成分名 |
イソプロピルアンチピリン |
適応症状 |
解熱・鎮痛 |
簡易説明 |
イソプロピルアンチピリンは、ピリン系に分類されます。
元々は処方薬として実績のあった薬を市販薬として販売するスイッチOTCという制度を使っている薬なので、安心感の高い成分です。
ピリン系の薬には、アレルギーによる発疹(ピリン疹)が発生する頻度の高いと有名ですが、本剤はピリン系の薬でも比較的副作用リスクの低い薬です。
ただし、リスクがゼロではないので、アレルギー体質の人は注意が必要です。
ピリン系では唯一、市販薬や処方薬で利用されている成分です。
本剤は単体では使われず、他の鎮痛成分であるアセトアミノフェンやイブプロフェンと一緒に配合されています。
痛みの原因物質であるプロスタグランジンを抑制することで、痛みを感じにくくなる効果があります。
痛み止めの効果としては、アスピリンやアセトアミノフェンよりは強く、ロキソプロフェンよりは弱いという位置にあります。 |
処方可能な診療科目 |
内科/外科など |
健康保険の適応 |
健康保険適用 |
病院で処方してもらう時の費用目安 |
診療代の目安:1,000~2,000円
薬代の目安:クリアミン配合錠A1.01錠/10.6円(日医工)
クリアミン配合錠S0.51錠/6.8円(日医工)
SG配合顆粒1g/9.4円(シオノギファーマ)
病院によって差があり、薬代の他に診察料・初診料・検査料などが必要になります。 |
厚生労働省による認可、または発売年月日 |
2003年7月発売 |
国内のジェネリック認可 |
なし |
関連製品(先発薬) |
クリアミン配合錠A1.0(日医工)
クリアミン配合錠S0.5(日医工)
SG配合顆粒(シオノギファーマ) |
関連製品(ジェネリック) |
なし |
海外での使用実績 | 重篤な副作用により、いくつかの国では製造販売が禁止されましたが、日本やイタリア、ドイツ、スペイン、南米、インド、パキスタン、インドネシア等では使用されています。WHOのコメントでは、“ピラゾロン系の解熱鎮痛消炎薬であるイソプロピルアンチピリンは1951年にリウマチ治療薬として発表された。構造的には重篤な造血機能障害を生ずるアミノピリンと同系統であるが、発癌作用のあるニトロソアミンにはならず、アミノピリンの代替薬として広く使用されている。いくつかの国ではイソプロピルアンチピリンを含む製品は効能・効果を制限されているが、流通は続いており、OTCとして入手可能な場合もある”とされています。 |
効果・作用 |
イソプロピルアンチピリンとアセトアミノフェンは、体温調節中枢に作用して皮膚血管を拡張し、熱の放散を盛んにして解熱効果を示す作用があります。
アリルイソプロピルアセチル尿素は穏やかな鎮静薬で、痛みに伴う不安、不快感、恐怖心等の疼痛反応を除去することによって痛みを緩和するとともに、鎮痛薬としての作用を増強します。
イソプロピルアンチピリンとアセトアミノフェンの配合により、鎮痛作用はより増強されます。
カフェインの中枢神経興奮作用は精神機能を活発にして、不快感等の疼痛反応を除去することにより、痛みやそれに属する不安等を緩和し、更に血管性頭痛に対しては脳血管を収縮して、鎮痛作用を示します。
解熱鎮痛作用は比較的強く、特に中枢性により作用しやすいと言われ、市販薬では頭痛を主訴として購入する方が多いようです。また、抗炎症作用は弱いと言われています。
そして単独使用よりもほかの解熱・鎮痛成分と配合すると、より効果を発揮しやすいと言われています。
錠剤は脳の血管の拡張を抑え、頭痛を和らげる目的で処方されることが多いです。
効果を発揮する頭痛の種類としては、緊張性頭痛・血管性頭痛・片頭痛(家族性片麻痺性、脳底型、眼筋麻痺性、網膜片頭痛を除く)が挙げられます。
顆粒は皮膚の血管をひろげて熱を放散させる働きや、痛みの感受性を低下させる働きを利用して、熱を下げたり痛みをやわらげたりする目的で処方されます。顆粒の適用症状は、咽頭痛・外傷痛・月経痛・耳痛・頭痛・歯痛・風邪による発熱・症候性神経痛などが挙げられます。 |
使用方法 |
錠剤の場合は1回1錠を1日2~3回経口投与します。頭痛発作の前兆がある場合は1~2錠を頓服として服用します。なお、年齢・症状により適宜増減します。ただし、1週間に最高10錠までとされています。
顆粒の場合は、通常、成人1回1gを1日3~4回経口投与します。頓服の場合には、1~2gを服用させますが、追加するときは少なくとも4時間以上経過後とします。なお、年齢や症状により適宜増減します。ただし、1日最高4gまでとすることが定められています。 |
副作用 |
主な副作用
食欲不振、嘔吐、眠気、発疹、悪心、下痢、腹痛、不眠、知覚異常、倦怠感、過敏症、腎障害、紅斑、そう痒、顆粒球減少、腹部膨満感などがあります。
重大な副作用
血小板減少、溶血性貧血、中毒性表皮壊死融解症、Toxic Epidermal Necrolysis、TEN、皮膚粘膜眼症候群、Stevens-Johnson症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、アナフィラキシー、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、呼吸困難、血圧低下、重篤な喘息発作、間質性肺炎、咳嗽、発熱、肺音異常、間質性腎炎、急性腎障害、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇脈拍異常、呼吸困難、顔面蒼白、血圧低下、ショック症状、血管攣縮、動脈内膜炎、チアノーゼ、壊疽、麦角中毒症状、四肢のしびれ感、ピリピリ感、痛み、脈消失、腎血流障害、腎機能障害、脳血流障害、意識障害、麻痺、頭痛、禁断症状、エルゴタミン誘発性頭痛、肝機能障害、心筋虚血、心筋梗塞、前胸痛、線維症、胸膜線維症、後腹膜線維症、心臓弁線維症などが挙げられます。
その他の副作用
局所性浮腫、蕁麻疹、顆粒球減少、血小板減少、貧血、腎障害、心悸亢進、徐脈、頻脈、胸部不快感、血圧上昇、不安、振戦、眩暈、四肢筋痛、四肢脱力感、瞳孔縮小、瞳孔拡大、胃不快感、便秘、下痢、口内炎、眠気、ふらつき、めまい、頭痛、しびれ感、熱感、全身倦怠感、脱力感、肩こりなどがみられることがあります。
副作用の度合いに関わらず、上記のような症状がみられた場合には速やかに受診してください。
※その他、異変を感じた場合は直ぐに医師の診察を受け指示に従ってください。 |
使用に注意が必要な方 使用出来ない方 |
使用が出来ない方 イソプロピルアンチピリンを配合した医薬品の添加物に、アレルギーをお持ちの方
下記、添加物にアレルギーをお持ちの方、クリアミン配合錠・SG配合顆粒はアレルギー反応を起こしてしまう為、服用できません。
SG配合顆粒の有効成分
イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン
SG配合顆粒の添加物
乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、含水二酸化ケイ素
クリアミン配合錠の有効成分
エルゴタミン酒石酸塩、無水カフェイン、イソプロピルアンチピリン
クリアミン配合錠の添加物
乳糖,トウモロコシデンプン,セルロース,カルメロースカルシウム,ポリビニルアルコール(部分けん化物),ステアリン酸マグネシウム,黄色4号(タートラジン)
次に当てはまる方は使用できません。
・末梢血管障害,閉塞性血管障害のある方
・狭心症の方
・冠動脈硬化症の方
・コントロール不十分な高血圧症,ショック,側頭動脈炎のある方
・肝又は腎機能障害のある方
・敗血症の方
・妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
・授乳婦
・本剤,麦角アルカロイド(エルゴタミン等)又はピラゾロン系薬剤(スルピリン,アミノピリン等)に対し過敏症の既往歴のある方
・心エコー検査により,心臓弁尖肥厚,心臓弁可動制限及びこれらに伴う狭窄等の心臓弁膜の病変が確認された患者及びその既往のある方
・HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル,ロピナビル・リトナビル,ネルフィナビル,ホスアンプレナビル,インジナビル,アタザナビル,サキナビル,ダルナビル),エファビレンツ,コビシスタット,マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン,ジョサマイシン,クラリスロマイシン,ミデカマイシン,ロキシスロマイシン),アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール,ミコナゾール,フルコナゾール,ホスフルコナゾール,ボリコナゾール),テラプレビル,オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル,5-HT1B/1D受容体作動薬(スマトリプタン,ゾルミトリプタン,エレトリプタン,リザトリプタン,ナラトリプタン),麦角アルカロイド(ジヒドロエルゴタミン,エルゴメトリン,メチルエルゴメトリン)を投与中の方
使用に注意が必要な方 ・心臓障害のある方
・血液障害(貧血,白血球減少等)のある方
・緑内障の方
・本人又は両親,兄弟にほかの薬物に対するアレルギー,蕁麻疹,気管支喘息,アレルギー性鼻炎,食物アレルギー等のみられる方 |
併用禁忌薬 |
併用注意薬 プロプラノロール等
上記を使用している方は、イソプロピルアンチピリンを使用する事が出来ない可能性があります。 イソプロピルアンチピリンを使用する前に、医師又は薬剤師に使用しても問題ないか必ず確認をして下さい。
併用禁忌薬 リトナビル(ノービア)、ロピナビル・リトナビル(カレトラ)、ネルフィナビル(ビラセプト)、ホスアンプレナビル(レクシヴァ)、インジナビル(クリキシバン)、アタザナビル(レイアタッツ)、サキナビル(インビラーゼ)、ダルナビル(プリジスタ)、エファビレンツ(ストックリン)、コビシスタット含有製剤(スタリビルド)、エリスロマイシン(エリスロシン等)、ジョサマイシン(ジョサマイシン等)、クラリスロマイシン(クラリシッド等)、ミデカマイシン(メデマイシン等)、ロキシスロマイシン(ルリッド等)、イトラコナゾール(イトリゾール等)、ミコナゾール(フロリード等)、フルコナゾール(ジフルカン等)、ホスフルコナゾール(プロジフ)、ボリコナゾール(ブイフェンド)、テラプレビル(テラビック)、オムビタスビル水和物・パリタプレビル水和物・リトナビル(ヴィキラックス)、スマトリプタン(イミグラン等)、ゾルミトリプタン(ゾーミッグ等)、エレトリプタン(レルパックス)、リザトリプタン(マクサルト)、ナラトリプタン(アマージ)、ジヒドロエルゴミン(ジヒデルゴット等)、エルゴメトリン(エルゴメトリン)、メチルエルゴメトリン(メテルギン等)
上記の併用禁忌薬に入ってないからといって、その他の医薬品と併用するのは危険です 現在、薬を服用している場合は、併用可能かどうか必ず医師に相談してください。 |
よくある質問 |
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