成分名 |
ピロキシカム |
適応症状 |
関節リウマチ/変形性関節症/腰痛症/肩関節周囲炎/頸肩腕症候群など |
簡易説明 |
ピロキシカムは「非ステロイド性消炎鎮痛剤」に属する薬で、炎症を抑える作用(消炎作用)があります。
炎症が抑えられると熱が下がったり痛みが和らいだりするため、本剤は解熱剤や鎮痛剤として用いられます。
また本剤は非ステロイド性消炎鎮痛剤の中でも「オキシカム系」という種類に属し、解熱や鎮痛作用の強さは「やや強め」になります。
作用時間が長く1日1回の服用で効果が持続するメリットがありますが、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤と比べて胃腸障害や喘息発作の誘発といった副作用が起きやすいデメリットもあるため、使用には注意が必要です。 |
処方可能な診療科目 |
膠原病科/リウマチ科/内科/整形外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
・バキソカプセル20(20mg1カプセル 富士フイルム富山化学):11.7円
・バキソカプセル10(10mg1カプセル 富士フイルム富山化学):7.7円 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1982年8月(発売) |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
・バキソカプセル20(製薬会社:富士フイルム富山化学)
・バキソカプセル10(製薬会社:富士フイルム富山化学) |
関連製品(ジェネリック) |
・ピロキシカムカプセル20mg「ツルハラ」(製薬会社:鶴原製薬)
・ピロキシカムカプセル10mg「ツルハラ」(剤形違い)(製薬会社:鶴原製薬) |
効果・作用 |
〇効果
本剤は消炎鎮痛剤で、炎症を抑える効果があります。
炎症が抑えられると痛みが和らぐ(鎮痛)ため、痛みを来たす疾患の症状緩和に用いられます。
〇作用
ピロキシカムには炎症の原因が何であるかに関わらず、炎症そのものを抑える作用があります。
その作用機序ですが、まず炎症や痛みや発熱を誘発する物質に「プロスタグランジン(PG)」というものがあります。
このプロスタグランジン(PG)は「シクロオキシゲナーゼ(COX)」という物質のはたらきによって生成されるのですが、本剤にはそのシクロオキシゲナーゼ(COX)のはたらきをブロックする機能が備わっています。これにより炎症を抑えることが可能になるのです。
なおシクロオキシゲナーゼ(COX)には、主に生理機能(胃粘液分泌など)に関係するCOX1と、主に炎症に関係するCOX2の2種類があります。
ピロキシカムは「非選択的COX阻害薬」と呼ばれ、COX1とCOX2のいずれにも作用してしまいます。
そのため、効果がやや強いという利点がある一方で、胃腸への負担が大きく、胃腸障害の副作用が多いという欠点もあるのです。 |
使用方法 |
本剤は、他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の治療効果が不十分と考えられる場合に服用します。
通常、成人は主成分として20mg(バキソカプセル20なら1回1カプセル、バキソカプセル10なら1回2カプセル)を1日1回食後に服用しますが、治療を受ける疾患や年齢・症状などによって適宜減量されます。必ず指示された服用方法に従ってください。
飲み忘れた場合は、気付いたときになるべく早く飲んでください。ただし、次の通常飲む時間が近い場合には、忘れた分は飲まずに1回分を飛ばしてください。絶対に、2回分を一度に飲んではいけません。
誤って多く飲んだ場合は医師または薬剤師に相談してください。
医師の指示なしに、自分の判断で飲むのを止めないでください。 |
副作用 |
重大な副作用
消化性潰瘍/ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、潮紅、血管浮腫、呼吸困難等)/中毒性表皮壊死融解症/皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)/再生不良性貧血/骨髄機能抑制/急性腎障害、ネフローゼ症候群/AST上昇・ALT上昇等を伴う肝機能障害/黄疸
その他の副作用
胃部痛・腹部痛/胃部不快感・腹部不快感/胃もたれ、食欲不振/悪心・嘔吐/下痢・軟便/口内炎/便秘/舌炎/胃炎/腹部膨満感/膵炎/貧血/顆粒球減少/血小板減少/紫斑/血小板機能低下/白血球増加/赤血球減少/AST上昇/ALT上昇/Al-P上昇/LDH上昇/BUN上昇/蛋白尿/発疹/そう痒/光線過敏症/湿疹/発赤/蕁麻疹/眠気/めまい/頭痛/耳鳴/手足のしびれ/浮腫/口渇/全身倦怠感/肩こり/発熱/動悸/ほてり/腫脹
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 〇以下の疾患や症状のある方
消化性潰瘍/重篤な血液異常/重篤な肝機能障害/重篤な腎機能障害/重篤な心機能不全/重篤な高血圧症/本剤の成分に対する過敏症の既往歴/アスピリン喘息
〇妊娠後期の方
動物実験(ラット)で周産期投与により分娩遅延が報告されています。
また妊娠後期のラットに投与した実験において、胎仔動脈管収縮も報告されています。
使用に注意が必要な方 〇以下の疾患や症状、既往歴のある方
消化性潰瘍/血液異常/出血傾向/心機能障害/高血圧症/気管支喘息/潰瘍性大腸炎/クローン病/感染症(合併)/腎機能障害/肝機能障害
〇非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍があり、かつ本剤の長期投与が必要であり、さらにミソプロストールによる治療が行われている方
ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としていますが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあります。
〇妊婦(妊娠後期の患者を除く)又は妊娠している可能性のある方
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に服用してください。
服用する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなどしてください。
シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告があります。
〇授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討してください。
母乳中への移行が報告されています。
〇小児等
やむを得ず使用する場合には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に服用してください。小児等を対象とした臨床試験は実施していません。
〇高齢者
副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始し必要最小限の使用にとどめるなど、状態を観察しながら慎重に服用してください。
穿孔を伴う消化性潰瘍、胃腸出血等の副作用があらわれやすいです。
上記にあてはまる方は、ピロキシカムを使用する事が出来ない可能性があります。 ピロキシカムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 【クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)】
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)の作用を増強したとの報告があるので、血液凝固能検査を行うなど注意が必要です。
【選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)】
出血傾向が増強するおそれがあります。
【アスピリン】
低用量アスピリンの血小板凝集抑制作用が減弱するおそれがあります。また、双方又は一方の医薬品の副作用の発現頻度が増加したとの報告があります。
【非ステロイド性消炎鎮痛剤】
消化性潰瘍、胃腸出血の発現が高まるおそれがあります。
【抗血小板薬】
胃腸出血の発現が高まるおそれがあります。
【リチウム製剤炭酸リチウム】リチウムの血中濃度が上昇し、リチウム中毒を呈したとの報告があるので、血中リチウム濃度を測定するなど注意してください。
【メトトレキサート】
メトトレキサートの作用が増強するおそれがあります。併用する場合には観察を十分に行い慎重に服用してください。
【ジゴキシン、ギトキシン】
これらの薬剤の作用が増強するおそれがあります。併用する場合には観察を十分に行い慎重に服用してください。
【チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)】
他の非ステロイド性消炎鎮痛剤とチアジド系利尿剤との併用により、チアジド系利尿剤の作用が減弱したとの報告があります。
【フロセミド】
フロセミドの作用が減弱したとの報告があります。
【カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン等)】
降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現するおそれがあります。
【エプレレノン】
降圧作用の減弱、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症が発現するおそれがあります。
【ACE阻害剤アンジオテンシンⅡ、受容体拮抗剤β遮断薬】
これらの薬剤の降圧作用が減弱するおそれがあります。
【コレスチラミン】
本剤の排泄が促進され、血中濃度半減期が短縮したとの報告があります。
【副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等)】
消化性潰瘍、胃腸出血の発現が高まるおそれがあります。
【シクロスポリン、タクロリムス】
これらの薬剤の腎毒性が高まるおそれがあります。
上記を使用している方は、ピロキシカムを使用する事が出来ない可能性があります。 ピロキシカムを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 【リトナビル(ノービア)】
本剤の血中濃度が大幅に上昇し、重篤な副作用を起こすおそれがあります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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