成分名 |
プロナーゼ |
適応症状 |
胃内視鏡検査における胃内粘液の溶解除去 |
簡易説明 |
プロナーゼは、胃内視鏡検査の際に、胃の粘液を溶解除去して内視鏡による診断を行いやすくする目的で使用されます。
蛋白分解酵素であるプロナーゼが、胃粘液の主成分のペプチド結合を切断することにより、胃粘液を溶解して除去します。
以前は、気管支炎や喘息、鼻炎、外傷など炎症を伴う病気にも使われていましたが、再評価の結果、十分な効果が認められず、2016年にそのような用途での販売が中止されました。 |
処方可能な診療科目 |
外科/内科/消化器科など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
胃カメラ(胃部内視鏡検査)を行う場合の費用の目安:約5000円~約7000円(保険により3割負担の場合)
薬価:20,000単位126円
病院によって差ががあります。また、診察料・薬代の他に、初診料・検査料などが必要になる場合があります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:2015年6月【ガスチーム散4万単位】 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
ガスチーム散4万単位/g【製薬メーカー:日医工】
エンピナース・Pカプセル9000【製薬メーカー:科研製薬科研製薬】※販売停止 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
効果・作用 |
蛋白分解酵素であるプロナーゼが、胃粘液の主成分のペプチド結合を切断し、胃粘液を溶解して除去します。
通常、胃内視鏡検査(胃カメラ)の際に、胃の粘液を溶解除去して内視鏡による診断を行いやすくする目的で使用されます。
胃内視鏡検査は、胃に関する病気の早期発見・治療のために行われます。先端にカメラのついた細い柔軟なチューブ(内視鏡)を口または鼻から挿入し、消化器官内部の検査をすることができます。近年では、「苦しい」「つらい」という思いを少しでも払拭できるように最新の内視鏡システムが導入されており、鎮静剤を併用して以前より楽に検査を受けられるようになってきています。
本剤は以前、日本において、炎症による腫れを和らげたり、傷んだ組織を修復して治りを良くする薬として用いられていました。
また、痰や膿を分解して、排出しやすくする作用から、カゼを含めて、気管支炎や喘息、鼻炎、外傷など炎症を伴う病気にも広く使われていました。しかし、効果がいま一つで、海外ではほとんど使われていませんでした。そしてその後、その有効性を再確認するための試験が行われた結果、十分な効果が認められず、このような用途での販売が中止されました。
本剤のより詳しい薬効薬理試験の結果について、大きく3つの作用に分けて説明いたします。
●ムチン粘度低下作用(in vitro:試験管内)
プロナーゼ(10~5,000単位/mL)はムチン粘度を濃度及び時間依存的に低下させ、至適pHは7.0~10.0でした。
●イヌ胃粘液溶解除去作用の内視鏡的検討(in vivo:生体内)
プロナーゼの胃粘液溶解作用についてビーグル犬を用い胃内視鏡検査法により検討した結果、通常検査法及び色素撒布法ともに、プロナーゼ( 0 、5,000、20,000単位/body)投与による用量依存的な胃粘膜表面の付着粘液量の軽減化及び胃粘膜像の
描出状態の明瞭化が認められました。
●ヒト胃粘液の粘度低下作用検討(in vitro:試験管内)
胃疾患患者から採取した胃粘液に対するプロナーゼ( 0 、100、300単位/mL)の粘度低下作用を検討した結果、対照の胃粘液
粘度に対しプロナーゼ100及び300単位/mLでそれぞれ43.1%及び68.3%の有意(p<0.01)な粘度低下作用が認められました。 |
使用方法 |
胃内視鏡検査の15~30分前に、プロナーゼとして20,000単位を炭酸水素ナトリウム1gとともに約50~80mLの水に溶かして経口投与します。本剤の十分な効果を得るためには、投与後は臥位による体位変換を行うことが望ましいです。 |
副作用 |
重大な副作用
ショック/アナフィラキシー様症状(呼吸困難、全身潮紅、浮腫等)
その他の副作用
胃出血(胃の潰瘍部、ポリープ等の病変からの出血)/発疹・発赤等/嘔気/嘔吐/下痢/過敏症
※総症例4,207例のうち、副作用(臨床検査値異常を含む)が認められたのは 9 例(0.21%)15件で、その主なものは胃出血 2 件(0.05%)等でした。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ・胃内出血のある患者(粘液の除去に伴い、出血が悪化するおそれがあります。)
・本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
慎重投与
・胃内出血の疑いのある患者(粘液の除去に伴い、患部より出血するおそれがあります。)
・血液凝固異常のある患者(in vitroでフィブリン溶解作用が認められていることから、血液凝固系に影響を与えるおそれがあります。)
・重篤な肝障害、腎障害のある患者(重篤な肝障害、腎障害のある患者では、血液凝固能の異常がみられるおそれがあります。)
上記にあてはまる方は、プロナーゼを使用する事が出来ない可能性があります。 プロナーゼを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。
併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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