コデインリン酸塩水和物

成分名

コデインリン酸塩水和物

適応症状

・様々な呼吸系の疾患における咳止め、鎮静
・疼痛時における痛み止め
・激しい下痢症状の改善

簡易説明

コデインリン酸塩水和物は、モルヒネ系の痛み止め、咳止め、下痢止め薬に分類されるので、作用としてはモルヒネ(医療用麻薬)に準じますが、適応症状が異なっています。痛み止めとしての効果、咳止めとしての効果はモルヒネ(医療用麻薬)よりも弱く、成分に対する依存形成レベルも軽度で多くの診療科で使用されています。

処方可能な診療科目

内科/呼吸器内科/アレルギー内科/耳鼻咽喉科/消化器内科/外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:5mg約10円
現在ジェネリック医薬品の製造はありません(局方品扱い)。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

発売年月:2007年8月

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

先発品はありません(すべて局方品扱い)

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

コデインリン酸塩水和物は、モルヒネ系の痛み止め、咳止め、下痢止め薬に分類されるので、作用としてはモルヒネ(医療用麻薬)に準じますが、適応症状が異なっています。痛み止めとしての効果、咳止めとしての効果はモルヒネ(医療用麻薬)よりも弱く、成分に対する依存形成レベルも軽度で多くの診療科で使用されていますが基本的には咳止めとして服用することが多いです。モルヒネ(医療用麻薬)よりも効果は弱いですが、連続的な服用により依存症に陥ったり、急な服用中止によって離脱症状が生じるリスクもあるので注意して服用する必要があります。
具体的には、「オピオイド受容体」と呼ばれる作用点の中で、主にμ受容体に作用するので中枢神経および消化器系に対して作用を現します。またδ及びκ受容体に対しても弱いながら効果を発現します。中枢神経系に対しては、麻酔効果、痛み止め、多幸感(幸せを感じる)、咳止めなどの中枢抑制作用と、吐き気、縮瞳、けいれんなどの中枢興奮作用も示すことがわかっています。咳止めの効果は咳中枢の抑制により発現します。末梢作用としては、胃腸系の消化管運動の抑制、胆汁、胃液、膵液などの消化液分泌の抑制を示し、肛門括約筋を引き締めるので、強い下痢止め作用も示します。

使用方法

成人(15歳以上)の場合:コデインリン酸塩水和物として1回20ミリグラム、1日60ミリグラム服用します。年齢や症状によって、医師の判断のもと適宜増量、減量できます。

副作用

重大な副作用
・呼吸抑制:呼吸が弱くなる可能性があります。息切れ、とぎれとぎれの呼吸、呼吸の各種異常などがあらわれた際には、服用を中止するなど医師の判断のもと適切な処置を行ってください。なお、コデインリン酸塩水和物による呼吸抑制には、レバロルファンやナロキソン等が使用できます。
・依存性:連続して服用することによって薬物依存を生じる可能性があります。服用量は医師の指示に従い、慎重に服用してください。また、連続的に服用中において服用量を急に減少させたり、急に服用を中止したりすると「退薬症候」と呼ばれる副作用が起こる可能性があります。具体的には、腹痛、くしゃみ、発汗、不眠、流涙、悪心、下痢、不安、あくび、嘔吐、散瞳、頭痛、せん妄、ふるえ、筋肉痛、関節の痛み、呼吸困難などです。服用を中止する際には、1日服用量を徐々に減量させたり、状態を観察しながら行う必要があります。
・錯乱:錯乱状態があらわれる可能性があります。このような場合には、医師の判断のもと減量または服用の中止を検討するなど適切な処置を行ってください。
・中毒性巨大結腸、麻痺性イレウス
・気管支けいれん、無気肺、喉頭浮腫

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
・重篤な呼吸抑制状態に陥っている方
※呼吸抑制状態が悪化する可能性があります。
・12歳未満の小児
※呼吸抑制状態になりやすく、12歳未満の小児で死亡を含む重大な呼吸抑制のリスクが高まるとのデータがあります(海外データ)。
・扁桃摘除術後またはアデノイド切除術後の鎮痛目的で使用する18歳未満の方
※重大な呼吸抑制の危険性が増加する可能性があります。
・気管支ぜんそく発作が起きている方
※気道の中の分泌がブロックされ発作が悪化する可能性があります。
・重篤な肝機能の障害がある方
※昏睡状態に陥る可能性があります。
・慢性肺疾患による心不全を患っている方
※呼吸抑制の危険性や循環不全の危険性を増強させる可能性があります。
・けいれん状態(破傷風、てんかん重積発作、ストリキニーネ中毒状態)にある方
※脊髄に対する刺激効果があらわれる可能性があります。
・急性アルコール中毒に陥っている方
※呼吸が弱まってしまう可能性があります。
・アヘンアルカロイドに対して過敏症をお持ちの方
・出血性大腸炎を患っている方
※腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌などの重篤な細菌性下痢のある方では、それらの症状悪化、治療期間の延長がおこる可能性があります。

使用に注意が必要な方
・心機能に障害のある方
※循環不全を増強する可能性があります。
・呼吸機能に障害のある方
※呼吸が弱まってしまう可能性があります。
・肝臓、腎臓に機能障害のある方
※コデインリン酸塩水和物の分解、排出が遅れ、副作用があらわれる可能性があります。
・脳に障害がある方
※呼吸抑制や脳内の圧力上昇を起こす可能性があります。
・ショック状態の方
※循環不全や呼吸抑制が増強される可能性があります。
・代謝性アシドーシス状態の方
※呼吸が弱まってしまう可能性があります。
・甲状腺機能が低下している方
※呼吸が弱まったり、昏睡状態に陥ったりする可能性があります。
・副腎皮質機能が低下している方
※通常よりもより呼吸が弱まりやすくなっている可能性があります。
・薬物依存の経験がある患者
※依存性を生じやすく、離脱症状の起こるリスクも高まる可能性があります。
・衰弱している方
※通常よりもより呼吸が弱まりやすくなっている可能性があります。
・前立腺肥大症状による尿道狭窄、排尿障害、尿路手術術後の方
※排尿障害が増悪する可能性があります。
・幽門狭窄状態、麻痺性イレウス、最近消化管手術を行った方
※コデインリン酸塩水和物により消化管の運動が抑制される可能性があります。
・けいれんの経験がある方
※けいれんが誘発される可能性があります。
・胆のうに障害のある方
※胆道にけいれんを起こす可能性があります。
・重篤な腸疾患(炎症性)のある方
※連続的に服用した場合、巨大結腸症と呼ばれる副作用が起こる可能性があります。
・高齢者
※一般的に生理機能が低下しているため、特に呼吸が弱まりやすい。
・妊娠している方
※治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※動物実験(マウス):奇形(化骨遅延)が報告されています。
※分娩前に服用した場合、新生児に副作用(神経過敏、多動、振戦、不眠、呼吸の抑制など)があらわれる可能性があります。
・授乳している方
※乳児でモルヒネ中毒(哺乳困難、傾眠、呼吸困難など)が生じたデータがあります。

上記にあてはまる方は、コデインリン酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
コデインリン酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
・中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、バルビツール酸系薬剤など)、吸入麻酔剤、MAO阻害剤、三環系抗うつ剤、β遮断剤、アルコール
※中枢神経が抑制されることにより呼吸の減弱化、低血圧および著しい鎮静または昏睡が起こる可能性があります。
・クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)
※クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)の作用が増強される可能性があります
・抗コリン作用をもつ薬剤
※抗コリン作用が増強され、麻痺性イレウスに進行する重篤な便秘、尿の貯留が起こる可能性があります。
・ナルメフェン塩酸塩水和物
※μオピオイド受容体拮抗作用により、コデインリン酸塩水和物の作用が競合的に阻害され、効果が減弱する可能性があります。

上記を使用している方は、コデインリン酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。
コデインリン酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

よくある質問
特定の体質では副作用の頻度が高いと聞きましたがどのような体質でしょうか?

「CYP2D6」活性が過剰な方は、コデインリン酸塩水和物が分解された後に生じるモルヒネの血液中の濃度が上昇して副作用が起きやすくなる可能性があります。コデインリン酸塩錠5㎎「シオエ」 【参考元:コデインリン酸塩錠5㎎「シオエ」 添付文書】

痛みが強い時に服用すると聞きましたがどのくらいで効果がでますか?

服用後約1時間15分で血液中のコデインリン酸塩水和物の濃度が最大になります。この時間で効果が出ない場合は用量調節が必要かもしれないので医師に相談してください。コデインリン酸塩錠5㎎「シオエ」 【参考元:コデインリン酸塩錠5㎎「シオエ」 添付文書】

参考元一覧

コデインリン酸塩錠5㎎「シオエ」 【コデインリン酸塩錠5㎎「シオエ」 添付文書】
医薬品マスター検索 【診療報酬情報提供サービス】

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