成分名 |
モルヒネ硫酸塩水和物 |
適応症状 |
激しい疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛 |
簡易説明 |
モルヒネ硫酸塩水和物は強い鎮痛作用をもっており、激しい疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛薬として使用されています。モルヒネはオピオイド受容体に高い親和性を持っているため、神経系の疼痛調節回路に直接作用し、疼痛を緩和します。また、モルヒネは中枢神経系に存在する脳内鎮痛物質の放出を促進することで、自然な鎮痛作用を引き出すこともできます。 |
処方可能な診療科目 |
腫瘍内科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約2、000円~3、000円
薬代1錠あたりの目安:10mg約245円/30mg約713円/ 60mg約1、288円
薬代後発薬1錠の目安:現在ジェネリック医薬品の製造はありません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1989年1月(MSコンチン錠10mg)/ 1990年7月(MSコンチン錠30mg)/1994年7月(MSコンチン錠60mg) |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
MSコンチン錠10mg/30mg/60mg(シオノギファーマ) |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
モルヒネ硫酸塩水和物は強い鎮痛作用をもっており、激しい疼痛を伴う各種がんにおける鎮痛薬として使用されています。モルヒネはオピオイド受容体という部位に結合し、鎮痛効果を発揮します。オピオイド受容体は、脳や脊髄などの中枢神経系に存在し、疼痛を調節する神経回路に影響を与えています。
がんによる疼痛は、様々なメカニズムによって引き起こされます。がん細胞自体が痛みを引き起こすこともありますが、がんが周囲の組織や神経を圧迫したり、組織の破壊を引き起こしたりすることで痛みを生じることもあります。また、がん治療に伴う合併症や、がんに関連する感染症などが疼痛を引き起こすこともあります。
モルヒネ硫酸塩水和物は、このようながんによる疼痛に対して、多方面から効果を発揮します。まず、モルヒネはオピオイド受容体に高い親和性を持っているため、神経系の疼痛調節回路に直接作用し、疼痛を緩和します。また、モルヒネは中枢神経系に存在する脳内鎮痛物質の放出を促進することで、自然な鎮痛作用を引き出すこともできます。さらに、モルヒネ硫酸塩水和物は痛みに対する心理的、感情的な反応を緩和する効果もあります。がんによる疼痛は、患者の心理的状態にも大きな影響を与えることが多いため、モルヒネによる鎮痛効果は、患者の全体的な生活の質を改善することが期待できます。 |
使用方法 |
成人(15歳以上)の場合:モルヒネ硫酸塩水和物として1日20〜120ミリグラムを2回に分けて服用します。なお、初回の服用量は10ミリグラムとすることが望ましいとされています。
年齢や症状によって医師の判断のもと適宜増量、減量できます。 |
副作用 |
重大な副作用
次に挙げるような重大な副作用が引き起こされる可能性があります。服用中は健康状態を常に意識し、万が一体調の悪化を感じた場合には服用を中止、または医療機関を受診するなど適切な処置を行ってください。
・気管支けいれん、無気肺、喉頭浮腫
・ショック
・譫妄、錯乱
・麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸
・肝機能障害
・依存性
※連続使用によって薬物依存を生じる可能性があります。また、連続使用中において服用量の急激な減少、服用量の中止によって退薬症候があらわれる可能性があります。
・呼吸抑制
※呼吸緩慢、呼吸異常、息切れ、不規則な呼吸などが引き起こす可能性があります。
その他の副作用
・循環器系:血圧の変動、不整脈、顔面潮紅など
・消化器系:口の渇き、悪心、便秘、嘔吐、食欲不振
・過敏症:発疹、かゆみなど
・精神神経系:意識障害、視調節障害、眠気、不安定感、傾眠、不穏、不安、めまい、発汗、興奮
・その他:頭蓋内圧の亢進、排尿障害
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・モルヒネ硫酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、MSコンチン錠はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼MSコンチン錠の有効成分
モルヒネ硫酸塩水和物
▼代表薬の添加物
酸化チタン、ヒドロキシエチルセルロース、無水乳糖、黄色三二酸化鉄、マクロゴール400、ステアリルアルコール、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒプロメロース、セタノール、三二酸化鉄
・破傷風、てんかん重積症、ストリキニーネ中毒などのけいれん状態にある方
※脊髄の刺激効果があらわれる可能性があります。
・慢性肺疾患に続発した心不全を患っている方
※循環不全や呼吸抑制が増強される可能性があります。
・気管支喘息を発作中の方
※モルヒネ硫酸塩水和物は気道分泌を妨げます。
・急性アルコール中毒状態の方
※モルヒネ硫酸塩水和物は呼吸抑制を増強します。
・重篤な呼吸抑制状態の方
※呼吸抑制が増強される可能性があります。
・重篤な肝障害をお持ちの方
※昏睡に陥ること可能性があります。
・出血性大腸炎の方
※赤痢菌、腸管出血性大腸菌などによる重篤な細菌性下痢を患っている方では、症状が悪化したり、治療期間が延長したりする可能性があります。
・ナルメフェン塩酸塩水和物を使用中または使用中止後1週間以内にある方
・アヘンアルカロイドに対する過敏症をお持ちの方
使用に注意が必要な方 ・脳に器質的な障害をお持ちの方
・心機能に障害をお持ちの方
・甲状腺機能が低下している方
・副腎皮質機能が低下している方
・肝機能に障害をお持ちの方
・腎機能に障害をお持ちの方
・薬物依存の経験のある方
・ショック状態に陥っている方
・代謝性アシドーシス状態の方
・麻痺性イレウス、器質的幽門狭窄、または最近消化管手術を行った方
・呼吸機能に障害をお持ちの方
・尿道狭窄、前立腺肥大による排尿障害、尿路手術をした直後の方
・衰弱している方
・新生児、乳児
・授乳している方
・妊娠している方
・高齢者
・重篤な炎症性腸疾患を患っている方
・けいれんの経験のある方
・胆嚢障害および胆石がある状態の方
・ジドブジン(アジドチミジン)を使用中の方
上記にあてはまる方は、モルヒネ硫酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 モルヒネ硫酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 ・ブプレノルフィン
※モルヒネ硫酸塩水和物の作用に拮抗する可能性があります
・クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)
※クマリン系抗凝血剤の作用が強く出て副作用が生じる可能性があります。
・βブロッカー、中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体、フェノチアジン誘導体など)、吸入麻酔剤、三環系抗うつ剤、MAO阻害剤、アルコール
※低血圧、呼吸抑制および著しい鎮静または昏睡が起こる可能性があります。
・ジドブジン(アジドチミジン)
※ジドブジンの排泄が遅延する可能性があります。
・抗コリン作用を持っている薬
※麻痺性イレウスに繋がる重篤な便秘または尿の貯留が起こる可能性があります。
上記を使用している方は、モルヒネ硫酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 モルヒネ硫酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 ・ナルメフェン塩酸塩水和物(セリンクロ)
※モルヒネ硫酸塩水和物の鎮痛作用を弱める可能性があります。また退薬症候を起こす可能性もあります。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
モルヒネ硫酸塩水和物に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
MSコンチン 【MSコンチン 添付文書】 |
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