成分名 |
ナラトリプタン塩酸塩 |
適応症状 |
片頭痛 |
簡易説明 |
ナラトリプタンは片頭痛の治療に用いる薬です。片頭痛の発症メカニズムには5-HT1B/1D受容体が関与しています。5-HT1B/1D受容体は、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質に作用する受容体の一種で、脳内の神経興奮や血管収縮に重要な役割を持っており、ナラトリプタンはこの受容体に特異的に作用することで結果として片頭痛の発作を抑制するとされています。 |
処方可能な診療科目 |
内科/神経内科/脳神経外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~2,000円
薬代1錠あたりの目安:2.5mg約407円
薬代後発薬1錠の目安:2.5mg約232円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月:2008年4月 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
アマージ錠2.5mg【製薬メーカー:グラクソスミスクライン】 |
関連製品(ジェネリック) |
ナラトリプタン錠2.5mg「KO」(寿製薬) |
効果・作用 |
ナラトリプタンは片頭痛の治療に用いる薬です。片頭痛の発症メカニズムには5-HT1B/1D受容体が関与しています。5-HT1B/1D受容体は、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質に作用する受容体の一種で、脳内の神経興奮や血管収縮に重要な役割を持っており、ナラトリプタンはこの受容体に特異的に作用することで結果として片頭痛の発作を抑制するとされています。
片頭痛は、まず脳内の神経細胞が興奮し、神経伝達物質が放出されます。この興奮は緊張やストレス、食品などの様々な要因によって引き起こされ5-HT1B/1D受容体にも影響します。5-HT1B/1D受容体は、脳内に広く分布しており、主に血管平滑筋細胞や神経終末部に発現しています。この受容体が活性化されると、血管平滑筋の収縮や神経興奮が抑制され、脳内の血管拡張や痛みの発生を抑える作用があります。しかしながら片頭痛をお持ちの方では、脳内のセロトニンレベルが低下していて、5-HT1B/1D受容体の機能が低下していると言われています。そのため、ナラトリプタンのような5-HT1B/1D受容体を活性化させる薬は、受容体の活性レベルを増強させることで片頭痛の発作時に脳内に放出される神経伝達物質の放出をコントロールすることで、5-HT1B/1D受容体を刺激し、血管の収縮や神経興奮の抑制を促し、この作用によって、片頭痛発作を速やかに抑制し、痛みや悪寒などの症状を緩和することが期待されます。 |
使用方法 |
・成人(15歳以上)の場合:ナラトリプタンとして1回2.5ミリグラムを片頭痛における頭痛発現時に服用します。なお、服用しても効果が不十分な場合には、追加することができますが、前回の服用から4時間以上はあけてください。また1日の最大服用量は5ミリグラムとなります。 |
副作用 |
重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
・虚血性心疾患などの症状
※心筋梗塞あるいは狭心症が引き起こされる可能性があります。ナラトリプタンを服用後、胸の痛み、胸部の圧迫感などの一過性の症状(ひどい場合はのどにおよぶケースもある)があらわれ、このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、それ以降の服用を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための医療機関を受診して適切な検査を行ってください。
・アナフィラキシーショック、アナフィラキシー
・薬剤の服用しすぎによる頭痛
その他の副作用
・精神神経系:眠気、めまい、ふらつき
・循環器系:末梢性の虚血
・過敏症:じんましん、発疹などの皮膚症状
・消化器系:悪心、嘔吐、虚血性大腸炎
・その他:痛み(頭痛、胸痛、筋肉痛、咽喉頭痛、背部痛、関節痛、頚部痛など)、倦怠感、ダルい感じ、熱感、圧迫感
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・虚血性心疾患またはその症状・兆候のある方、心筋梗塞を患った経験のある方、異型狭心症(冠動脈攣縮)を患っている方
※心筋梗塞、不整脈、狭心症を含む重篤な虚血性心疾患様症状が引き起こされる可能性があります。
・一過性脳虚血性発作や脳血管障害の経験がある方
※一過性脳虚血性発作や脳血管障害が引き起こされる可能性があります。
・ナラトリプタンに対して過敏症の経験のある方
・うまくコントロールできていない高血圧症の方
※一過性の血圧上昇が引き起こされる可能性があります。
・重度の肝機能障害または重度の腎機能障害のある方
・末梢血管障害を治療中の方
※末梢血管障害の症状が悪化する可能性があります。
・エルゴタミン誘導体含有製剤、エルゴタミン、あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬を服用中の方
使用に注意が必要な方 ・虚血性心疾患である可能性の高い方
※例えば、次の例では狭心症、不整脈、心筋梗塞を含む重症な虚血性心疾患様症状が引き起こされる可能性があります。(虚血性心疾患が疑われるようなひどい不整脈をお持ちの方、閉経後の女性、40歳以上の男性、冠動脈疾患の危険因子を持っている方)
・スルホンアミド系薬剤に過敏症の経験のある方
※ナラトリプタンはスルホンアミド基と呼ばれる構造上の特徴をもっているため、皮膚の過敏症、アナフィラキシーなどの交叉過敏症が引き起こされる可能性があります
・脳血管障害の疑いのある方
※脳血管障害が引き起こされる可能性があります。
・てんかんあるいはけいれんを起こしやすい器質的な脳疾患を治療中の方
※てんかん様発作が引き起こされる可能性があります。
・高血圧症の方(コントロール良好なケースでも)
※一過性の血圧上昇、末梢血管抵抗の上昇が引き起こされる可能性があります。
・重度の腎機能障害をお持ちの方、腎機能障害のある患者
※ナラトリプタンは腎臓から排泄されるので、腎機能が落ちていると成分の血液中濃度が上昇するおそれがあります。基本的には服用しないでください。
・重度の肝機能障害のある患者
※ナラトリプタンは肝臓で分解されるので、肝機能が落ちていると成分の血液中濃度が上昇するおそれがあります。基本的には服用しないでください。
・妊娠している方
※妊娠している、または妊娠している可能性のある方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
・授乳している方
※授乳している方は治療上のメリットがデメリットを上回ると医師が判断した場合にのみ服用してください。
※動物実験(ラット):ナラトリプタンの乳汁中への移行が認められています。
・小児
※小児などを対象としている臨床試験が実施されていません。
・高齢者
※高齢者は一般的に薬の分解、排泄などの生理機能が低下しているため、減量するなど注意をしながら服用してください。とくにナラトリプタンは肝臓で分解されるとともに、腎臓から排泄されますが高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが非常に多く注意が必要です。
上記にあてはまる方は、ナラトリプタン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ナラトリプタン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・パロキセチン塩酸塩水和物、フルボキサミンマレイン酸塩、ミルナシプラン塩酸塩、セルトラリン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩
※ナラトリプタンとの併用によってセロトニンの再取り込みが阻害され、セロトニンの血液中濃度が上昇しセロトニン作用が増強する可能性があります。それによってセロトニン症候群(焦燥、不安、興奮、頻脈、反射亢進、発熱、下痢、協調運動障害など)が引き起こされる可能性があります。
上記を使用している方は、ナラトリプタン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ナラトリプタン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン)、エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF)、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(パルタンM)
※上記の成分とナラトリプタンが相互に作用してしまい血管収縮作用を増強させ、血圧上昇または血管けいれんが増強される可能性があります。それぞれの間隔を24時間以上あけて服用してください。
・リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)、ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、スマトリプタンコハク酸塩(イミグラン)、エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)
※上記の成分とナラトリプタンが相互に作用してしまい血管収縮作用を増強させ、血圧上昇または血管けいれんが増強される可能性があります。それぞれの間隔を24時間以上あけて服用してください。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ナラトリプタン塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
アマージ 【アマージ 添付文書】 |
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