イプラトロピウム臭化物水和物

成分名

イプラトロピウム臭化物水和物

適応症状

気管支喘息/慢性気管支炎/肺気腫など

簡易説明

イプラトロピウム臭化物水和物はアトロベントエアゾル20μgの主成分であり、迷走神経支配の神経-筋接合部を遮断して気管支が収縮するのを防ぎ、気管支を広げて呼吸を楽にします。専用のアダプターを用いて、通常1回1〜2噴射(イプラトロピウム臭化物として20〜40μg)を1日3〜4回吸入投与します。なお、症状により適宜増減します。
帝人ファーマ株式会社が製造販売元で、ベーリンガーインゲルハイムインターナショナル社が提携販売しています。

処方可能な診療科目

内科/小児科/放射線科/耳鼻咽喉科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

薬剤一瓶あたりの目安:4.20mg10mL約713円
診察料などの目安  :約1,000円~3,000円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月日:2002年11月12日

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

アトロベントエロゾル20μg【製薬メーカー:帝人ファーマ】

関連製品(ジェネリック)

海外製品あり
Berodual【製薬メーカー:Boehringer Ingelheim】

海外での使用実績

・アメリカ
広く一般的に使用されているが、COVID-19のパンデミック時にイプラトロピウム臭化物の投与なども行われた。この患者は慢性閉塞性肺疾患の病歴があり、待機的な手術を受けるために入院していましたが、頻脈を示していたため、手術が延期されていました。

効果・作用

イプラトロピウム臭化物水和物は白色の結晶性の粉末で、水に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、アセトニトリル又は酢酸(100)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けません。本品1.0gを水20mLに溶かした液のpHは5.0〜7.5です。
アトロベントエアゾル20μgの主成分です。
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫に対して、アトロベントエアゾルを専用のアダプターを用いて吸入することによって、気管支平滑筋のアセチルコリン受動態において、迷走神経末端より遊離されるアセチルコリンと結合し、その作用を遮断することによって気管支の収縮を抑制します。慢性気管支炎、肺気腫がある患者に、運動時の呼吸困難の予防に有効だと考えられています。また、重症患者では入浴時などの日常生活に置ける呼吸困難の予防に有効だと考えられています。

アトロベントエアゾルは狭窄状態の気管支に対して拡張作用を示し、その作用発現はβ刺激剤に比べてやや遅いですが、持続時間が長く、心血管系に対する影響は弱いです。なお、ヒトの気道粘液分泌機能及び粘膜線毛クリアランスに対する阻害作用はみられません。

気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫に対して、アトロベント(特定フロン含有製剤)承認時までに実施された国内の128施設における二重盲検試験を含む臨床試験の効果判定症例1,043例における有効率は下記のとおりでした。

気管支喘息:有効率48.4%
慢性気管支炎、肺気腫:有効率30.5%

使用方法

専用のアダプターを用いて、通常、1回1~2噴射(イプラトロピウム臭化物として20~40μg)を1日3~4回吸入投与します。なお、症状により適宜増減します。
必ず指示に従い、専用の器具を用いて、決められた使用量・回数を口から吸入してください。吸入後はできるだけうがいをしてください。絶対に眼に向けて噴射してはいけません。
本容器を初めて使用する場合は2回また、3日間以上使用しなかった場合は1回、容器の底を上にして予備噴射を行ってから吸入してください。
使い忘れた場合は、気がついた時、できるだけ早く1回分を吸入してください。ただし、次に吸入する時間が近い場合は1回飛ばして、次の通常の時間に1回分を吸入してください。2回分を一度に吸入してはいけません。
1容器(10ml)で約200回噴射できます。
アダプターはときどき流水または温湯で洗浄し、十分に乾燥し清潔に保管してください。
また、保管の際は温度が50℃以上のところに置かないことに気を付けてください。

副作用

主な副作用
頭痛、口内乾燥、吐き気、動悸
▼発生率0.1-5%未満
頭痛、吐き気、心悸亢進、 口内乾燥があわられ、0.1%未満に振戦、眩暈、嘔吐、腹痛、便秘、 発疹、そう痒感、口内炎、にがみ、舌のしびれ、舌のあれ、咽頭不快感、咽頭閉塞感、咽頭痛、痰の切れの悪化、気道刺激症状、咳、胸痛

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・本剤の成分またはアトロピン系薬剤に対して過敏症の既往歴のある方
・閉塞隅角緑内障の方(抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがあるため)
・前立腺肥大症の方(排尿障害を起こすおそれがあるため)

使用に注意が必要な方
・以前に薬や食べ物で、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある方。緑内障、前立腺肥大症、アルコールに対して感受性が高い方。
・妊娠または授乳中
・他に薬などを使用している方(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)

上記にあてはまる方は、イプラトロピウム臭化物水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
イプラトロピウム臭化物水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

イプラトロピウム臭化物水和物に関する
よくある質問
慢性閉塞性肺疾患に効果はありますか?

慢性閉塞性肺疾患は喫煙,大気汚染,粉塵や化学物質への暴露などに起因する慢性炎症性の呼吸器疾患です。気道閉塞と肺の動的過膨張により労作時の呼吸困難を引き起こします。その対処方法として、息切れ・呼吸困難感の軽減を目標として最初のステップで服薬します。なお、慢性閉塞性肺疾患は薬剤による急速な症状改善効果が期待できる疾患ではないので、2週間程度の服薬の後、有効性を確認することが必要です。慢性閉塞性肺疾患の場合、喘息とは異なり肺機能レベルで改善をみることは少ないので、あくまで愁訴を有効か否かの判定基準とする必要があります。

外来診療クイックリファレンス

【上記引用元:日系メディカル】

子どもにも投与することができますか?

現在日本では一般的ではありません。しかし、国際的には小児の気管支喘息発作の治療において、イプラトロビウム臭化物吸入は標準的な急性期治療への追加療法として用いられています。2015年から2016年に国内でも イプラトロピウム臭化物吸入の有効性と安全性を検討する研究が行われましたが、安全性を確実に担保できるものではありませんでした。

イプラトロピウム臭化物

【上記引用元:J-STAGE】

サイト利用に関する注意事項

医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。