グアヤコール液

成分名

グアヤコール液

適応症状

齲窩、抜髄根管及び感染根管の殺菌・消毒

簡易説明

ホルマリン・グアヤコールFG「ネオ」は、ホルマリンクレゾールFCにかわるホルマリン系製剤と呼ばれるものになります。
作用については、ホルマリンはその優れた殺菌・消毒作用、残髄固定作用を生かし、また鎮痛鎮静作用のあるグアヤコールを混合することでホルムアルデヒドの組織における刺激性を緩和し、貼薬後の不快症状の発現が少なくなっております。
その結果として、う窩、抜髄根管及び感染根管の殺菌・消毒剤として使用されます。
製剤の安定性もFCより優れているとされており、変更して使用されるようになりました。

処方可能な診療科目

歯科/口腔外科等

健康保険の適応

健康保険適応外 全額自己負担

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~3,000円
薬代1mLあたりの目安:約200円
この医薬品に後発薬は発売されておりません。
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1984年11月薬価基準収載
1984年11月販売

国内のジェネリック認可

国内においてジェネリック医薬品の販売はありません。

関連製品(先発薬)

ホルマリン・グアヤコールFG「ネオ」【製薬メーカー:ネオ製薬工業株式会社】

関連製品(ジェネリック)

後発医薬品は現時点において販売されておりません。

効果・作用

ホルマリン・グアヤコールFG「ネオ」は齲窩、抜髄根管及び感染根管の殺菌・消毒に効果のある医薬品になります。また、同様にグアヤコールを有効成分に持つ医薬品にクレオドン・メトコールがございます。
クレオドン及びメトコールの効能・効果はともに齲窩及び根管の消毒、歯髄炎の鎮痛鎮静、根端(尖)性歯周組織炎の鎮痛鎮静になっております。

【作用機序】
根幹内において揮発しガス体となることで、殺菌・消毒効果が発揮される。
またグアヤコール自体においては迅速な局所麻酔作用があり、これによって鎮痛鎮静、消炎作用を示しています。

有効成分としてグアヤコールを利用をしている医薬品は上記3点になりますが、下記2点は添加物としてグアヤコールが使用されております。

①カルビタール
有効成分:塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル
添加物:ポリソルベート、グアヤコール

②ペリオドン
有効成分:パラホルムアルデヒド、ジブカイン塩酸塩
添加物:グアヤコール

カルビタールもペリオドンも有効成分が異なる為効能・効果も異なりますがグアヤコールを添加物として使用しているため局所麻酔作用を期待していると思われます。

グアヤコールを配合している医薬品はすべて現時点において薬価収載はございません。全て歯科治療時における処置薬として使用されており薬価ではなく処置代として算定されております。

【ホルマリンクレゾールFCについて】
有効成分として、ホルマリン、クレゾール、添加物としてエタノールが配合されている根幹貼薬剤になります。
貼薬とは、根幹を形成し、洗浄した根幹に薬を詰めることを指します。
FCはそもそも液体ですが、根幹内においてはホルムアルデヒド、クレゾールが気化することで、ガスとして根幹内の消毒を行っております。
FCは界面張力が低いために、象牙質にある細い管への浸透性が高く、脂肪組織に対して親和性があり、歯髄における腐敗した分解産物にも浸透しやすいと言われております。またFCは組織の刺激性が強いと言われてますが、貼薬を交換する際の使いやすさや、除去がしやすいとの事から日本の歯科医院のおよそ90%以上で使用されておりました。患者にとっては、治療後しばらく薬の味が残る場合もあり、不快感を与えておりましたが、それは緊密に仮蓋をすることで改善されることが分かっております。
しかし薬の効果としては、FCが揮発した分しか効果が発揮できないため、すべて揮発してしまうと、薬効効果がほとんどなくなってしまいます。水酸化カルシウム製剤と比較した場合においては、薬効が切れるのは速いと言われております。また出血下では気化できず効果が薄くなるため、排膿や浸出液がない場合に限り使用されます。
これに変る根幹治療剤がホルマリン・グアヤコールFG「ネオ」になります。
有効成分としては、ホルマリン、グアヤコール、添加物としてエタノールが配合されております。
また同様にグアヤコール液を使用している医薬品としてはクレオドンがございます。
こちらは有効成分としてグアヤコールのみの製品になりますが、う窩及び根幹の消毒以外に、歯髄炎の鎮痛鎮静、根端(尖)性歯周組織炎の鎮痛鎮静にも適応がございます。
いずれにおいてもグアヤコールを使用する事でその鎮痛鎮静作用を的確に利用した製品となっております。

使用方法

通法に従ってう蝕(うしょく)が進んで歯に開いた穴となった齲窩(うか)及び歯の神経の組織が入っている根っこの管である根管を拡大したのち、きれいに清掃後、滅菌された小綿球又は綿栓などを使用して、適量を齲窩及び根管内に挿入し、仮封し、数日間作用させる事とされております。

副作用

重大な副作用
ショック、アナフィラキシー(頻度不明):蕁麻疹、掻痒、呼吸困難、血圧低下等の異常が認めらることがございます。

その他の副作用
過敏症(頻度不明):過敏症状が現れることがございます。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこととされております。

『有効成分』
ホルマリン(ホルムアルデヒド)・グアヤコール
『添加物』
エタノール

使用に注意が必要な方
患歯根端 ( 尖 ) 部に急性炎症性病巣のある患者においてはその使用により症状が悪化するおそれがございます。

上記にあてはまる方は、グアヤコール液を使用する事が出来ない可能性があります。
グアヤコール液を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
塩化鉄(Ⅲ)液、酸化クロム(Ⅵ)液、硝酸銀液等
●併用する事で変色又は沈殿を生じさせ、薬効が減じる為注意が必要となります。

上記を使用している方は、グアヤコール液を使用する事が出来ない可能性があります。
グアヤコール液を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
併用禁忌に該当する医薬品はありません。

併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
小児においても使用は可能か?

グアヤコールは組織の障害性が少ないため、乳歯から永久歯まで広い範囲で使用可能です。

消毒作用もあるのか?

グアヤコールのフェノール係数は0.9であり、消毒作用を有するとともに、各種細菌、真菌に対しても広範な抗菌力を持ちます。

歯科治療においてホルマリンガスにより暴露されないのか?

歯科診療においてホルマリン製剤の使用頻度は極めて低く、1回使用量もきわめて少量になります。また一般的な規模を有する歯科診療所では、換気装置を設置しており暴露は極めて低いとされております。

根幹治療とはどんなことをするのか?

虫歯が重度に進行してしまったときは、神経の通っている根幹にまで細菌感染が起こっている場合があったり、歯が折れてしまい神経が死んでしまうことがあります。こういった場合には神経を抜かなければなりません。そして、抜いた後の神経の通っていた穴を専用のつまようじのような機械を使って掃除し、除菌の処理をして埋める作業を行います。この根幹の清掃作業が根幹治療と呼ばれます。

根幹治療における再発することはあるのか?

一般的な保険の根幹治療の再発率は80%以上という報告がございます。再発した場合の根幹治療の成功率はさらに低くなり、高確率で抜歯となると言われております。

根幹治療は必要なのか?

根幹は非常に小さく、暗く、湾曲しております。その中にミリ以下の汚れや、細菌が感染した組織がこびりついてしまっております。これを除去する事は大変難易度が上がり、一般的な歯科医院が行っている除去方法ですと、完全に除去する事はほぼ不可能だそうです。

完全に除去せずに埋めてしまった場合はどうなるのか?

感染組織を取り残したまま埋めると、中で細菌が繁殖し、数カ月から数年で再発します。再発してしまった場合においては手遅れなケースが多く、最終的には、抜歯しか選択肢がない状況になります。

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。