メトトレキサート

成分名

メトトレキサート

適応症状

急性白血病/慢性リンパ性白血病/慢性骨髄性白血病/絨毛性疾患(絨毛癌、破壊胞状奇胎、胞状奇胎)/関節リウマチ/局所療法で効果不十分な尋常性乾癬/関節症性乾癬/膿疱性乾癬/乾癬性紅皮症/関節症状を伴う若年性特発性関節炎など

簡易説明

がん細胞を抑えるお薬です。細胞の核酸の合成を妨害することで、がん細胞が増えるのをおさえます。白血病や、各種がんの治療に用いられます。
また、応用として関節リウマチや乾癬の治療など自己免疫疾患(膠原病)に用いられることがあります。
また錠剤の他、注射薬による治療がおこなわれます。

処方可能な診療科目

内科/外科/皮膚科/婦人科/整形外科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安:約1000円~5000円程度
新薬1錠あたりの目安:2mg219円 円(薬価)
後発薬1錠あたりの目安:2mg89.8円(薬価)
新薬注射用1本あたりの目安:5mg754円/50mg2505円(薬価)
後発薬注射用はありません
※病院によって差が有り。薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1999年認可

国内のジェネリック認可

ジェネリックあり

関連製品(先発薬)

リウマトレックスカプセル2mg【製薬メーカー:ファイザー】/メトトレキサート注射用5mg【製薬メーカー:ファイザー】/メソトレキセート注射用50mg【製薬メーカー:ファイザー】/メソトレキセート点滴静注液200mg【製薬メーカー:ファイザー】/メソトレキセート点滴静注液1000mg【製薬メーカー:ファイザー】

関連製品(ジェネリック)

イミュトレックス 2.5mg「シプラ」/メトトレキサートカプセル2mg「DK」/メトトレキサートカプセル2mg「SN」/メトトレキサートカプセル2mg「サワイ」/メトトレキサートカプセル2mg「サンド」/メトトレキサートカプセル2mg「トーワ」など

効果・作用

この薬は、代謝拮抗薬の中の葉酸代謝拮抗薬で、細胞障害薬という種類の薬です。略号はMTX。内服薬は白血病と絨毛癌に適応します。胃がんを含め他のがんの本格的な治療には注射薬が使用されます。高用量を必要とする場合、関節リウマチに応用されることがあります。
関節リウマチの治療において、世界中で最も多く使用されている内服薬です。MTXは、免疫抑制作用を持つ抗リウマチ薬で、関節リウマチと診断されたら先ず最初に使用される薬剤の1 つです。MTXに、直接痛みを抑える効果はなく、服用後すぐに関節痛が温和するわけではありません。ただ、服用後2~4週間程度で関節症状が改善していきます。
核酸の形成に必要な活性型葉酸を作る酵素の働きを妨害することで、殺細胞作用を発揮します。また、比較的少量で免疫抑制作用を示します。核酸の代謝系を邪魔することから、「代謝拮抗薬」と呼ばれる部類です。

使用方法

【錠剤の場合】
毎日内服する薬ではないので要注意です。
主治医、薬剤師の指示通り内服してください。
通常、1週間単位の投与量を6mgとし、1回又は2~3回に分けて内服します。分けて投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で内服する。残りの日は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。なお、1週間単位の投与量は16mgを超えないようにする。
症状改善は内服開始後1~2ヶ月で出始めることが多く、最大効果発現には4ヶ月かかることもあります。
また、副作用の軽減目的にフォリアミン(葉酸というビタミン)を処方されることも多いです。メトトレキサートの副作用をチェックするために、血液検査を1-3ヶ月毎にすることも重要です。
万が一内服を忘れてしまった場合、その飲み忘れた分のMTXは服用しないで翌回分から指示通りに飲むようにしてください。
風邪などで体調が悪くてご飯が食べられないときにも、スキップしてください。不明な時は、主治医もしくは薬剤師に相談してください。次回診察時に、飲み忘れたことを必ず伝えてください。
アルコールをのむと、メトトレキサートの肝障害が発生しやすくなります。飲酒は控えることをお勧めします。
【注射薬の場合】
医師にお任せください。

副作用

【主な副作用】
肝機能障害/口内炎/倦怠感/嘔気/発疹など

【重大な副作用】
ショック、アナフィラキシー/骨髄抑制/感染症/結核/劇症肝炎/肝不全/急性腎障害/尿細管壊死/重症ネフロパチ/間質性肺炎/肺線維症、胸水/中毒性表皮壊死融解症/皮膚粘膜眼症候群/出血性腸炎/壊死性腸炎/膵炎/骨粗鬆症/脳症(白質脳症を含む)など
重篤な副作用の発生率は低いですが、用法や用量を間違えると命に危険を及ぼすような、重篤な副作用が発生する恐れもあります

【その他の副作用】
発疹/そう痒/発熱/蕁麻疹
【血液】好酸球増多/出血/低ガンマグロブリン血症/リンパ節腫脹
【肝臓】肝機能障害(ALT(GPT)、AST(GOT)/Al-P、LDHの上昇等)/黄疸/脂肪肝
【腎臓】BUN上昇/血尿/クレアチニンの上昇/蛋白尿
【消化器】嘔気/腹痛/下痢/口内炎/食欲不振/嘔吐/舌炎/口唇腫脹/消化管潰瘍・出血/メレナ/イレウス
【皮膚】脱毛/紅斑/皮下斑状出血/皮膚潰瘍/光線過敏症注2)/色素沈着/色素脱出/ざ瘡/結節/乾癬病変局面の有痛性びらん
【精神神経系】頭痛/めまい/意識障害/眠気/目のかすみ/しびれ感/味覚異常/項部緊張/背部痛/錯感覚
【呼吸器】咳嗽/呼吸困難
【生殖器】無精子症/卵巣機能不全/月経不全/流産
【その他】倦怠感/動悸/胸部圧迫感/低蛋白血症/血清アルブミン減少/浮腫/膀胱炎/結膜炎/関節痛/耳下腺炎/悪寒など
異変を感じた場合は、直ぐに医師の診察を受け指示に従いましょう。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

【使用に注意が必要な方】
・間質性肺炎など肺の病気または既往歴のある人
・感染症、結核にかかったことのある人
・B型またはC型肝炎ウイルスをもっている人
・高齢の人
・アルコール摂取
・喫煙者など

【使用が出来ない方】
・肝臓や腎臓の悪い人
・骨髄抑制
・胸水・腹水のある人
・結核
・妊娠中もしくはその可能性のある人
・授乳中の人
・生ワクチンを使用した予防接種

上記にあてはまる方は、メトトレキサートを使用する事が出来ない可能性があります。
メトトレキサートを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

【併用注意】
ロキソニン錠/セレコックス錠/ボルタレン錠/ネキシウムカプセル/バイアスピリン錠/ランソプラゾールOD錠/ラベプラゾールNa錠/タケキャブ錠/ロキソプロフェンナトリウム錠/オーグメンチン配合錠/ジクロフェナクNa錠/ダイフェン配合錠/サワシリンカプセル/パリエット錠/タケプロンOD錠/ロルカム錠など
【併用禁忌】
現在調査中
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
風邪を引いたときは服用しない方がいいと聞きましたが、再開するのはいつからがいいですか?

風邪は、主にウイルス感染症です。食事・睡眠が十分かつ、風邪の程度が軽い場合、皮膚の病変が軽い場合や拡大のない場合は、定期的なメトトレキサートを内服しても、感染症の治癒する経過に大きな問題を生じないことが多いかと思われます。

しかし、熱が高め(38度以上)である場合、咳がひどい場合、呼吸困難がある場合、感染部位が拡大傾向にある場合などは、その週の服用を飛ばし、風邪や気管支炎、皮膚炎の経過を慎重にみる、などします。判断に迷われる場合は迷わずには、診察を受け医師の指示を仰いでください。

服用中に妊娠は可能ですか?

男女ともに、服用中・服用中止後3ヵ月は妊娠を避けましょう。
また授乳中は服用しないようにしてください。

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医薬品を使用する場合、必ず医師や薬剤師の指示に従って下さい。
医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。