成分名 |
ロピバカイン塩酸塩水和物 |
適応症状 |
・術後に起きた疼痛の改善
・麻酔 |
簡易説明 |
ロピバカイン塩酸塩水和物は、高い鎮痛効果が認められており、麻酔薬として使用されています。S(-)-エナンチオマーという特殊な構造を持つ、世界で初めての局所麻酔薬です。もともとはアストラゼネカ社で販売されていましたが、現在の日本ではサンドファーマが販売権を取得しています。世界の50か国以上で販売されています。 |
処方可能な診療科目 |
麻酔科 |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
この薬は処方薬ではありません。
アナペイン注2mg/mL【製薬メーカー:サンドファーマ】2mL1管287円(薬価)
アナペイン注2mg/mL【製薬メーカー:サンドファーマ】2mL1袋1074円(薬価)
アナペイン注7.5mg/mL【製薬メーカー:サンドファーマ】7.5mL1管438円(薬価)
アナペイン注7.5mg/mL【製薬メーカー:サンドファーマ】7.5mL1管769円(薬価)
アナペイン注10mg/mL【製薬メーカー:サンドファーマ】10mL1管516円(薬価)
アナペイン注10mg/mL【製薬メーカー:サンドファーマ】10mL1管811円(薬価) |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2001年8月発売 |
国内のジェネリック認可 |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
関連製品(先発薬) |
アナペイン注2mg/mL・7.5mg/mL・10mg/mL【製薬メーカー:サンドファーマ】 |
関連製品(ジェネリック) |
現在ジェネリック医薬品の製造はありません。 |
海外での使用実績 |
世界50か国以上で販売されています。 |
効果・作用 |
ロピバカイン塩酸塩水和物は、長時間効果が持続する局所の麻酔薬です。脂質への親和性が低いことと、神経膜ナトリウムチャンネルに対する作用選択性が高い一方、心筋にあるナトリウムチャネルへの作用は弱いことが認められています。
本剤は S(-)-エナンチオマーのみからなる世界最初の局所麻酔薬であり、世界50か国以上で販売されています。
術後疼痛に対しては、2mg/mL製剤を21時間、持続して硬膜外に投与した時の一般臨床試験にて検討されています。
持続投与開始時に約16分ほどあった無痛域は、持続投与開始21時間後には4mL/h群で3.6±2.6分節、6mL/h群で7.6±3.8分節、10mL/h群で9.5±4.2分節でした。
持続投与開始21時間後に運動神経遮断が消失した症例の割合は、4mL/h群で90.5%、6mL/h群で68.0%、10mL/h群で60.0%でした。
結果、本剤のオペ後の疼痛に対する有効性が認められました。
硬膜外麻酔に対しては、7.5mg/mL製剤または10mg/mL製剤を用いた臨床試験で検討されています。
本剤の単回投与にて手術が可能であった患者の割合は、それぞれ83.9%、90.9%で、高い有効性が確認されました。 |
使用方法 |
<アナペイン注2mg/mL>
手術終了時に、6mL/hを硬膜外腔に持続投与します。期待する痛覚遮断域や手術部位、年齢や身長や体重、全身状態等によって4〜10mL/hの範囲で増減が可能です。
<アナペイン注7.5mg/mL>
硬膜外麻酔の場合、 1回20mLまでを硬膜外腔に投与します。期待する痛覚遮断域や手術部位、年齢や身長や体重、全身状態等によって減量が可能です。
伝達麻酔の場合、1回40mLまでを目標の神経もしくは神経叢の近くに投与します。期待する痛覚遮断域や手術部位、年齢や身長や体重、全身状態等によって減量が可能です。
<アナペイン注10mg/mL>
1回20mLまでを硬膜外腔に投与します。
期待する痛覚遮断域や手術部位、年齢や身長や体重、全身状態等によって減量が可能です。 |
副作用 |
主な副作用
血圧低下や徐脈、嘔気があげられます。
項目別の発現頻度は以下の通りです。
循環器・・血圧低下(19.2%)、徐脈(1~5%未満)、血圧上昇/頻脈/心室性不整脈/洞性不整脈(1%未満)
呼吸器・・SpO2低下/呼吸困難(1%未満)
中枢・末梢神経系・・めまい/振戦/攣縮/異常感覚/下肢知覚異常/全身しびれ感/運動障害/昏迷/言語障害/口唇しびれ感/譫妄/頭痛(1%未満)、不安(頻度不明)
消化器 ・・嘔気(1~5%未満)、嘔吐(1%未満)
過敏症・・蕁麻疹(1%未満)、血管浮腫(頻度不明)
泌尿器 ・・排尿困難/尿閉(1%未満)
その他・・発熱/耳鳴/戦慄/低体温/悪寒/顔面潮紅/結膜充血/硬結性紅斑/ホルネル症候群(1%未満)
重大な副作用
<ショック>
頻度不明ですが、徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害などの症状が出た場合には、注意をしてください。まれにアナフィラキシーショックを起こす恐れがあります。
<意識障害、振戦、痙攣>
0.1%未満の確率で発言が認められています。意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれた場合には、投与を中止し医療機関を受診してください。
<異常感覚、知覚・運動障害>
0.1〜1%未満の割合で発言が認められています。注射針もしくはカテーテルをとめる際、神経に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがあります。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ロピバカイン塩酸塩水和物を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ロピバカイン塩酸塩水和物の有効成分
ロピバカイン塩酸塩水和物
▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム、pH調整剤
・以前、ロピバカイン塩酸塩水和物を使用して過敏症となったことのある方は使用できません。
・大量出血やショック状態の方は、過度の血圧低下が起こることがあります。
・注射部位もしくは周辺に炎症のある方は化膿性髄膜炎症状を起こすことがあります。
・敗血症の方は敗血症性の髄膜炎を生じる可能性があります。
使用に注意が必要な方 ・髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄ろう等の方や脊髄・脊椎に腫瘍又は結核等のある方は硬膜外麻酔により病状が悪化する恐れがありますので、注意をしてください。
・血液凝固障害や抗凝血薬投与中の方は出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがあります。
・脊柱に著明な変形のある方は脊髄や神経根の損傷のリスクがあります。
・妊産婦
・腹部腫瘤のある方は仰臥位性低血圧を起こすことがあり、麻酔範囲が広がりやすいことがわかっています。麻酔中はさらに悪化することがあるので、投与量の減量を考慮してください。
・重篤な高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある方は血圧低下や病状の悪化が起こりやすいです。
・高齢者
・全身状態が良くない方は生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがあります。
・心刺激伝導障害のある方は症状が悪化することがあります。
・重篤な肝機能障害又は腎機能障害のある方は中毒症状が発現しやすくなることがわかっています。
上記にあてはまる方は、ロピバカイン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 ロピバカイン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬
本剤の血中濃度が上昇することがあります。フルボキサミンと併用することで、本剤のクリアランス低下が報告されています。
<クラスIII抗不整脈剤(アミオダロン等)>
心機能抑制作用が増強するおそれがあります。
上記を使用している方は、ロピバカイン塩酸塩水和物を使用する事が出来ない可能性があります。 ロピバカイン塩酸塩水和物を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ロピバカイン塩酸塩水和物に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
アナペイン注2mg/mL添付文書
アナペイン7.5mg/mL・10mg/mL添付文書 |
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