ヒドロキソコバラミン酢酸塩

成分名

ヒドロキソコバラミン酢酸塩

適応症状

〇本剤に含まれるビタミン類の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、妊産婦、授乳婦等)
〇下記疾患のうち、本剤に含まれるビタミン類の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合
●神経痛 ●筋肉痛・関節痛 ●末梢神経炎、末梢神経麻痺
効果がないのに月余にわたって漫然と使用すべきではないとされております。

簡易説明

ヒドロキソコバラミンとは、ビタミンB12と呼ばれる基本グループの一つに該当しております。ビタミンB12とは基本骨格のなかにコバルトを含むビタミン群の総称になり、ヒドロキソコバラミンの他に知られているものではメチルコバラミンやアデノシルコバラミン、他にスルフィトコバラミンやシアノコバラミンがあります。もともと牛の肝臓から見つけられたビタミンで、微生物以外からは合成されないため、植物性の食品等にはほとんど含まれません。ヒドロキソコバラミンは人の体内において容易に有用なビタミンB12補酵素に変換されます。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/皮膚科/小児科/産婦人科/泌尿器科/精神科/心療内科/耳鼻咽喉科/麻酔科等

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~6,000円
薬代1錠あたりの目安:25mg約10円/50mg約10円
薬代10mL当たりの目安:1管約120円
薬代後発薬1錠の目安:約10円
薬代後発薬1管の目安:約60円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1967年6月22日製造販売承認
1969年1月1日薬価基準収載
1967年7月1日発売

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

ビタノイリンカプセル25【製薬メーカー:武田テバ薬品株式会社】
ビタノイリンカプセル50【製薬メーカー:武田テバ薬品株式会社】
ネオラミン・スリービー液(静注用)10mL【製薬メーカー:日本化薬株式会社】
フレスミンS注射液1000μg1mg【製薬メーカー:エイワイファーマ株式会社】
シアノキット注射用5gセット(溶解液付)【製薬メーカー:メルクバイオファーマ株式会社】
マスブロン注1mg【製薬メーカー:扶桑薬品工業株式会社】

関連製品(ジェネリック)

ビタダン配合錠【製薬メーカー:メディサ新薬株式会社】
ノルニチカミン注10mL【製薬メーカー:日新製薬株式会社】
リメファー3B注射液10mL【製薬メーカー:陶冶枠品株式会社】
ナイロジン注10mL【製薬メーカー:コーアイセイ株式会社】
ジアイナ配合静注液10mL【製薬メーカー:鶴原製薬株式会社】

効果・作用

ヒドロキソコバラミン酢酸塩はビタミンB12欠乏症の予防及び治療に効果のある医薬品です。またビタミンB12の需要が増大し、食事からの摂取が不十分な際の補給(消耗性疾患、甲状腺機能亢進症、妊産婦、授乳婦等)にも用いられます。
栄養性及び妊娠性貧血、胃切除後の貧血、肝障害に伴う貧血、放射線による白血球減少症、神経痛、末梢神経炎、末梢神経麻痺、筋肉痛、関節痛等の疾患のうち、ビタミンB12の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される場合に用いることで効果を発揮します。

【作用機序】
ヒドロキソコバラミンはそのままでは生体内で活性がないことが分かっております。医薬品として投与された場合には、生体内で活性型つまり補酵素型のメチルコバラミン、アデノシルコバラミンに変換されて、薬効を示すと考えられております。
アデノシルコバラミン、メチルコバラミンは活性型であり、そのままの状態で体内において働きます。

ビタミンB12は神経の細胞において、特に核、Nissl物質、原線維を完全に保持する上で必須のビタミンになります。またビタミンB12は欠乏する事によって中枢や末梢の神経において神経細胞の萎縮・変性、髄鞘の膨張を伴う神経線維の腫脹、次いで軸索の破壊、髄鞘の崩壊が起こり神経症状を発症させます。
ヒドロキソコバラミンは、ビタミンB12のうちのシアノコバラミンに比較すると人の体内における貯留性、また持続性、そして補酵素型B12への転換等で、より優れた生物学的特性を示しており、ビタミンB12の欠乏又は代謝障害が関与すると推定される神経・筋疾患に用いられております。

使用方法

【ビタノイリンカプセル25】
通常の場合、成人1日~4カプセルを経口から投与する事とされております。尚、年齢または症状によって適宜増減する事とされております。

【ネオラミン・スリービー液(静注用)】
通常の場合、成人1日1回10mlを緩徐に静脈内注射する事とされております。
なお、年齢または症状によって適宜増減する事とされております。

副作用

主な副作用
【ビタノイリンカプセル25/50】
1)過敏症
発疹、掻痒感(0.1~5%未満)
2)消化器
悪心、嘔吐、胃部不快感、食欲不振、腹部膨満感、胃痛、口渇、下痢(0.1~5%未満)
3)その他
不眠、頻尿(0.1~5%未満)

重大な副作用
【ネオラミン・スリービー液(静注用)】
1)ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状
全身皮膚潮紅、そう痒感、血圧低下、胸内苦悶、呼吸困難、痙攣等が現れることがあるとの報告がございます。

その他の副作用
1)過敏症
発疹(0.1%以上)
掻痒感(0.1%未満)
2)消化器
悪心・嘔吐(0.1%以上)
3)投与部位
局所疼痛(0.1%以上)

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
【ネオラミン・スリービー液(静注用)】

■本剤及びチアミンジスルフィドに対し過敏症の既往歴のある患者においては、アレルギー反応を起こしてしまう為、使用できません。

▼ネオラミン・スリービー液(静注用)の有効成分
・チアミンジスルフィド
・ピリドキシン塩酸塩
・ヒドロキソコバラミン酢酸塩
▼ネオラミン・スリービー液(静注用)の添加物
・pH調節剤
・等張化剤

使用に注意が必要な方
1)妊婦、産婦、授乳婦
妊娠中の投与に関する安全性は確立しておりません。また授乳婦の投与に関する安全性も同様に確立していないため、授乳婦に投与する場合においては授乳を中止させることとされております。
2)小児等
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立しておりません。

上記にあてはまる方は、ヒドロキソコバラミン酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ヒドロキソコバラミン酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
▼レボドパ
(ネオドパストン配合錠L100、メネシット配合錠100、ネオドパストン配合錠L250、メネシット配合錠250、デュオドーパ配合経腸用液100mL等)
〇ピリドキシン塩酸塩がレボドパの脱炭酸化を促進し、脳内作用部位への到達量を減少させてしまうため、レボドパの有効性を減じることがあるとの報告がございます。

上記を使用している方は、ヒドロキソコバラミン酢酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。
ヒドロキソコバラミン酢酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
併用禁忌薬については設定されておりません。

併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
ビタノイリンカプセルを服用後に尿が黄色くなりました。大丈夫か?

本剤に含まれているビタミンB2が吸収され、その一部が尿中に排泄されるためで心配ありません。

1日3回食後に処方されたが、食事の影響を受けるか?

ヒドロキソコバラミン酢酸塩は水溶性ビタミンになりますので特に食事の影響を受けることはありません。

飲み忘れたときはどうしたらよいか?

飲み忘れた場合は、気が付いたときに1回分を飲んでください。但し、次に服用する時間が近い場合は、飲まずに、次に飲む時間から服用するようにして下さい。決して2回分を一度に飲んではいけません。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。