成分名 |
ペチジン塩酸塩 |
適応症状 |
麻酔前投薬
麻酔補助
激しい疼痛時の鎮痙
激しい疼痛時の鎮静
激しい疼痛時の鎮痛
無痛分娩 |
簡易説明 |
医療用麻薬製剤です。鎮痛作用などに関係する「オピオイド受容体」に作用することでより強い鎮痛作用があり、激しい痛みをおさえたり、緊張や不安を和らげることができます。主にがん疼痛や手術後の疼痛など、強い疼痛を伴う病態に対して使用されます。
モルヒネに比べて鎮痛効果が短時間であるため、手術後の疼痛管理や、急性の疼痛に効果があります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/麻酔科など |
健康保険の適応 |
健康保険適用 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安 :約1,000円~5,000円
薬代1管あたりの目安:35mg約341円/50mg約361円
薬代1gあたりの目安:1g約3736.8円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売開始年月 : 1961年4月 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
オピスタン原末【製薬メーカー:田辺三菱製薬工場】
オピスタン注射液50mg【製薬メーカー:田辺三菱製薬工場】
ペチジン塩酸塩注射液35mg/50mg「タケダ」【製薬メーカー:武田薬品工業】 |
関連製品(ジェネリック) |
塩酸メペリジン注射液25mg/ml・50mg/ml・75mg/ml・100mg/ml【製薬メーカー:Hospira, Inc./Hikma Pharmaceuticals USA Inc.】
塩酸メペリジン錠50mg/100mg【製薬メーカー:Meperidine Hydrochloride】
塩酸メペリジン錠50mg/5ml【製薬メーカー:West-Ward Pharmaceuticals Corp.】 |
効果・作用 |
ペチジン塩酸塩は、オピオイド鎮痛剤の一種であり、中枢神経系に作用して痛みを緩和する効果があります。内服薬、貼付剤、坐剤、注射剤などの剤形が存在し、一般的に、用途、患者の嚥下能力、体質などを考慮した上で選択されます。
▼薬理作用
オピオイドとは、中枢神経や末梢神経にあるオピオイド受容体への作用により、モルヒネの様な作用をあらわす物質の総称です。オピオイド受容体は3種類あり「μ(ミュー)、δ(デルタ)、κ(カッパ)」です。
「μ」の、オピオイド受容体は鎮痛作用に最も関係するとされてます。オピオイドの中でもフェンタニル、モルヒネ、オキシコドンなどはμ受容体に対して強い作用があり、脊髄から脳、末梢神経などのμ受容体への作用などにより鎮痛効果があります。
ペチジン塩酸塩は、強い鎮痛作用により、中等度から高度の各種がんや慢性疼痛などに対する疼痛緩和などで使用されます。
▼特徴
≪強力な鎮痛作用≫
ペチジン塩酸塩は、強い鎮痛作用を持っています。オピオイド受容体に作用して痛みを抑制するため、手術後や慢性的な疼痛に対して有効です。
≪速効性≫
ペチジン塩酸塩は、注射や点滴によって投与することができるため、速効性が高いという特徴があります。痛みを素早く緩和することができます。
≪短時間作用型≫
ペチジン塩酸塩は、作用時間が短いため、緊急処置や手術後の痛みに対して使用されます。ただし、継続的な疼痛に対しては、長時間作用型のオピオイド系鎮痛薬が使用されることが一般的です。
≪副作用のリスク≫
ペチジン塩酸塩は、呼吸抑制や便秘、吐き気、嘔吐などの副作用のリスクがあります。適切な投与量で使用される場合には、リスクは低減されますが、過剰な使用や誤った使用方法によって重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、医師の指示に従って使用するようにしてください。
≪薬物乱用のリスク≫
ペチジン塩酸塩は、麻薬に分類されるため、薬物乱用のリスクがあります。依存症や離脱症状の発生リスクもあるため、医師の指示に従って正しく使用することが必要です。
▼他のオピオイド鎮痛薬(麻薬)
デュロテップMTパッチ ワンデュロパッチ
フェントステープ
イーフェンバッカル錠 アブストラル舌下錠
オキシコンチン
オキノーム散
オキファスト注
MSコンチン錠
オプソ内服液
ナルサス錠
ナルラピド錠 |
使用方法 |
≪注射液≫
・激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙には、ペチジン塩酸塩として、1回35~50mgを皮下又は筋肉内に注射してください。
※なお、必要に応じて3~4時間ごとに追加してください。
※特に急を要する場合には、緩徐に静脈内に注射してください。
・麻酔前投薬には、麻酔前30~90分にペチジン塩酸塩として、50~100mgを皮下又は筋肉内に注射してください。
・全身麻酔の補助には、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液で、1mL当りペチジン塩酸塩として、10mgを含有するように希釈し、ペチジン塩酸塩として、10~15mgずつ間欠的に静脈内に注射してください。
※なお、投与量は場合によりペチジン塩酸塩として50mgまで増量することもあります。
・無痛分娩には、子宮口二横指開大ないし全開時に、ペチジン塩酸塩として、70~100mgを皮下又は筋肉内に注射してください。
※なお、必要に応じて3~4時間ごとに35~70mgずつ1~2回追加してください。
コメこの場合、母体及び胎児の呼吸抑制を防ぐために、ペチジン塩酸塩100mgに対してレバロルファン酒石酸塩1mgの投与比率で混合注射するとよいです。
※なお、年齢、症状により適宜増減してください。
≪原末≫
1回50mg、1日150mgを経口投与してください。
※なお、年齢、症状により適宜増減する |
副作用 |
主な副作用
ペチジン塩酸塩には、副作用が起こる可能性があります。
ペチジン塩酸塩を服用した場合、どのような副作用が起こるか知っておきましょう。
不整脈、動悸、血圧変動、顔面潮紅、眠気、眩暈、不穏、多幸感、幻覚、興奮、視調節障害
重大な副作用
極めて稀な副作用ですが、重度の副作用にご注意下さい。
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります。
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。
薬物依存、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、譫妄、振戦、全身筋肉痛、全身関節痛、呼吸促迫、退薬症候、ショック、アナフィラキシー様症状、血圧低下、呼吸困難、意識低下、呼吸抑制、息切れ、呼吸緩慢、不規則呼吸、呼吸異常、錯乱、痙攣、無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸
その他の副作用
便秘、口渇、過敏症、発疹、そう痒感、静脈炎、発赤、排尿障害、頭蓋内圧亢進
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■ペチジン塩酸塩を配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方ペチジン塩酸塩注射液35mg「タケダ」は、アレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
▼ペチジン塩酸塩注射液35mg「タケダ」の有効成分
ペチジン塩酸塩
▼代表薬の添加物
塩化ナトリウム4mg、pH調整剤
妊婦/授乳者
過敏症
急性アルコール中毒
痙攣状態
重篤な肝障害
重篤な呼吸抑制
ストリキニーネ中毒
てんかん重積症
破傷風
慢性肺疾患に続発する心不全
モノアミン酸化酵素阻害剤投与中
ナルメフェン塩酸塩水和物投与中
ナルメフェン塩酸塩水和物投与中止後1週間以内
使用に注意が必要な方 高齢者
新生児/乳児/幼児/小児
アジソン病
肝機能障害
気管支喘息発作中
器質的幽門狭窄
急性腹症
痙攣
甲状腺機能低下症
呼吸機能障害
尿道狭窄
手術後
上室性頻脈
ショック状態
腎機能障害
心筋梗塞
心房細動
前立腺肥大による排尿障害
代謝性アシドーシス
胆石
頭部外傷
胆嚢障害
粘液水腫
脳器質的障害
尿路手術術後
副腎皮質機能低下症
最近消化管手術を行った
重篤な炎症性腸疾患
麻痺性イレウス
薬物依存
血圧保持の困難
頭蓋内圧亢進
上記にあてはまる方は、ペチジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ペチジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 MAO阻害剤
中枢抑制剤
フェノチアジン系薬剤
バルビツール酸誘導体
三環系抗うつ剤
吸入麻酔剤
β-遮断剤
プロプラノロール
エタノール摂取
イソニアジド
アンフェタミン
クマリン系抗凝血剤
ワルファリンカリウム
抗コリン作用を有する薬剤
硫酸アトロピン
尿アルカリ化剤
炭酸水素ナトリウム
重曹(炭酸水素ナトリウム)
アルコールを含むもの<ジン、ウオッカ、ラム、ウイスキー、ブランデー など>
上記を使用している方は、ペチジン塩酸塩を使用する事が出来ない可能性があります。 ペチジン塩酸塩を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
ペチジン塩酸塩に関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
添付文書ペチジン塩酸塩注射液35mg/50mg「タケダ」【武田薬品工業株式会社】 |
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