:武田薬品工業株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

ホメピゾール点滴静注1.5g「タケダ」の主成分であるホメピゾールは、エチレングリコール、及びメタノールにおける中毒症状を改善する「中毒用剤」であり、エチレングリコールによる中毒症状、並びにメタノールによる中毒症状に対して効果のある医薬品になります。

【作用機序】
エチレングリコールは毒性が低く水に良く溶け、融点が低い為自動車用不凍液として用いられます。またメタノールは化学品の原料であり、合成繊維や医薬品、高機能プラスチック等現代生活に不可欠な素材です。

これらエチレングリコールやメタノールが体内に摂取された場合、肝臓アルコールデヒドロゲナーゼの作用によって代謝を受け、エチレングリコールはグリコール酸とシュウ酸を、メタノールはギ酸を生成します。代謝を受けて生成された有害物質は、深刻な代謝性アシドーシスを惹起する事によりそれぞれ中毒の直接の原因物質となります。これらの有害な代謝物によって、臓器障害が惹起され、死に至らしめる事が深刻な問題とされています。

医療用医薬品であるホメピゾール点滴静注1.5g「タケダ」を投与すると、その主成分であるホメピゾールは肝臓における酵素のアルコールデヒドロゲナーゼを競合阻害します。
臨床試験よりヒト肝臓アルコールデヒドロゲナーゼに対して他のピラゾール誘導体と同様の酵素阻害作用を有していることが証明されています。
この主成分であるホメピゾールが肝臓における酵素のアルコールデヒドロゲナーゼを阻害する事で、同じくアルコールデヒドロゲナーゼを主要酵素とするメタノールやエチレングリコールは代謝する事ができなくなります。結果としてエチレングリコールやメタノールは代謝されない為、本来アルコールデヒドロゲナーゼによる代謝により生成されるはずのグリコール酸、シュウ酸又はギ酸の有害物質の生成を阻害する事ができます。従ってホメピゾールはエチレングリコールによる中毒もしくはメタノールによる中毒といった各中毒症状を改善する事ができます。

使用方法

通常、ホメピゾールを投与する場合には、初回投与量として体重1kgあたり15mgを、2回目から5回目までの投与量は体重1kgあたり10mgを、そして6回目以降の投与量は体重1kgあたり15mgを、12時間毎に30分以上かけて点滴静注を行います。

血液透析が必要となる場合、開始時、透析中、終了直後、終了後の状況に応じて以下の通り投与します。
【透析の開始直前での投与基準】
)ホメピゾールの投与が
①6時間未満の場合は、投与しません。
②6時間以上経過している時には、投与します。
【透析中における投与基準】
透析を開始した後は、4時間置きに投与を行います。
【透析の終了直後における投与基準】
ホメピゾールの投与が
①1時間未満の場合は、投与しません。
②1時間以上3時間以内の場合は、半量を透析終了直後に投与します。
③3時間以上経過している場合は、投与します。
【透析終了後のける投与基準】
ホメピゾールの投与は直前の投与を基準として12時間毎に投与します。

副作用

重大な副作用
1)アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー症状として呼吸困難、喘鳴、潮紅等の異常が認められることがあります。

その他の副作用
精神神経系、消化器、注射部位、循環器、血液、その他の副作用が報告されております。

発生頻度は以下の通りです。
1)精神神経系
頭痛(5%以上)
痙攣発作、激越、回転性眩暈、傾眠、不安、眼振、異常感(頻度不明)
2)消化器
腹痛、嘔吐、消化不良(頻度不明)
3)注射部位
注射部位反応(灼熱感、疼痛、炎症)(5%以上)
リンパ管炎、静脈炎(頻度不明)
4)循環器
徐脈、頻脈、循環虚脱、低血圧(頻度不明)
5)血液
好酸球増加症、貧血(頻度不明)
6)その他
発熱、発疹、腰痛、しゃっくり、咽頭炎、霧視、AST(GOT)の上昇(頻度不明)

頻度不明の発疹等のように異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
■ホメピゾールを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ホメピゾール点滴静注1.5g「タケダ」はアレルギー反応を起こしてしまう為、投与できません。
▼ホメピゾール点滴静注1.5g「タケダ」の有効成分
ホメピゾール
▼代表薬の添加物
・添加物や保存剤は含まれません。

使用に注意が必要な方
1)高齢者
一般的に高齢者では生理機能が低下している為使用には注意が必要です。
2)妊婦、産婦、授乳婦等
動物実験において、胎盤を通過する事が報告されています。また胚毒性及び催奇形性が認められたとの報告がある為使用には注意が必要です。
3)小児等
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない為使用には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、ホメピゾールを使用する事が出来ない可能性があります。
ホメピゾールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
1)エタノール
ホメピゾールにはアルコールデヒドロゲナーゼを阻害する作用がある事から、本剤の投与によりエタノールの代謝が阻害されます。
また機序は不明となっていますが、併用する事でエタノール及びホメピゾールの体内からの消失が遅くなり、血中濃度が上昇する事がある為併用には注意が必要です。

上記を使用している方は、ホメピゾールを使用する事が出来ない可能性があります。
ホメピゾールを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ホメピゾールに関する
よくある質問
投与を中止する目安はありますか?

①メタノールまたはエチレングリコールが血中に検出されない場合、②エチレングリコール又はメタノールの血中濃度を測定した場合の数値が20mg/dL未満で、血液pHが正常であり、かつ症状が認められない場合、③代謝性アシドーシスが消失し、且つ浸透圧ギャップが正常化した場合には投与を中止してもよいとされています。
医薬品リスク管理計画 【武田薬品工業株式会社ホームページ】

血液透析はどの様な方に対し必要とされますか?

①重篤な代謝性アシドーシスや腎不全等が認められる場合、②メタノールまたはエチレングリコールの血中濃度が50mg/dL以上ある場合には必要に応じて血液透析を実施する事とされています。
医薬品リスク管理計画 【武田薬品工業株式会社ホームページ】

ホメピゾールはエチレングリコール中毒及びメタノール中毒以外にも効果を示しますか?

適応症以外の中毒に対する本剤の有効性及び安全性は確認されていません。
医薬品リスク管理計画 【武田薬品工業株式会社ホームページ】

血液透析をしなくても本剤投与のみで治療は可能ですか?

本剤はエチレングリコール又はメタノール自体の毒性、並びにすでに産生された毒性代謝物による中毒症状を軽減する効果は期待できません。その為ガイドラインに従って必要に応じて血液透析を実施してください。
医薬品リスク管理計画 【武田薬品工業株式会社ホームページ】

参考元一覧

インタビューホーム 【武田薬品工業株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
医薬品リスク管理計画 【武田薬品工業株式会社ホームページ】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。