成分名 |
エトドラク |
適応症状 |
「関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸腕症候群、腱鞘炎」の疾患並びに症状の消炎・鎮痛
また手術後並びに外傷後の消炎・鎮痛 |
簡易説明 |
初めてのピラノ酢酸系鎮痛・抗炎症剤です。
選択的なシクロオキシゲナーゼ(COX)ー2阻害作用により炎症部位でのプラスタグランジンE2生合成を抑制し、鎮痛・抗炎症作用も示します。
ブラジキニン生合成阻害による鎮痛・抗炎症作用も示します。
外傷・術後の鎮痛に対して速やかな鎮痛効果を示します。
消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意してください。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/皮膚科/泌尿器科/ペインクリニック/リウマチ科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
疾患によって治療方針・検査項目がことなります。
病院によっても若干前後しますがおおよそ以下の通りですが、検査する項目が多ければさらに加算されます。また痛み止めは根本的治療ではなくあくまで対症療法となります。例えばリウマチなどであればさらにリウマチ専用の薬を使用することとなり薬剤料はさらに値上がります。
診察料としては3500円~5000円
検査料としては3500円~
薬剤料としては500円(30日分)[エトドラクとして換算]~ |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
1994年7月1日製造販売承認
2009年6月12日製造販売一部変更承認
1994年8月26日薬価基準収載
1994年9月9日発売開始 |
国内のジェネリック認可 |
ジェネリックあり |
関連製品(先発薬) |
ハイペン錠100mg/ハイペン錠200mg【製薬メーカー:日本新薬株式会社】
併売品:オステラック錠100mg/オステラック錠200mg【製薬メーカー:あすか製薬】 |
関連製品(ジェネリック) |
エトドラク錠100mg「タイヨー」/エトドラク錠100mg「トーワ」/エトドラク錠100mg「JG」/エトドラク錠100mg「日医工」/エトドラク錠100mg「SW」/エトドラク錠200mg「タイヨー」/エトドラク錠200mg「トーワ」/エトドラク錠200mg「JG」/エトドラク錠200mg「日医工」/エトドラク錠200mg「SW」 |
効果・作用 |
主に関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、肩関節周囲炎、頸腕症候群、腱鞘炎における消炎・鎮痛に作用します。
また手術後並びに外傷後の消炎・鎮痛に用います。
エトドラクは①プロスタグランジンE2生合成阻害作用(シクロオキシゲナーゼー2選択的阻害作用)、②多形核白血球機能抑制作用(ライソゾーム酵素遊離抑制作用、活性酸素産生抑制作用、遊走抑制作用)、③ブラジキニン産生抑制作用を有することが明らかにされております。
主な作用は①になりますがその詳しい作用としましては、組織が損傷されると、ホスホリパーゼA2により、細胞膜のリン脂質からアラキドン酸が遊離されます。遊離されたアラキドン酸はシクロオキシゲナーゼやペルオキシダーゼを含むPGH合成酵素複合体の基質となり、PGG2、PGH2へと変換されます。
さらに各組織に特異的なPG合成酵素によりPGE2などの種々の化学伝達物質が合成され、損傷組織へ放出されます。
PG自体に発痛作用はないが、ブラジキニンなどの発痛物質が鎮痛閾値を低下させます。
また局所での血流増加作用や血管浸透性の亢進、白血球の浸潤増加など、炎症を増強させる作用を有します。
したがって、エトドラクは遊離されたアラキドン酸からPGを合成する経路の律速酵素であるシクロオキシゲナーゼの働きを阻害することにより抗炎症・鎮痛作用を発揮します。 |
使用方法 |
成人にはエトドラクとして1日量400mgを朝・夕食後の2回に分けて経口投与します。
食事の影響については、食後投与と絶食投与で得られた血漿中濃度を比較した所、両者の間に有意な差は認められず、吸収に及ぼす食事の影響は少ないものと推察されております。
しかしエトドラクにおいて消化器症状の副作用は多く食後摂取が推奨されています。
(1)慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
1)長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。
2)薬物療法以外の療法も考慮すること。
(2)急性疾患に対して本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
1)急性炎症及び鎮痛の程度を考慮し、投与すること。
2)原因療法があればこれを行うこと。 |
副作用 |
重大な副作用
重大な副作用として9つあげられております。
1)ショック
ショック(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が見られた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2)アナフィラキシー様症状
アナフィラキシー様症状(呼吸困難、蕁麻疹、全身潮紅、血管浮腫、喘鳴等)(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3)消化性潰瘍(穿孔を伴うことがある)
消化性潰瘍(0.1%未満)が現れることがあり、また、穿孔に至る場合もあるので、以上(胃痛、嘔吐、吐血・下血等を伴う胃腸出血)が認められた場合には観察を十分に行い、必要に応じて本剤の原料、休薬、投与中止等の適切な処置を行うこと。
4)皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症(頻度不明)
5)汎血球減少、溶血性貧血、無顆粒球症、血小板減少(頻度不明)
6)腎不全
急性腎不全(間質性腎炎、腎乳頭壊死等)や慢性腎不全の急性憎悪(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
7)肝機能障害、横断
AST(GOT)、ALT(GPT)、γーGTPの上昇等を伴う肝機能障害、横断(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
8)うっ血性心不全(頻度不明)
9)好酸球性肺炎、間質性肺炎
好酸球性肺炎、間質性肺炎(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、発熱・咳嗽、呼吸困難、胸部X線上の異常陰影等の異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
発疹、掻痒感、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎、消化不良、胃炎、肝機能異常、腎機能異常、貧血、浮腫(いずれも0.1~5%未満の頻度)
蕁麻疹、紅斑、腹部膨満感、舌炎、口渇、便秘、めまい、しびれ、眠気、頭痛、顕微鏡的血尿、白血球減少、発熱、胸痛、倦怠感、ほてり(いずれも0.1%未満の頻度)
光線過敏症、紫斑、斑状出血、皮膚血管炎、しゃっくり、振戦、好酸球増多、発赤、排尿困難、動機、喘息、味覚異常、視覚異常(かすみ目等)(いずれも頻度不明)
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ①消化性潰瘍のある患者
プロスタグランジン生合成阻害作用に基づき胃の血流量が減少するため、消化性潰瘍を悪化させることがある為。
②重篤な血液の異常のある患者
白血球・赤血球・血小板減少が報告されているため、血液の異常を悪化させることがある為。
③重篤な肝障害のある患者
副作用として肝障害が報告されており、悪化する恐れがある為。
④重篤な腎障害のある患者
プロスタグランジン生合成阻害作用に基づく腎血流量低下作用がある為、腎障害を悪化させることがある為。
⑤重篤な心機能不全のある患者
プロスタグランジン生合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向がある為、心機能不全を悪化させることがある為。
⑥重篤な高血圧症のある患者
プロスタグランジン生合成阻害作用に基づくNa・水分貯留傾向がある為、血圧を上昇させることがある為。
⑦本剤の成分に対し過敏症のある患者
⑧アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者
シクロオキシゲナーゼの活性を阻害するので、喘息を誘発することがある為。
⑨妊娠末期の女性
実験動物(ラット)において分娩障害が報告されている。
使用に注意が必要な方 ①気管支喘息のある患者様
②SLE(全身性エリテマトーデス)の患者様
③潰瘍性大腸炎の患者様
④クローン病の患者様
⑤高齢者
高齢者では、一般的に腎機能の低下により高い血中濃度が持続したり、血漿アルブミンの減少により、遊離の薬物の血中濃度が高くなる恐れがある。本剤は、主として腎臓から排泄され、また、血漿アルブミンとの結合性が高い薬物であるので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
⑥妊婦・授乳婦
妊婦(妊娠末期以外)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること。
シクロオキシゲナーゼ阻害剤を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。
上記にあてはまる方は、エトドラクを使用する事が出来ない可能性があります。 エトドラクを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
①クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)
プロトロンビン時間の延長(出血を伴うことがある)が現れたとの報告があります。抗凝血作用を増強することがあるので注意し、必要があれば減量することとされております。
本剤のヒトでの蛋白結合率は、99%と高く、蛋白結合率の高い薬剤と併用すると血中に活性型の併用薬が増加し、その薬剤の作用が増強されるためと考えられています。
②チアジド系利尿降圧剤(ヒドロフルメチアジド・ヒドロクロロチアジド等)
利尿高圧作用を減弱するおそれがあります。
本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、水、Naの排泄を減少させるためと考えられています。
③リチウム製剤(炭酸リチウム)
血中リチウム濃度を上昇させ、リチウム中毒を起こす恐れがあるので、血中のリチウム濃度に注意し、必要があれば減量することとされています。
本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、炭酸リチウムの腎排泄を減少させるためと考えられています。
④メトトレキサート
メトトレキサートの血中濃度を高める恐れがあるので、観察を十分に行うこととされています。
本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、メトトレキサートの腎排泄を減少させるためと考えられています。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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サイト利用に関する注意事項 | 医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。 医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。 |