成分名 |
フェルビナク |
適応症状 |
筋肉痛/関節痛など |
簡易説明 |
フェルビナクは非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)に分類される消炎鎮痛成分です。
フェルビナクを主成分として薬は1986年に日本レダリー株式会社(現 ファイザー株式会社)によってナパゲルン軟膏として開発、承認取得、販売されました。その後ローション剤「ナパゲルンローション」を1990年に発売し、エタノールを含まないクリーム剤「ナパゲルンクリーム」を1992年に発売しました。
また、同社は無臭性の貼付剤(湿布)として、セルタッチを1993年に発売し、テープ剤「セルタッチテープ」を2010年に販売しました。
ナパゲルン、セルタッチは2019年に現在の製造メーカー、帝國製薬株式会社に販売移管されました。
フェルビナクは一般用医薬品の有効成分としても広く用いられていて、2023年4月現在、147製品が発売されています。 |
処方可能な診療科目 |
整形外科/内科/外科など |
健康保険の適応 |
下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
変形性関節症、筋・筋膜性腰痛症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛]
※筋・筋膜性腰痛症はナパゲルンのみ |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診察料などの目安:軟膏1本(25g)130円~150円/クリーム1本(25g)150円/ローション1本(50mL)150円~300円/ポンプスプレー(100mg)550円/パップ・テープ70mg(7枚)70円~120円/テープ140mg(7枚)120円~150円
※症状等により使用回数等が異なるため包装単位で記載しています。
薬代1単位あたりの目安:クリーム・軟膏 5.90円(1gあたり)/ローション 5.90円(1mLあたり)/パップ70・テープ70 17.10円(1枚あたり)/パップ140 21.30円(1枚あたり)
薬代後発品1単位の目安:軟膏 5.20円(1gあたり)/ローション 3.00円(1mLあたり)/ポンプスプレー 5.50円(1mLあたり)/パップ・テープ70mg 9.90円~14.00円(1枚あたり)、パップ140mg 17.30円
病院によって差が有り薬代の他に、初診料・診察料・検査料などが必要になる。
湿布(テープ含む)の一回の最大処方量は63枚(7枚×9袋)です。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
発売年月日:(ナパゲルン)1986年11月、(セルタッチ)2007年10月15日 |
国内のジェネリック認可 |
あり |
関連製品(先発薬) |
ナパゲルン(軟膏、ローション、クリーム)、セルタッチ(パップ70・140、テープ)【製薬メーカー:帝國製薬株式会社】 |
関連製品(ジェネリック) |
フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」【製薬メーカー:三笠製薬株式会社】
フェルビナクローション3%「ラクール」【製薬メーカー:ラクール薬品販売株式会社】
フェルビナク外用ポンプスプレー3%「ラクール」【製薬メーカー:ラクール薬品販売株式会社】、フェルビナク外用ポンプスプレー3%「三笠」【製薬メーカー:三笠製薬株式会社】
フェルビナクテープ35mg「NP」【製薬メーカー:ニプロ株式会社】、フェルビナクテープ35mg「三笠」【製薬メーカー:三笠製薬株式会社】
フェルビナクテープ70mg「EMEC」【製薬メーカー:日医工株式会社】、フェルビナクテープ70mg「NP」【製薬メーカー:ニプロ株式会社】、フェルビナクテープ70mg「ラクール」【製薬メーカー:ラクール薬品販売株式会社】、フェルビナクテープ70mg「東光」【製薬メーカー:日本ジェネリック株式会社】、フェルビナクテープ70mg「サワイ」【製薬メーカー:沢井製薬株式会社】、フェルビナクテープ70mg「ユートク」【製薬メーカー:祐徳薬品工業株式会社】、フェルビナクテープ70mg「タイホウ」【製薬メーカー:大鵬薬品工業株式会社】、フェルビナクテープ70mg「久光」【製薬メーカー:久光製薬株式会社】、フェルビナクテープ70mg「三笠」【製薬メーカー:三笠製薬株式会社】、フェルビナクテープ70mg「オーハラ」【製薬メーカー:大原薬品工業株式会社】
フェルビナクテープ140mg「ラクール」【製薬メーカー:ラクール薬品販売株式会社】、フェルビナクテープ140mg「東光」【製薬メーカー:日本ジェネリック株式会社】 |
効果・作用 |
ナパゲルン、セルタッチは経皮吸収のNSAIDsです。経皮吸収のため全身血液循環を介さずに直接皮下に有効成分であるフェルビナクを浸透させる薬です。全身血液循環を介するNSAIDs(飲み薬)でみられる消化器障害などの全身的な副作用を回避することを目的に開発されました。
痛みは自身の体に異変がおこった事を知らせるという重要な役割があります。この痛みはプロスタグランジンによって引き起こされます。フェルビナクはこのプロスタグランジンを抑制する事で鎮痛効果を発揮します。この効果から原因によらず痛みや炎症を抑える作用を発揮しますが、痛みの原因を治療する効果はありません。このため、原因療法ではなく対処療法であることに留意するよう添付文書に記載があります。
このプロスタグランジン抑制作用はインドメタシンの1/2、アスピリンの10倍であることが動物実験で確認されています。フェルビナクはプロスタグランジンを抑制する事で、鎮痛、急性・慢性炎症に対する鎮痛・抗炎症作用を示します。
【フェルビナク製剤の臨床試験】
・ナパゲルン(中等度以上改善症例率)
軟膏 60.0%(5,475/9,090)、クリーム 65.6%(40/61)、ローション 65.5%(772/1,178)
・セルタッチ(中等度以上改善症例率)
68.8%(2,935/4,269)※セルタッチパップ70の試験結果 |
使用方法 |
(ナパゲルン)
症状により、適量を1日数回患部に塗ります。
(セルタッチ)
1日2回患部に貼ります。 |
副作用 |
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー:テープ剤を使用した方で発生しています。
(ナパゲルン)
副作用発現率:0.51%(61例/12,022例)
主な副作用:掻痒(0.17%)、皮膚炎(0.16%)、発赤(0.11%)
※クリーム剤を対象とした63例の集計では副作用はありませんでした。
(セルタッチ)
副作用発現率:1.41%(71例/5,033例)
主な副作用:皮膚炎(0.44%)、掻痒(0.44%)、発赤(0.40%)、接触皮膚炎(0.34%)
※テープ剤では副作用発現頻度が明確になる集計を行っていません。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 ■アスピリン喘息(過去に罹患した方を含む)のある方
喘息を誘発するおそれがある為、使用出来ません。
※アスピリン喘息:NSAIDs等による喘息発作の誘発
■ナパゲルン・セルタッチ及びフェルビナク含有製剤、フェルビナクを配合した医薬品の添加物にアレルギーをお持ちの方
有効成分及び下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、ナパゲルン、セルタッチはアレルギー反応を起こしてしまう為、使用出来ません。
▼ナパゲルン、セルタッチの有効成分
フェルビナク
▼ナパゲルン、セルタッチの添加物
(ナパゲルン)
・軟膏
カルボキシビニルポリマー、ジイソプロパノールアミン、エタノール
・クリーム
セタノール、白色ワセリン、ステアリンアルコール、カルボキシビニルポリマー、スクワラン、ステアリン酸ポリオキシル40、モノステアリン酸グリセリン、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、1,3-ブチレングリコール、トリエタノールアミン
・ローション
カルボキシビニルポリマー、トリエタノールアミンエタノール、濃グリセリン
(セルタッチ)
・パップ
クロタミトン、ジイソプロバノールアミン、プロピレングリコール、パラオキシ安息香酸プロピル、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム(パップ70のみ)、ポリアクリル酸部分中和物(パップ140のみ)、グリセリン、D-ソルビトール、エデト酸ナトリウム水和物、ゼラチン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、pH調節剤、その他2成分
・テープ
スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体、脂環族飽和炭化水素樹脂、ジブチルヒドロキシトルエン、流動パラフィン、その他2成分
使用に注意が必要な方 ・気管支喘息のある方:喘息発作を誘発するおそれがあります
・皮膚感染症のある方:皮膚の感染症を不顕化するおそれがあります。
※感染を伴う炎症に対して使用する場合には適切な抗菌剤や抗真菌剤を併用します。
・妊婦:シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口薬、坐剤)を使用して胎児の腎機能障害、尿量減少とそれに伴う羊水過少症がおきたとの報告があります。
・小児:臨床試験を実施していません。
上記にあてはまる方は、フェルビナクを使用する事が出来ない可能性があります。 フェルビナクを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。 |
併用禁忌薬 |
併用禁忌薬 なし
併用禁忌薬がないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
フェルビナクに関する よくある質問 |
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参考元一覧 |
フェルビナク(ナパゲルン、セルタッチ 添付文書、インタビューフォーム) 【PMDA 医療用医薬品 情報検索】
フェルビナクを含む 【PMDA 一般用医薬品・要指導医薬品 情報検索】 |
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