エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン配合剤

成分名

エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン配合剤

適応症状

血管性頭痛、片頭痛、緊張性頭痛

簡易説明

エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン配合剤は主にエルゴタミン製剤と呼ばれ頭痛の治療に用いられてきました。 その成分はピリン系薬との配合剤になります。この薬の効き目は有効に効果を発揮する一方、副作用に注意が必要とされております。ピリン系薬剤を服薬する事で過敏症や発疹、アレルギーなどが多く見られたとの報告があります。ピリン系薬剤にアレルギーを持つ患者さんは少なくありません。ピリン系薬剤が入っている医薬品は他にも存在する為患者情報の聞き取りには注意が必要です。

処方可能な診療科目

内科/外科/整形外科/産婦人科/耳鼻咽喉科/脳神経外科内科/精神科など

健康保険の適応

健康保険適応

病院で処方してもらう時の費用目安

診察料などの目安  :約2,000円~5,000円
薬代1錠あたりの目安:S0.5約7円/A1.0約11円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になります。

厚生労働省による認可、または発売年月日

1965年7月8日製造販売承認(旧販売名:クリアミンA錠)
1989年7月27日製造販売承認(旧販売名:クリアミンS錠)
2009年7月1日製造販売承認(販売名変更による)
1979年2月1日薬価基準収載(旧販売名:クリアミンA錠)
1990年7月13日薬価基準収載(旧販売名:クリアミンS錠)
2009年9月25日薬価基準収載(販売名変更による)
2009年9月25日発売

国内のジェネリック認可

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

関連製品(先発薬)

クリアミン配合錠S0.5/A1.0【製薬メーカー:日医工株式会社】

関連製品(ジェネリック)

現在ジェネリック医薬品の製造はありません。

効果・作用

エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン配合剤は頭痛主に血管性頭痛、片頭痛、緊張性頭痛に対して効果のある医薬品になります。
主成分にはエルゴタミン酒石酸塩、無水カフェイン、イソプロピルアンチピリンの3剤が配合されており各々の効果が合わさって症状を改善します。

エルゴタミン酒石酸塩の作用は、5-HT1B受容体を介した頭蓋内脳実質外血管の収縮作用がります。
無水カフェインの作用はカフェインによるエルゴタミン酒石酸塩の消化管よりの吸収促進作用があります。併用する事で高い血中濃度が得る事が出来効果の増強が認められます。
イソプロピルアンチピリンはピリン系の解熱鎮痛消炎剤になります。同じピリン系にはスルピリンがありますが現在はほとんど使われておりません。作用機序はプロスタグランジン合成阻害に基づき産生を抑制し、その作用を抑えて効果を発揮します。より中枢性に働き、比較的強い解熱作用、鎮痛作用を発現すると考えられております。単剤での商品の販売はなく、クリアミン配合錠A1.0/S0.5やSG配合顆粒のように配合剤として作用する事で相乗的な効果を期待する医薬品になります。

片頭痛には現在トリプタン製剤が主に使用されますが、トリプタン製剤と比較してエルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン配合剤は効果持続時間が長いこと、長期間使用しても効果が低下しにくい事といった特徴があり、現在では限られた症例での使用に用いられております。慢性頭痛診療ガイドラインでの評価は推奨「グレードB」に該当しております。

使用方法

通常成人においては、エルゴタミン酒石酸塩を1mg含有する製剤であるクリアミン配合錠A1.0を使用する場合、1回1錠を1日2~3回経口投与する事とされております。また、臨時的投与も可能で、頭痛時における発作の前兆がある場合には1~2錠を頓用する事とされております。なお、年齢や患者の状態によっては適宜増減する事とされております。また、服用する量にも限度があり、1週間で最大10錠まで内服する事が可能とされております。
エルゴタミン酒石酸塩を0.5mg含有する製剤であるクリアミン配合錠S0.5も販売されております。含有量がクリアミン配合錠A1.0の半分ですので、クリアミン配合錠A1.0から減量を考慮する際や、調整したい場合に使用する事ができます。

副作用

重大な副作用
重大な副作用は報告されておりますが全て頻度不明となっております。
1)ショック
脈拍の異常,呼吸困難,顔面蒼白,血圧低下等のショック症状が現れる事が報告されております。
2)中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群
3)麦角中毒
血管攣縮,動脈内膜炎,チアノーゼ,壊疽等の麦角中毒症状を起こすことが報告されております。
4)エルゴタミン誘発性の頭痛,頭痛を主訴とする禁断症状
長期連用した場合や、投与を急に中止した場合に現れる事があると報告されております。
5)肝機能障害、黄疸
AST(GOT),ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあると報告されております。
6)心筋虚血、心筋梗塞
7)繊維症
長期連用により,胸膜,後腹膜又は心臓弁の線維症があらわれたとの報告があります。

その他の副作用
過敏症、血液、腎臓、消化器、循環器、精神神経系、運動器、その他の副作用が挙げられます。

発生頻度は以下の通りです。
1)過敏症
局所性浮腫、そう痒感、蕁麻疹、呼吸困難(5%以上又は頻度不明)
発疹(0.1~5%未満)
2)血液
顆粒球減少、血小板減少、貧血(5%以上又は頻度不明)
3)腎臓
腎障害(5%以上又は頻度不明)
4)消化器
食欲不振(5%以上又は頻度不明)
悪心、嘔吐、下痢、腹痛(0.1~5%未満)
5)循環器
心悸亢進、徐脈、頻脈、胸部不快感、血圧上昇(5%以上又は頻度不明)
6)精神神経系
不安、振戦、頭痛、眩暈(5%以上又は頻度不明)
不眠、眩暈、眠気(0.1~5%未満)
7)運動器
四肢筋痛、四肢脱力感(5%以上又は頻度不明)
知覚異常(四肢のしびれ感,ピリピリ感)(0.1~5%未満)
8)その他
瞳孔縮小又は拡大(5%以上又は頻度不明)
倦怠感(0.1~5%未満)

その他の副作用は5%以上のものもあり重大な副作用より頻度が多いものもあります。頻度不明であっても5%以上であっても薬を服薬する事で異常が認められた場合は速やかに投与を中止し主治医への相談を仰ぐようにしましょう。

※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。

使用に注意が必要な方
使用出来ない方

使用が出来ない方
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン配合剤を投与中の患者において投与禁忌の体調者は非常に多いです。以下項目に該当される方は症状の悪化を来す恐れがある為投与しないこととされております。また相互作用の医薬品も非常に多い為該当されるかどうかはかかりつけの薬剤師や医師に確認するようにしましょう。
1)末梢血管障害,閉塞性血管障害のある患者
2)狭心症の患者
3)冠動脈硬化症の患者
4)コントロール不十分な高血圧症,ショック,側頭動脈炎のある患者
5)肝又は腎機能障害のある患者
6)敗血症患者
7)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
8)授乳婦
9)本剤,麦角アルカロイド(エルゴタミン等)又はピラゾロン系薬剤(スルピリン、アミノピリン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
10)心エコー検査により、心臓弁尖肥厚、心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある患者
11)HIV プロテアーゼ阻害剤、エファビレンツ、コビシスタット、マクロライド系抗生物質、アゾール系抗真菌薬、テラプレビル、オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル、5-HT1B/1D受容体作動薬、麦角アルカロイドを投与中の患者

使用に注意が必要な方
1)心臓障害のある患者
2)血液障害のある患者
3)緑内障の患者
4)本人又は両親、兄弟に他の薬剤に対するアレルギー、蕁麻疹、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー等の見られる患者
上記降雨目に該当される方は症状を悪化させる恐れがある為使用には注意が必要とされております。

上記にあてはまる方は、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン配合剤を使用する事が出来ない可能性があります。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン配合剤を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬

併用注意薬
エルゴタミンは主に代謝酵素CYP3A4で代謝される為、本酵素の阻害作用を有する薬剤との併用には注意が必要とされております。

β‐遮断剤:プロプラノロール等

上記を使用している方は、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン配合剤を使用する事が出来ない可能性があります。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン配合剤を使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。

併用禁忌薬
1)HIV プロテアーゼ阻害剤
2)エファビレンツ(ストックリン)
3)コビシスタット含有製剤(スタリビルド)
4)マクロライド系抗生物質
5)アゾール系抗真菌薬
6)テラプレビル(テラビック)
7)オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル(ヴィキラックス)
8)5‐HT1B/1D 受容体作動薬
9)麦角アルカロイド

上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です
現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。

よくある質問
クリアミン配合錠S1.0を処方されました。注意点はありますか?

めまい等が現れる事があります。服用中は自動車の運転等危険を伴う作用は避けた方が良いでしょう。
インタビューホーム 【日医工株式会社】

薬を飲み忘れたときはどうしたらよいか?

飲み忘れた場合は症状がなければ服用しなくても構いません。次回服用時間が近いときは1回分飛ばして再開するようにしましょう。
くすりのしおり 【日医工株式会社】

参考元一覧

インタビューホーム 【日医工株式会社】

医療用医薬品の添付文書情報 【PMDA】

くすりのしおり 【日医工株式会社】

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医薬品を使用し、体調不良が現れた場合、我慢せずに直ちに医師の診察を受け、指示に従って下さい。