ガンマーアミノ酪酸

成分名

ガンマーアミノ酪酸

適応症状

頭部外傷後遺症に伴う諸症状の改善に適応症を持ちます。
主な症状として報告されている頭痛や頭重、耳鳴り、易疲労性、のぼせ感、記憶障害、睡眠障害、意欲低下に対してγーアミノ酪酸は脳代謝促進剤として効果を示します。

簡易説明

ガンマーアミノ酪酸は脳代謝促進剤として頭部外傷後遺症における諸症状に対して使用される医薬品です。動物の脳髄中に存在する事が認められており神経伝達物質としての役割を持ち様々な効果を示します。別名GABAと呼ばれる名前なら聞いたことがあるかもしれませんが、健康食品や菓子類として広く販売されておりその使用目的は安眠効果や血圧低下効果、肌の張り・つやアップ、ダイエット等をターゲットとしております。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/精神科/心療内科/小児科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:250mg約6円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1959年9月22日にガンマロン錠として製造販売が承認されました。
その後医療事故を防止する為の対策として販売名をガンマロン錠250mgに変更。
2009年6月26日に製造販売が承認され、2009年9月25日薬価基準に収載、2009年9月に発売となった。

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

ガンマロン錠250mg【製薬メーカー:アルフレッサファーマ株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

海外での使用実績
ブラジルではGammar(販売名)として、中国ではAn Luor(販売名)として、香港ではGammalon(販売名)として、ロシアではAminalon(販売名)として、タイではBainto(販売名)として、ウクライナではAminalon(販売名)として発売されています。
効果・作用

ガンマーアミノ酪酸は頭部外傷後遺症に伴う諸症状(頭痛、頭重、易疲労性、のぼせ感、耳鳴り、記憶障害、睡眠障害、意欲低下)にたいして効果のある医薬品になります。

その作用機序は、脳では主に血液からのグルコースをエネルギー源として機能が営まれていますが、ガンマーアミノ酪酸は、TCAサイクルの導入部に必要なヘキソキナーゼ活性を高め糖質代謝を促進すると報告されています。つまりグルコースをグルコース6ーリン酸に変換する際に必要な酵素であるヘキソキナーゼを活性化する事でより強く解糖系を進行させます。結果としてその下流にあるTCAサイクルを回す役割を果たします。この作用を利用して脳代謝を促進させます。

ガンマーアミノ酪酸の効果はそれだけではありません。血圧降下作用も認められています。摂取されたGABAは消化管から体内に吸収され、交感神経末端から出る血管収縮作用伝達物質のノルアドレナリンの分泌を抑制します。ノルアドレナリンは細動脈を収縮させる作用がある為、この分泌を抑制する事で、細動脈が緩和され、結果血圧が低下します。

同様に安眠効果もうたわれております。こちらも同様にノルアドレナリンの分泌を抑制する事で興奮状態を抑え、身体が休まりやすいリラックス状態へ導くことにより効果を示すと言われております。

最近の報告ではGABAが脳に作用する経路と満腹感増強作用が発見されました。食事から摂取されたGABAは脳の機能に影響を及ぼし、不安を低減させたり睡眠の質を向上させるなど有益な効果をもたらし、健康食品や機能性食品として現在沢山の商品が販売されております。摂取したGABAは内臓感覚神経(求心性迷走神経)を介しての脳機能(満腹感誘導)に影響を与えます。また食事は内臓感覚神経を活性化する作用を有し、GABAがこの食後内臓感覚神経活性化作用を増強すると言うものです。この神経経路が満腹感増強と言う脳機能と関連し、食べ過ぎを予防する事になります。

使用方法

通常成人には1日3g投与します。ガンマロン錠250mgを投与する場合には1日12錠を1日3回に分割して投与する事とされています。
但し、患者の年齢や治療する際の症状によっては服用量を適宜増減して投与します。

副作用

消化器、その他の副作用が報告されています。

発生頻度は以下の通りです。
1)消化器
悪心(1%未満)、食欲不振(1%未満)、下痢(1%未満)、便秘(頻度不明)
ガンマーアミノ酪酸は腸管のAuerbach神経叢に作用し、コリン性神経伝達を介して、腸管運動又は胃液分泌を調節していると考えられています。故に、消化器系の副作用が出現しやすいと考えられており、上記副作用の通り異常が認められた場合は必要に応じて投与の中止を検討する必要があります。
2)その他
感情失禁の改善を妨げる事がある(頻度不明)
ガンマーアミノ酪酸は、哺乳動物の脳に高濃度に存在し、抑制伝達物質として中枢神経機能、例えば精神、感情、運動などに影響を及ぼしていると考えられています。故に頻度不明ではありますが上記副作用が現れる事がある為、異常が認められた場合は必要に応じて投与の中止を検討する必要があります。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用に注意が必要な方
1)妊婦、産婦、授乳婦の投与には注意が必要です。
妊娠中の患者への投与に関するデータがない為、妊婦・産婦・授乳婦への安全性が確立されておりません。従って妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない。但し、治療上の有益性が投与による危険性を上回ると判断される場合においては、慎重に投与し、異常が認められた場合は投与を中止し適切な処置を行う事。
2)以前に薬や食べ物で、痒み、発疹等のアレルギー症状が出たことがある方への投与には注意が必要です。

上記にあてはまる方は、ガンマーアミノ酪酸を使用する事が出来ない可能性があります。
ガンマーアミノ酪酸を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

現在併用禁忌薬に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

ガンマーアミノ酪酸に関する
よくある質問
くすりを飲み始めてどのぐらいで効果が現れますか?

臨床試験においてビーグル件では投与後の最高血中濃度は1時間位と報告されております。その後急速に減少し、投与後24時間には消失してしまいます。
インタビューホーム 【アルフレッサファーマ株式会社】

飲み忘れた場合はどうしたらよいですか?

飲み忘れた場合は、気が付いた時点で直ちに1回分服用して下さい。但し、次の服用する時間が近い場合は、忘れた分は飲まずに飛ばして次回分から再開するようにしましょう。

1回分の服用数が多いのでパックしてもらえませんか?

ガンマロン錠250mgは非常に吸湿性の高い医薬品になります。本来は避けた方が良いですがどうしても必要の場合は一包化後、乾燥剤を用意しアルミ缶などを利用して吸湿に注意して保管するようにしましょう。
インタビューホーム 【アルフレッサファーマ株式会社】

添加物として何が使われていますか?

トウモロコシデンプン、軽質無水ケイ酸、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000、タルク、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、カルナウバロウが使用されています。添加物ではありますが合わない人ではアレルギー症状が出る場合もあります。
インタビューホーム 【アルフレッサファーマ株式会社】

参考元一覧 インタビューホーム 【アルフレッサファーマ株式会社】
医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】
Dietary gamma-aminobutyric acid (GABA) induces satiation by enhancing the postprandial activation of vagal afferent nerves. 【Nutrients, 14, 2492 (2022)】
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