成分名 |
オキサプロジン |
適応症状 |
「関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、変形性脊椎症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、痛風発作」の疾患並びに症状の消炎・鎮痛
外傷後及び手術後の消炎・鎮痛 |
簡易説明 |
オキサプロジンは1968年Brownら(英国)により合成された既存の薬物にみられないジアリールオキサゾール骨格を有するプロピオン酸系の酸性非ステロイド消炎鎮痛剤です。
オキサプロジンは消化管からの吸収が良好で血中半減期が長く、しかも各種動物試験において優れた抗炎症・鎮痛・解熱作用が認められました。
単回投与では血中半減期が約50時間と長時間持続するが、反復投与では蛋白結合率の低下によりクリアランスが亢進するという特徴を有する薬剤です。また二重盲検比較試験において1日1回の投与で効果が得られる薬剤との評価を受けており、その有用性の高いことが認められました。
以来、米国Wyeth社を中心に世界各国で開発が行われました。本邦においては1978年大正製薬株式会社と日本ワイス株式会社が共同で本剤の研究開発に着手し、大正製薬では1985年承認を得て発売に至りました。2007年に、医療事故防止対策として、販売名を「アルボ錠100mg」「アルボ錠200mg」に変更しました。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科/整形外科/皮膚科/泌尿器科/ペインクリニック/リウマチ科 など |
健康保険の適応 |
健康保険適応 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
疾患により治療方針・検査項目が異なります。
病院によっても若干前後しますがおおよそ以下の通りです。
検査する項目が多ければさらに加算されます。
また痛み止めは根本的治療ではなく、あくまで対症療法となります。
例えばリウマチなどであればリウマチ専用の薬を使用することとなり、薬剤料はさらに値上がります。
痛風発作であれば痛みが落ち着いた後は尿酸値を下げる薬を服薬します。
診察料としては3500円~5000円
検査料としては3500円~
薬剤料としては1400円(30日分)[アルボとして換算]~ |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2007年3月22日承認
2007年6月15日薬価基準収載
1985年12月18日発売 |
国内のジェネリック認可 |
- |
関連製品(先発薬) |
アルボ錠100mg/アルボ錠200mg【製薬メーカー:大正製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
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効果・作用 |
外傷後の消炎・鎮痛、肩関節周囲炎の消炎・鎮痛、頸肩腕症候群の消炎・鎮痛、手術後の消炎・鎮痛、痛風発作の消炎・鎮痛、変形性関節炎の消炎・鎮痛、変形性脊椎症の消炎・鎮痛、腰痛症の消炎・鎮痛、関節リウマチの消炎・鎮痛に使用します。
オキサプロジンはプロピオン酸系の非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)です。
非ステロイド性消炎鎮痛剤はステロイド以外で抗炎症作用を持つ薬物群の総称です。
鎮痛、解熱、消炎作用を有します。
NSAIDsの作用機序は以下の通りになります。
アラキドン酸は特異的なホスホリパーゼA2により細胞膜リン脂質から遊離し、シクロオキシゲナーゼにより参加され、プロスタグランジンG2が形成されます。
さらに、プロスタグランジンG2は過酸化反応によりプロスタグランジンH2に変換されます。
シクロオキシゲナーゼは2つの酵素活性を持ちます。
その後、プロスタグランジンH2は各種合成酵素によりPGE2、PGI2、PGF2α、PGD2、TXA2等に変換されます。
これらの代謝物はそれぞれ異なる細胞膜受容体、すなわちPGE2受容体、PGD2受容体、PGI2受容体、PGF2α受容体、TXA2受容体を介して様々な生理活性を示します。
また、産生されたPGsは炎症局所で増加した発痛物質のブラジキニンの痛覚受容体感受性の閾値を低下させることにより、疼痛を憎悪させると考えられております。
非ステロイド性消炎鎮痛剤はシクロオキシゲナーゼの疎水性チャネルを封鎖することでアラキドン酸が酵素活性部位に結合することを防ぎ、PGE2やPGI2の産生を阻害して抗炎症、鎮痛効果を発揮します。
解熱作用も有しておりますが適応症としてとっていないため保険診療での使用において解熱剤としての使用はできません。 |
使用方法 |
成人にはオキサプロジンとして1日量400mgを1~2回に分けて経口投与します。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高量は600mgとなっております。
(1)消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
(2)慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
1)長期投与する場合には、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な措置を講ずること。
2)薬物療法以外の療法も考慮すること。
(3)外傷後及び手術後に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
1)炎症及び疼痛の程度を考慮し投与すること。
2)原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
(4)患者の状態を十分観察し、副作用の発言を避けること。
(5)感染症を不顕性化する恐れがあるので、感染症を合併している患者に対し用いる場合には適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。
(6)他の非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
(7)高齢者及び小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
食後投与と空腹時投与時ではTmax、Cmax及びAUCに有意差をみず、本剤の体内胴体は摂食の有無にほとんど影響されない。
しかし胃腸障害の副作用を考慮し服用の際は食後が望ましいとされています。 |
副作用 |
主な副作用
(1)上部消化管障害:NSAIDsに多くの副作用が知られています。これらの中で、頻度及び重症度ともに最も高いのが消化管障害です。
胃炎(38.5%)
胃潰瘍(15.5%)
胃潰瘍瘢痕(8%)
十二指腸潰瘍(1.9%)
が示されています。
(2)小腸障害:NSAIDs起因性小腸病変が認められております。
(3)大腸障害
(4)腎障害:NSAIDsは腎前高尿素窒素血症、低レニン性低アルドステロン省、Na貯留、浮腫、高血圧、腎血流低下によるクレアチニンの上昇や腎不全、急性間質性腎炎、ネフローゼ症候群などの副作用をきたします。
(5)肝障害:軽度のトランスアミナーゼの上昇から劇症型の肝壊死まで種々の程度の肝障害が認められます。
(6)心血管合併症:心筋梗塞などの心血管障害発症リスクを増大させます。
(7)血液障害:NSAIDsの副作用として、貧血、白血球減少、血小板減少などが知られています。
(8)皮膚障害:皮下出血、点状出血、紫斑などが認められております。
(9)その他:頭痛、めまい、憂鬱、耳鳴り、認知障害などの脳神経障害を認めることもあります。
副作用の頻度としては以下の通りです。
(0.1~1%未満)
胃部不快感、胃痛、発疹
(0.1%未満)
眠気、めまい、頭痛、嘔気、食欲不振、便秘、下痢、口内炎、胃炎、腹痛、腹部不快感、舌の荒れ、口渇、嘔吐、かゆみ、AST(GOT)の上昇、ALT(GPT)の上昇、Al-Pの上昇、浮腫、倦怠感、胸部圧迫感、霞目、発汗、耳鳴り、尿沈査異常
(頻度不明)
貧血、白血球減少、肝炎
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 1.消化性潰瘍のある患者
消化性潰瘍を再発さえる恐れがある為。
2.重篤な肝障害のある患者
肝障害を悪化又は再発させる恐れがある為。
3.重篤な腎障害のある患者
腎血流量を低下させ腎障害を悪化又は再発さえる恐れがある為。
4.本剤の成分に対し過敏症の患者
5.アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者
喘息発作を誘発させる恐れがある為。
6.妊婦または妊娠している可能性のある婦人
妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、また、妊娠末期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮がほうこくされています。
7.血液の異常又はその既往歴のある患者
血液の異常を悪化又は再発させる恐れがある為。
8.気管支喘息の患者
喘息発作を誘発させる恐れがある為。
9.潰瘍性大腸炎の患者
症状を悪化させる恐れがある為。
10.クローン病の患者
症状を悪化させる恐れがある為。
11.高齢者
本剤は、主として腎臓から排泄され、また血漿アルブミンとの結合性が強い薬物であるので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
高齢者では、一般に腎機能の低下により高い血中濃度が持続したり、血漿アルブミンの減少により、遊離の薬物の血中濃度がたかくなるおそれがある為。
12.授乳婦
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けること。(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)
13.小児
小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)
上記にあてはまる方は、オキサプロジンを使用する事が出来ない可能性があります。 オキサプロジンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
①経口抗凝血剤
本剤は血漿アルブミンと効率に結合するので、血漿アルブミン結合率の高い薬剤と併用すると、血中に活性型の併用薬が増加し、その薬剤の作用が増強されるためと考えられています。
抗凝血作用を増強する恐れがあるので注意し、必要があれば減量すること。
②リチウム製剤
本剤の腎におけるプロスタグランジン生合成阻害作用により、炭酸リチウムの腎排泄が減少するためと考えられている。
血中濃度を上昇させ、リチウム中毒を起こす恐れがあるので、血中のリチウム濃度に注意し、必要があれば減量すること。
③ニューキノロン系抗菌剤
ニューキノロン系抗菌剤は中枢神経系の抑制性神経伝達物質であるGABAの受容体への結合を阻害し、痙攣誘発作用を起こす。本剤の併用によりその阻害作用を増強するためと考えられている。
動物実験で痙攣が現れたとの報告があるので注意すること。
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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